マイノリティの意味とは?
「マイノリティ」とは、社会的少数派や社会的少数者、またはその集団(社会的少数集団)を指します。
社会で大多数を占める立場の人々とは異なった人々、集団のことをいいます。
欧米では「マイノリティ・グループ」といわれている考え方で、基本は社会制度において大多数と違う立場であるために不利益を被ったり、差別や偏見を受けたりする場合もあります。
また、人数が多くても発言力が弱いために、社会的に不利益を被る立場に立たされる集団のことを指す場合もあります。
社会における意味では「社会的弱者」という意味も
よく具体的例として挙げられるマイノリティの集団に、「女性」があります。
女性は決して社会的少数集団ではありませんが、その発言力が軽視されることや、社会的な地位を築きにくいことなどからもマイノリティとして扱われています。
他にも障がいを抱えた人々や、LGBTといわれる人々なども同様にマイノリティとして扱われることが多いです。(LGBTとは、同性が好きな人や自分の性に違和感を覚える人、または性同一性障害などの人々のことをいいます。)
マイノリティの由来
日本で使われているマイノリティは、もともとは英語の「minority」から来ています。
この「minority」は名詞形ですが、形容詞にすると「minor(マイナー)」です
「minor(マイナー)」には「重要ではない、二流の」といった意味があります。つまり「マイノリティ」という言葉には、本流から外れた重要ではない支流のような意味が内包されているのです。先の女性が「マイノリティ」として扱われるというのは、このあたりに含みがあります。
そもそも「マイノリティ」という言葉は、19世紀のアメリカにおいて、アフリカ系アメリカ人の公民権運動のなかで誕生した言葉です。そして移民を多く受け入れてきたヨーロッパでも、この認識が広まっていきました。
そのため言葉の持つ側面として、個人的な立ち位置ではなく他民族国家のなかでの少数派というような、民族、人種、宗教といった各々の集団の中における少数派の尊厳や平等性といったものが、強く意識されているのです。
マイノリティの使い方や用例
では、実際にマイノリティの使い方をご紹介していきます。
番長
面倒くさがらずに、きちんとマイノリティの意見も拾いあげるべきだ。そうすることによって多様な文化が成り立つ。
女神さま
偏見を捨ててマイノリティを受け入れることが、
より良い社会への第一歩となるのです。
「マイノリティ○○」や「○○マイノリティ」という使い方も
他にもマイノリティという言葉単体ではなく、「マイノリティ○○」や「○○マイノリティ」といった、他の言葉と組み合わせる使い方もあります。
例えば、「マイノリティの集団」のことを「マイノリティグループ」といいます。先で触れた障がいを持つ人々を「障がい者」という括りにして「障がい者のマイノリティグループ」とします。
また、「ノイジー・マイノリティ」(noisy minority)や「ラウド・マイノリティ」(loud minority)と呼ばれる人々も存在します。
「ノイジー」や「ラウド」は、うるさい・騒々しいといった意味を持つ言葉です。彼らは理論や裏付けなどをあまりせずに、ただ声高に騒ぎ立てるというような少数派です。
「障がい者のマイノリティグループ」で考えるなら、その障がい如何にかかわらず、ただ障がい者の権利を声高に主張するような人々です。そのためクレーマーと同じような位置づけで見られています。
マイノリティの対義語は?
マイノリティの対義語は「マジョリティ」(majority)」 です。
少数派の「マイノリティ」に対し、多数派の意味を持ちます。ちなみに「majority」を形容詞にすると「major」「メジャー」です。
やはりこの言葉は「大きい方の・大部分の」といった意味と合わせて「主要な」という意味を持っています。マジョリティは、数の力も含め、より発言力を持つ集団を表す言葉でもあります。
マイノリティの意味はひとつではない
最近では、当初の社会的少数集団というマイノリティの定義を広げて、ビジネスの現場で使われたり、少し変わった思想を持った人に対して使ったりすることもあるようです。
今後様々な状況でこの言葉を耳にする機会が増えることと思いますが、「少人数の集団であり、また発言力が弱い立場のこともある」というポイントを押さえておけば、ご理解いただけるのではないかと思います。