青田買いの意味とは?
「青田買い」とは、企業が優秀な学生を卒業前に早めに採用し、内定契約を結ぶことを意味します。
1952年、企業側と学校側が、自主的に結んでいた紳士協定「就職協定」で禁止されていました。ですが、ルールを守らず優秀な学生を確保する企業が続出し、1996年、就職協定は廃止されました。
「青田買い」は、企業が優秀な学生を、早めに採用するための手法として、現代では一般的な方法と認知されています。
課長さん
青田買いは、いわば企業による抜け駆け行為のことです。
「青田刈り」や「青田売り」との違いは?
似たようなフレーズで「青田刈り」や「青田売り」を聞いた事がある人もいるかもしれません。青田買いを含めたこの3つの単語は全て独自の意味を持ち、田んぼの売買とは関係ありません。
意味を誤解して使っている人も多い「青田刈り」と、実は不動産用語である「青田売り」の2つをご説明します。
青田刈りの意味
青田刈りは、「刈り取る」の漢字が使われている通り、「美味しくなる前のまだ青い穂」を刈り取ることです。実る前の穂を刈り取ってしまっても、大した収穫にはなりません。この手法は、戦国時代、敵への攻撃方法の一つとして使われていました。
この「青田刈り」は、現代では新卒の学生をその能力や資質に関わらず、人材確保として採用してしまうことを意味します。
課長さん
優秀な人材を早めに採用する青田買いと、手当たり次第採用する青田刈りは、全く違った意味なのでご注意ください。
青田売りの意味
青田は「美味しくなる前の青い穂」という意味です。不動産業界では、この青田を「完成前の建築物」に当てはめました。
建築中のマンションや一戸建てを、完成を待つ前に売買契約を結ぶことを「青田売り」と言います。青田売りは完成前の建築物なので、契約のタイミングによっては、間取りや設備の変更の希望を取り入れたりできます。
青田売りの建物は、自分好みの「青田(建物)」に仕上げることも可能な、不動産売買方法です。
青田買いの由来・語源
本来の意味の「青田買い」は、収穫前の田んぼを見て、収穫量や稲の出来を予想し先買いする、先物取引です。
青田買いの「青田」は「これから美味しい穂を実らせるまだ青い稲」を「新卒の優秀な学生」に見立てています。企業が優秀な学生とコンタクトを取り、他の企業に取られる前に早めに採用してしまうので、いつの頃からか「青田買い」と呼ばれるようになりました。
青田買いの使い方・用例
青田買いは「青田買い+する(した)」として使います。動詞としては使いません。青田買いの使い方の間違った使い方と、正しい使い方をご紹介します。
間違った使い方
- 「今日は大学に行って良い大学生を探して青田買おうと思う」
- 「知り合いのお子さんが優秀なので青田買いました」
- 「他の企業に取られる前に、優秀な学生を青田刈りした」
正しい使い方
- 「たまたま一緒に食事をした学生が、とても伸びしろのある子だったので青田買いしてきたよ」
- 「去年青田買いした彼は、予想通りとても良い働きをしてくれているよ」
番外編
チャーリー
モシ、日本で青い田んぼ買いたいトキ、ナンテ聞けばイイデスカ?
クワ
そういう時は「青田売買(あおたばいばい)がしたい」と言うといいよ!
青田買いの意味のまとめ
本来は田んぼの先物取引であった「青田買い」は、現代は田んぼとは全く関係ない意味合いを持ちました。
「良い人材を早めに確保する」という言葉を使うシーンは、企業が学生を採用するというケース以外にも、たくさんあります。日常会話を盛り上げる雑学として、正しい「青田買い」の意味を覚えて活用してください。