「はんかくさい」の意味とは
「はんかくさい」は『浅はか』や『おっちょこちょい』などの意味がある北海道や北陸地方でよく使われている方言です。
はんかくさいは関西弁で言えば「あほちゃうか」に近い言葉で、ミスをしたときに相手から「はんかくさいねー」と親しみを込めて言われます。
相手の表情や語尾の強さや柔らかさによって相手が苛立っているのか、親愛の意味を込めて使っているのか微妙にニュアンスが違ってきますので、「はんかくさい」と言われたら相手の表情を確認したほうがよいでしょう。
「はんかくさい」は北海道や北陸の方言
はんかくさいの由来は近畿地方から来ている言われており、そのはんかくさいが近畿から北海道まで伝わった説は2つあります。
北陸出身者による北海道開拓説
1つ目は現在の滋賀県周辺で商売をする近江商人をはじめ、関西近辺で商売をしていたか商人が使っていた言葉が北陸地方に伝わり、明治時代に北海道開拓が行われ石川県の能登・加賀・小松地方に住んでいるたくさんの人が北海道開拓に向かいました。
そして開拓後も北陸には帰らずに、そのまま北海道に住み続ける人も多く、そのため北陸出身の人が多く住む北海道沿岸では「あほくさい」や「安直」や「おっちょこちょい」と言うときにはんかくさいを使うようになったのです。
北前船説
2つ目は、大阪から北海道まで日本海経由で回っていた北前船という船に近江商人が乗っていて、北前船が大阪と北海道を往復することで物品だけでなく、方言も一緒に伝わったと言われています。
現在は北前船から「はんかくさい」が大阪から北海道まで伝わったという説が有力のようです。
その他に北海道と同じように開拓があった秋田県や東北の一部の地方でも、はんかくさいは使われているようで、近畿・北陸・北海道・東北の一部の広い地域で使われている方言だということわかります。
「はんかくさい」の使い方の例
北海道や北陸の人たちはどんな風にはんかくさいを使っているのか、例文をいくつか使ってご紹介します。
「こら、はんかくさいことすんでないよ。」
お母さん
「こら、はんかくさいことすんでないよ!」
子供
「ごめんなさい」
標準語に直すと「こら!アホらしいことをするなよ」と言う意味合いになります。
何かミスや間違いをしたときに使われ、お母さんが子どもを叱るときによく使われます。相手の表情や語尾が柔らかいときには、親愛の情が込められていることが多いです。
「はんかくさっ!きちんとしなさい。」
課長
「はんかくさいっ!きちんとしなさい」
マイルド君
「すんませーん」
標準語で言うならば「馬鹿じゃないの?きちんとしなさい」と言う意味合いがあります。
こんな感じて言われるときは相手が苛立っているか、あきれている場合が多いので注意しましょう。
「いやになるくらい、はんかくせえわ。」
上京君
「また同じ道……いやになるくらい、はんかくせえわ」
標準語では「いやになるくらい、馬鹿らしい」と言う意味合いがあり、自分が何か行動をしたことが上手くいかなかったときに、自嘲気味で使います。使う状況によっては「面倒くさい」という意味合いも含まれている場合もあります。
- はんかくさいの意味は「アホらしい」、「浅はか」、「安直」、「おっちょこちょい」
- 北海道や北陸で使われている方言