総花的の意味とは?
「総花的(そうばなてき)」とは、「関係のある人全員に分け隔てなく恩恵や利益を与えること」「要点が絞られておらず、ただ事柄を羅列していること」の意味を持つビジネス用語です。
「そうかてき」という読み方をしてしまいがちですが、間違いなので注意しましょう。
フロイト先生
盛り沢山ではあるが、中身がない、実がないというようなニュアンスを含んでいるので、どちらの意味でも否定的に使われることが多いんじゃ。
総花的の由来
「総花的」はもともとは花柳界で使われた「総花」という言葉が由来です。
「総花」とは「料亭、芸楼、茶屋などで客がその店の全員に配る心づけのこと」を意味します。花には様々な意味合いがありますが、ここでは花柳界での祝儀や心づけのことを示します。
芸妓はもとより使用人に至るまで、その店のすべての人に花代を配ることから「全員に恩恵を配る」という意味に派生したものです。
総花的の使い方や用例
「総花的」には主に2つの意味があります。ここではそれぞれの意味についてご紹介します。
「関係ある人全員に恩恵を配る」という意味での用例
議員
新しいトップは総花的な経営をしたため、利益は赤字になった。
課長
総花的な予算案が発表されたので、総会で非難が相次いだ。
番長
総花的な理想論ばかり述べても、何の解決策にもならない。
「関係ある人全員に恩恵を配る」という意味で使われる場合、「人気取り」「ご機嫌伺い」「相手の顔色を窺っている」といったようなニュアンスも含まれており、ネガティブな意味合いを示すことが多くなります。
「事柄を羅列していること」という意味での用例
よしこ
先ほどの会議は議題が総花的に述べられたので長引いた。
若手社員
課長の話は総花的なので、論点がよくわからない。
不敵くん
総花的な訴えでは気持ちが伝わらない。
「事柄を羅列していること」という意味で使われる場合、「ただただ述べられて話の焦点がぼやけている」といったニュアンスが含まれます。こちらも、1つ目の意味同様、ややネガティブな意味合いで使われることが多いです。
総花的の類語・言い換え表現
総花的には、類語や言い換え表現があります。ここでは、総花的の類語・言い換え表現についてご紹介します。
八方美人
「八方美人」は「誰に対しても愛想よくふるまうこと」を意味します。
八方美人には「誰からも良く思われたい、嫌われたくないためにそうしている」という意味合いが強く含まれます。「総花的」の1つ目の意味である「関係ある人全員に恩恵を配る」と通じる部分があると言えます。
ばらまき的
「ばらまき的」とは「誰であろうとも構わず分け与えること」を指します。
「ばらまき」とは政治的な意味で使われる言葉です。選挙での得票数を伸ばしたり、支持率を上げるために金銭等を支給することを言います。
そこから「人気取りのために、誰彼構わず分け与えること」という意味に派生しました。
フロイト先生
「ばらまき的」は政治、「総花的」はビジネスに使われると覚えておこう!
網羅的
「網羅的」は「物事の幅広い分野や範囲にわたってカバーしていること」を意味します。
「総花的」はただ物事を羅列しているだけというネガティブなニュアンスであることに対して、「網羅的」は様々な項目にわたって全てを理解しているというポジティブな意味合いで使われる言葉です。
満遍なく
「満遍なく」は「平均的に分けてすべてに行き届くようにすること」という意味があります。こちらも「総花的」と似た意味になりますが、肯定的な意味合いで使われることが多い言葉です。
総花的の意味のまとめ
「総花的」は、ビジネスで使われることが多い言葉ですが、意味を理解していれば難しい言葉ではありません。
やや否定的な意味合いで使われることが多いので、この記事を参考に、正しい使い方を理解して、活用しましょう!
「総花的」という言葉
- 意味①関係ある人全員に恩恵や利益を配ること
- 意味②事柄をただ羅列していること
- 否定的な意味合いで使われることが多い
- もともとは花柳界の言葉