ファシリテーションとは
ファシリテーションとは、職場や学校、地域など多くの人が集まって活動する際、物事がスムーズに進むように支援するという意味があります。
例えば、班やグループなどでの話し合いをする時に、状況を発展させたり良い結果を得たりすることが出来るようにアシストやサポートすることとなります。
ファシリテーターの役割
ファシリテーターは、会議など話し合いの進行や円滑にするために必要なアシストやサポートをします。
主な役割としては
・話し合いの場を設ける
・話し合いの場で意見が活発に出るように促す
・出された意見をまとめ、決定する
ということがあげられます。
ファシリテーターは、話し合いが円滑に進むように司会進行をすることも多くあります。そのため、リーダーや責任者と同じような立場だと思われることもあります。しかし、ファシリテーターは、リーダーや責任者とは異なります。
リーダーや責任者が意見や決定事項に責任があるのに対し、ファシリテーターは責任はありません。話し合いの場を活性化させる中立の立場にあるのです。
多様化するビジネスシーンで高まるファシリテーションの重要性
ファシリテーションは、各々がもつ力を個々で発揮させて、班やグループなど組織の成果をあげようとするものではありません。
あくまでも、班やグループ内で、誰かの苦手な部分を別の誰かが補い、得意な部分で力を発揮して協力することことにより、チームの能力を最大限に引き上げられるようにするための重要な技術なのです。
ファシリテーションによってもたらされる効果
ファシリテーションが行われることによって、様々な効果がもたらされます。どのような効果があるのか見ていきましょう。
・効果①:生産の効率化
お互いが思っていることや考えていることを伝えやすい環境になるので、多角的な意見が出されることになります。そのため、自分がその組織の一員として機能することの価値ややりがいを見いだすことができるようになります。
・効果②:話し合いの内容が充実する
ファシリテーターがいない話し合いの場合、余談や雑談が入り話し合いに集中できなくなることはよくあるものです。しかし、ファシリテーションによって話が横にそれるということがなくなります。様々な意見に対しての話し合いのみに集中することが出来るので、話し合いの内容が充実し短時間で終えることが可能となります。
・効果③:するべきことが明確になる
内容の濃い話し合いをすることで、自分たちのすべきことや役割が明確になり、行動し忘れるということがありません。また、一つの課題に向かって、何をしたら良いかということが共有されているので、お互いに確認したりフォローしたりしやすい環境となります。
・効果④:組織力強化
組織力が強化されます。組織力が強化されることで、お互いに深く信頼できるようになり、同じ目的に向かって進むことが出来るようになります。
・効果⑤:組織のメンバーが意欲的になる
各々が思っていることや考えていることを話しやすく、ディスカッションしやすい環境は居心地が良いと感じられるものです。良い環境での話し合いは、お互いの意識を高めることに繋がるため、積極的に発言したり行動したりするようになるのです。
ファシリテーション(ファシリテーター)に必要なスキル
次に、ファシリテーション(ファシリテーター)に必要なスキルについて紹介します。
・会議の場で話し合いをしやすい環境を作るスキル
組織やチームのメンバーが、同じ方向を向いて行動するためには、落ち着いて話し合いの出来る環境が必要となります。また、誰か特定の人だけが意見や考えを話してしまうのではなく、メンバー全員が話をしやすい状況を作ることも大切です。
・メンバーの考えや意見、能力を引き出すスキル
メンバーの話に耳を傾けしっかりと話を聞いたり、引き出したい意見に対して的確な問いかけをしたりすることが出来る能力のことをいいます。人は、話を聞いてくる人に対して素直に意見や考えを伝えたいと思うものです。そのため、メンバーの意見をしっかりと聞くことが大切になるのです。
また、話をするのが苦手な人の考えや、もっと掘り下げた意見を聞きたいときには、その相手や状況に合わせた問いかけが重要になります。
・組織メンバー全員のコンセンサスを得るスキル
コンセンサスとは、組織メンバーの意見に対して全員が納得し賛同することをいいます。話し合いで多くの意見を引き出した後は、意見をまとめメンバーに分かりやすく伝える能力が必要です。メンバーの意見や考えを聞いても、最終的にまとまらなかった場合、組織やチームのメンバーが心を一つにして同じ課題に向かって取り組むことは出来ません。
そのため、最終目的は何なのかやそこに行き着くまでの工程、各々の役割分担などを明確にし、その内容についてメンバー全員が納得し理解していることが重要なのです。
ファシリテーターに向いているのはどんな人?
ファシリテーションに必要なスキルを磨くことで、ファシリテーターとして活躍することができるようになります。しかしながら、その人が持つ性質や考え方によって、ファシリテーションを円滑に進めることができるかどうかということも変わってきます。
そこで、ファシリテーターに向いてる人について解説します。
・特徴①:プラス思考
話し合いの場では、とんとん拍子に話が進むことがあれば停滞してしまうこともあります。自分が思っているように議論が進んでいなくても、焦ったりふてくされたりすることなく、プラス思考で物事を考え、話し合いを進めまとめる必要があります。
・特徴②:どんな意見でも一旦受け入れる柔軟な心
複数の人がいれば、様々な意見や考えが出てくるものです。時には理解しがたい意見や考えが提案されることもあるでしょう。そのような際、即座に一蹴してしまうのではなく、その意見や考えが出てきた背景や思いを含めて、受け入れられる柔軟な心構えが大切です。
・特徴③:冷静で思慮深い
ファシリテーターも一人の人間として、意見や考えがあります。そのため、メンバーによって賛同できる意見や、異なる考えが出てくることがあるはずです。組織やチームの一員として話し合いの場に参加しているときは、誰かの意見に賛同してもかまいませんが、ファシリテーターとして話し合いに参加しているときは、常に冷静に中立の立場でいる必要があります。
また、ファシリテーターの言動一つで話し合いの雰囲気や決定事項が大きく変わってしまうことがあります。そのため、自分の思いつきで言動するのではなく、思慮深く考慮してから行うことが大切なのです。
・特徴④:積極的に行動できる
ファシリテーターが多くの人に与える影響は計り知れないものです。そのため、口だけでなく積極的に行動することも重要です。ファシリテーターが、積極的に行動する様に触発されて、組織やチームがより活性化していきます。
ファシリテーションスキルを身に着けてビジネスを活性化させよう
ファシリテーション(ファシリテーター)は、会議など話し合いの場において重要な存在となります。話し合いがスムーズに進むことは、生産の効率化や組織力強化などに繋がります。ぜひ、ファシリテーションスキルを身につけて、ビジネスの円滑化や活性化に生かしてください。
ファシリテーションの意味とスキルのまとめ
- ファシリテーションとは、職場や学校、地域など多くの人が集まって活動する際、物事がスムーズに進むように支援するという意味
- ファシリテーターの役割は、状況を発展させたり良い結果を得たりすることが出来るようにアシストやサポートすること
- ファシリテーションの効果は、生産の効率化や組織力強化、話し合いの充実化などがある
- ファシリテーション(ファシリテーター)のスキルとしては、話し合いの場を設けたり意見を出しやすくしたり、コンセンサスを取る能力がある