「からう」の意味とは
「からう」は福岡をはじめとする九州の方言で、「背負う」ことを指します。「からう」の語源は、「担ぐ」を意味する古語の「担う(かるう)」が語源であると考えられています。「かるう」が使われていくうちに訛り、「からう」となったと言われています。
また、必ずしも荷物を背負う場合にのみ使われるのではなく、子供をおんぶする場合にも「からう」を使います。
「からう」は福岡や九州の方言
この「からう」という方言は福岡県に留まらず、九州の広い範囲で使われている方言です。九州の大部分の地域で「背負う」は「からう」と表現されていますが、同じ九州でも福岡県の一部や大分県では「からう」ではなく、訛る前の「かるう」のままで使われ続けています。瀬戸内海に面している地域に同様の傾向があり、海を隔てた山口県や愛媛県の一部でも「かるう」という方言が使われています。
どの地域でも世代や性別を問わず使われ、また日常的な「背負う」という動作を表すため、使う機会が多い方言です。あまりに日常的な方言ゆえに、九州地方では方言だと気づかずに使っている場合も少なくないようで、進学や就職などで九州を離れて初めて「からう」が方言であることを知る人もいます。
「からう」の使い方の例
ここで、「からう」という方言が実際どのように使われているのか、例文を使って見てみましょう。
「からう」以外の方言も含めて、雰囲気を感じてみてください。
「あ~、どうしよう、からっていくには重すぎるたい。」
1つ目の例文としてご紹介するのは、「あ~、どうしよう、からっていくには重すぎるたい。」です。「あ~、どうしよう、背負っていくには重すぎるなあ。」という意味になります。
目の前の荷物を背負って運ぶしかない、と思った時にうっかり呟いてしまう場面が想像できる例文です。
上京君
あ~、どうしよう、からっていくには重すぎるたい。
(あ~、どうしよう、背負っていくには重すぎるなあ。)
女神さま
そんな時は無理せずキャリーバッグをお使いなさい……
「新一年生がランドセルからうと、ばり可愛いたい。」
次にご紹介するのは「新一年生がランドセルからうと、ばり可愛いたい。」です。こちらは「新一年生がランドセル背負うと、すごく可愛い。」の意味です。
春の入学式の時期、福岡をはじめ、九州のあちらこちらで聞こえてくる声と言えるでしょう。博多弁と相まって新一年生の可愛いらしい様子が伝わってきます。
萌え袖ちゃん
新一年生がランドセルからうと、ばり可愛いたい!
(新一年生がランドセル背負うと、すごく可愛い!)
女神さま
大きめのランドセルにまるで背負われているかのように見える子供たちの可愛さたるや……!
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- 福岡や九州で使われている方言
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