「がばい」の意味とは
「がばい」は「非常に」や「とても」という意味を持つ佐賀県の方言です。
佐賀県出身の島田洋七さんのベストセラー小説「佐賀のがばいばあちゃん」で独特な方言の「がばい」が全国的に有名になりました。
小説の登場人物から「がばい」をパワフルで元気のある人を意味する言葉と捉えている人もいるようですが、実際は正しくありません。「がばい」とは「非常に~」とその後に続く形容詞や動詞の強さを表す言葉です。
「がばい」は佐賀の方言
「がばい」は佐賀県の方言ですが語源は定かではありません。最近は若い人で使っている人をあまり見かけなくなりましたが、年配者の間では今でも時々使われている言葉です。
小説のタイトルである「がばいばあちゃん」は本来の使い方とは異なります。方言の「がばい」はとてもの意味を持つ副詞なので形容詞や動詞の前に用いられ、名詞の前には付けません。
「佐賀のがばいばあちゃん」を標準語に直すと「佐賀の非常にばあちゃん」という意味になります。「佐賀の非常に元気なばあちゃん」の方言は、正しくは「佐賀のがばい元気かばあちゃん」です。
全国的に佐賀県のイメージを持った「がばい」は、今では佐賀県を指す言葉として用いられることがあります。2007年に開催された第89回全国高等学校野球選手権大会で優勝した佐賀県立佐賀北高等学校は、ファイトを燃やした戦いぶりから「がばい旋風」と呼ばれました。
「がばい」の使い方の例
言葉は時代の流れで使い方が変わっていくことがあります。佐賀県の方言「がばい」の本来の使い方を例文を用いて紹介しましょう。
「がばいすごか雨ね。」
ボブ
がばいすごか雨ね。川は氾濫しないやろか?
萌え袖ちゃん
数年前の豪雨災害の後堤防高くなったから大丈夫よ。
意味は「とてもすごい雨ね」です。雰囲気としては数年ぶりの豪雨のようないつもと違う雨の降り方のときに使われます。
「がばい太か足しとるらしか。」
ボブ
友達の○○ちゃんに赤ちゃんが生まれたってね。
萌え袖ちゃん
うん。がばい太か足しとるらしか。大きくなるやろ。
意味は「とても太い足をしているらしい」です。生まれたばかりの赤ちゃんの様子を知らせる場合などに用いられます。
その他の佐賀弁
佐賀県には佐賀県特有の方言がたくさんあります。他にも筑後川をはさんで福岡県や熊本県とつながりをもっていたため、「~たい」や「ばってん」など三県共通の肥筑方言も混ざっています。佐賀県の方言を表にしてご紹介しましょう。
佐賀弁 | 意味 |
---|---|
あいたー | ああっしまった |
あがん | あのような・あのように |
かか | 妻のこと |
しかともなか | 大したこともない・つまらない |
しまつか | 倹約家である |
なーい | はい |
はがいか | 口惜しい |
みたんなか | 見苦しい |
やーらしか | かわいい・愛らしい |
よーけ | 大量に・多く |
「がばい」を活用してみよう!
「がばい」とは「非常に」や「とても」と言う意味で、「がばいうまか(とてもおいしい)」や「がばいうれしか(とてもうれしい)」など佐賀県では日常的に使われているポピュラーな方言です。
方言にはその地方の暖かさや人情が伝わりやすい魅力があるので、方言を大事にしている人も少なくありません。
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