「いなげな」とは？愛媛や広島の方言の意味や使い方を知ろう

「いなげな」は、「変な」や「奇妙な」といった意味を持つ方言です。漢字で書くと「異なげな」という表記になり、「変な感じの」といったニュアンスがあります。よく時代劇などで、おかしなことを言った相手に対して「これは異なことを」というシーンがありますが、「いなげな」は「異なこと」と言い換えると理解しやすいです。

「いなげな」の意味である「変な」や「奇妙な」には、ネガティブな意味を持つ傾向にあります。このため、行動や服装のさまが、周りが引くような意味で風変わりである場合に使われるのが一般的です。

「いなげな」は、主に広島弁や愛媛弁で見られる方言です。広島県と愛媛県は、間に瀬戸内海に浮かぶ島々が点在していることもあって、古くから船を使った往来が盛んでした。人の交流も盛んに行われたため、「いなげな」も両地域で使われるようになったようです。ただし現在では「いなげな」を実際に使っている人は、年配の方が中心です。

「いなげな」は広島県や愛媛県に加えて、山口県や島根県でも使われています。島根県の隣にある鳥取県でも米子市では「えなげな」として使われますが、「えなげな」は「変な」のほかに「いい加減な」という意味を持った方言です。

この他、山陽地方でも岡山県備前地域などで「いなげな」が使われていましたが、今では「ひょんなげな」が多く使われています。

「いなげな」は、主に広島弁と愛媛弁で日常的に使われる方言ですが、具体的な使い方やシチュエーションはどのようなものなのでしょうか。ここでは「いなげな」を使うシーンを、例文を取り上げながら見ていきます。

「いなげな」について知る際に参考になる例文が、「ちょっと、いなげなな事してるなぁ。こうした方がいいよ。」です。取り組むべき課題がうまく進まず、チェックしてみたら普通とは異なるやり方でやっているため指摘しているシーンといえます。

「いなげな」は、「最近はいなげな天気が続くけど、もっとカラっと晴れてほしいよね。」のように、日常会話で天気の話をする場合でもよく使われます。異常気象の多い近年には、使い勝手が良い言葉かもしれません。

「いなげな」の他にも、中国地方には様々な方言があります。以下の記事では中国地方で使われている方言についてご紹介していますので、中国地方に旅行する際に覚えておくと便利です。