日本は紛れもなく私たちが住む国です。それでは国としての日本が持っている正式名称をご存知でしょうか?実は「日本国」が我が国の正式名称です。
日本国という正式名称は、現行憲法である日本国憲法にも明記されており、具体的には第1条の象徴天皇の条文に早速使われています。
ちなみに英語での表記は、私たちが日本のことを表現する際によく使っている「Japan」です。
日本国憲法施行前の正式名称は「大日本帝国」
日本の正式名称は今でこそ「日本国」ですが、現行憲法が施行された1947年5月3日以前は「大日本帝国」でした。これは現行憲法が施行される前の我が国の基本法が大日本帝国憲法(明治憲法)であったためです。
日本国と大日本帝国の違いは、主権の担い手が誰であったかという点にあります。日本国の場合は日本国民ですが、大日本帝国の場合は天皇でした。なお対外的な代表者も日本国の場合は国民を代表する立場である総理大臣で、大日本帝国の場合は主権者とされた天皇となっています。
日本の読み方は「にほん」?「にっぽん」?
日本については「にっぽん」と「にほん」という2通りの読み方があります。人によっては「にほん」と読む方もいれば、「にっぽん」と呼ぶ方もいるため、どちらが正しいのか疑問を持たれる方も多いです。ここからは日本の読み方について見ていきます。
NHKでは正式な国号を「にっぽん」としている?
日本の公共放送であるNHK(日本放送協会)の場合、「にっぽん」と伝えるのが一般的です。このため特に国際関係のニュースで日本のことをアナウンサーが伝える際は、必ずといって良いほど「にっぽん」と発音します。
NHKで「にっぽん」と伝えるようになったのは、1934年にNHK内で設置された放送用語委員会(当時は放送用語並発音改善調査委員会)で正式な国号を使う場合のみ「にっぽん」と伝える方針になったためです。
過去には「にっぽん」に決まりかけた?
日本の読みは、実は過去に「にっぽん」に決まりかけたことがあります。上記のNHK放送用語委員会で「にっぽん」と読む方針を出してから間もなく、当時の文部省(現在の文部科学省)に設置された臨時国語調査会で正式名称の読みを「にっぽん」とし、英語表記も「Nippon」とする方針を出したためです。
ただしその後も「にっぽん」に統一されることはなく、結局今まで通りに「にっぽん」を使う人と「にほん」を使う人がいる状況は変わりませんでした。
日本の読み方が決定!読み方はどちらでもよい!
日本の読みを「にっぽん」とするか「にほん」とするかの問題ですが、2009年に政府もどちらでも良いという決定を下しました。これは、ある国会議員が国号について質問書を政府に提出したことがきっかけとなり、政府内でも統一見解を示したのが経緯となっています。
このため今後とも日本のことを「にっぽん」または「にほん」のどちらでも読んで大丈夫といえます。なお正式名称は「日本国」であるため、それぞれの読みの後ろに「こく」が付く形です。最近ではゆとり世代など若い人々を中心に「にほん」と呼ぶ方も増えているため、どちらでも良いという見解は無難といえます。
日本の国名の正式名称のまとめ
- 日本の国号は現在では「日本国」で、かつては「大日本帝国」だった。日本国の主権者は日本国民だが、大日本帝国の場合は天皇である。
- 日本の読み方については「にほん」と「にっぽん」で、NHKでは「にっぽん」と読む。なおかつては正式に「にっぽん」になりかけた。
- 現在では日本の読み方は、「にっぽん」でも「にほん」でもどちらでも良いとされている。