シンクロニシティとは?
シンクロニシティとは、意味のある偶然の一致を指し、日本語では同時発生・同時性・共時性といいます。
この概念はスイスの精神科医で心理学者のユングが提唱したもので、集合的無意識(普遍的無意識とも呼ぶ)を自身が展開した精神分析学の中心となる考え方に持ちます。
その集合的無意識とは無意識である深層心理にあるとし、他の精神分析学では説明ができない深層心理のパワーを提唱し、人生経験で得たものとは反対の先天的な心理構造の領域になるといいます。
ここでは、シンクロニシティの実例やそれが起こるタイミング、意味などについてご紹介します。
シンクロニシティはどのような現象?【実例】
シンクロニシティはどのような現象なのでしょうか。実例をご紹介します。
- 母親が私の幼少期のアルバムにらくがきも貼っておいてくれたんですが、そこに他の絵と比べてハッキリ描けている魚とお兄さんの絵がありました。大人になってから前世や守護霊を聞いたら、生き物と話せる漁師だった前世と昔から守護してくれているお兄さんがいました。絵とシンクロしていて驚きました。
- 最近いいことがシンクロしていることに気づきました。引き寄せにも似ているのかもしれませんが、会いたいと思えば会えるし、願ったことにご縁が出来たりしてます。
- 妹が友達に「好きな人ができた」って電話してたんですが、テレビCMからちょうど恋愛ソングが流れてきてこれぞシンクロだと思いました。
シンクロニシティが訪れるのはどんなとき?
シンクロニシティが起こるのは、基本的に心がポジティブなときに起こりやすいとされています。ユングは患者の深層心理分析中にサイ現象を体験し、それが主に患者の心身が快方に向かっているときに起こったとしています。
サイ現象とは超感覚的知覚(ESP)と念力を合わせたもので、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の論理的な感覚を使わずして、自分以外についての情報が得られるテレパシーや予知、透視や千里眼といった能力のことです。これらは超心理学者の間ではサイキック、SF映画などではESPを用いてエスパーと呼ぶことがあります。
シンクロニシティはネガティブなときも訪れる
シンクロニシティはネガティブなときにも訪れると考えられます。
ユングは多くの著書で、人間同士は物理的に顔を合わせていなくても、集合的無意識によって交流を図っていると説明しています。このことからひとりでいる時にネガティブな感情を発した場合にも、物理的に離れている他者とその感情が同調する仕組みがあると捉えることができます。
シンクロニシティがもたらす意味
シンクロニシティがもたらす意味とは、同じ感性・感情・目標・周波数などを持った人たちが引き寄せられていると考えられます。
集合的無意識の観点から考えると、表面上の思い(表層意識)では自分と似ている人を引き寄せているつもりはなくても、無意識の領域(深層心理)ではしっかりと自分と似た人と交流を行って、磁石のように寄り合うようになっています。
シンクロニシティは「何かのメッセージ」
シンクロニシティは新しい物事にチャレンジしようと動き出す時、辛い状況を解決したい時などのように、強い思いを持つことで起こりやすいとされます。強く思っていることに対して「道しるべを与えてもらった」と捉えて良いでしょう。
何度も同じようなシンクロニシティが起こる場合は、より重要なメッセージであるため、自分の人生経験では測れない、先天性の機能である直感力に委ねてみましょう。
シンクロニシティによる「引き寄せの法則」
シンクロニシティはスピリチュアルやニューエイジの観点から、エンジェルナンバーなどのサインや引き寄せの法則、虫の知らせに近いところで用いられます。
引き寄せには次のような法則があります。
- 「なりたい自分」や「作り出したい世界」などを言葉で説明できるくらいに具体的に思い描き、紙に書き出す方法(紙に書いて、人に話すことも効果的)
- ゴール設定をして、そこに行くまでのプロセスを紙に書き出す方法
- 自分が情熱を抱くものを紙に書き出す方法
- 感謝するもの、喜びを感じるものを紙に書き出す方法
- できないことの思い込みを外して、「できること」に思考を変える方法
- 様々な存在価値について紙に書き出す方法
- スキルを高めるための能力と行動を書き出し、学んだことを加筆していく方法
- 不要なものや不完全なものを終了させるために、それをリスト化する方法
これらを行うことで、自らの意識の波動が求める方向の波動へと切り替わっていくため、磁石のようになりたいものや得たいものが引き寄せられます。
シンクロニシティを得るための方法は?
シンクロニシティは自分の意識が引き寄せるものです。どのようなことを行うと得やすいかを3つご紹介します。
方法①見た夢をメモする
シンクロニシティを得るために、夢をメモする方法があります。
多くの人が夢についてあまり意識を向けないのではないでしょうか。人が眠っている間に見ている夢には、無意識の領域(深層心理)の情報が多く隠されています。一般的にはあり得ないだろうということも夢なら可能になりますが、これにもメッセージが隠されています。
無意識の領域からのメッセージは表面上の思い(表層意識)とは違い、目が覚めてから時間が経つと忘れてしまいやすいという特徴もあります。そのため、見た夢を忘れないように、枕元にノートなどのメモが取れるものを置いておくと良いです。
方法②すでにシンクロが起きたと想像して無意識の領域に刷り込む
シンクロニシティを得るために、すでにシンクロが起きたと想像して無意識の領域(潜在意識)に刷り込む方法があります。
手にしたいと望むものがあれば、それらがすべて手に入ったことをイメージします。そうすることで無意識の領域に「欲しいものを手にして生活している自分」を落とし込むことができます。すると、集合的無意識が、あなたが求めたものをベストタイミングで提供(シンクロニシティ)するということが起きます。
実践した結果、欲しかったものを他者からプレゼントしてもらったという声や、中々手に入らないものをイメージしたのに出先で偶然めぐり会うことができたという声もあります。
方法③深層心理と表層意識を理解する
シンクロニシティを得るために、表層心理と深層心理を理解する方法があります。
日常生活を送るにあたって基本的に意識が向いているのは表層心理です。この表層心理から深層心理に掛けては大きく分けて5段階に分かれているといわれています。
表層心理から人格(肉体・行動・精神など)・感情(怒り・悲しみ・喜びなど)・才能と強み・本質(愛・信頼・勇気など)・中心(空・無・神など)の順番で、最後にいくに連れて深層心理なります。
これらの構図を理解し、意識して表層心理と深層心理を調和、同調させていくことでシンクロニシティが起こりやすくなります。
シンクロニシティはあとから気がつくことも多い!
シンクロニシティは後から気づくことが多いと、ユングが著書の中で述べています。偶然が重なるシンクロニシティの素晴らしさを体験し、忘れないように記録していきましょう。
シンクロニシティの意味のまとめ
- シンクロニシティとは、意味のある偶然の一致のことである。
- シンクロニシティを日本語で、同時発生や同時性、共時性と表現する。
- シンクロニシティの提唱者は精神科医で心理学者のユングである。