「コンサバ」とは？様々な業界で使われる言葉の意味や由来を紹介【ファッション・ビジネスなど】

「コンサバ」とは古くから長い間尊重されてきた考え方や制度、また習慣などを守ることもしくは好むことをいいます。一言でいうならば、「保守的な」「伝統的な」「控えめな」「地味な」といえるでしょう。

このように「コンサバ」とはものの考え方や行動の傾向を示す言葉ですが、ファッションとビジネス業界とでは「コンサバ」の表わす意味が変わってきます。それぞれの違いを見てみましょう。

「コンサバ」が一般的によく使われる業界といえば、ファッションやビジネス、政治があります。他には、専門的な分野である医療現場でも用いられています。それぞれの業界で使われるコンサバの意味を紹介しましょう。

ファッション業界では、「コンサバ」の言葉を用いたコンサバファッションという一つのファンションジャンルが存在しています。コンサバファッションとは「落ち着いている」「お嬢さん」「大人っぽい」「清潔感がある」「シンプル」「流行を追わない」「ベーシック」「女性らしい」などのイメージを持つエレガントで上品な装いです。

コンサバファッションは若い人からお年寄りまで好感を持たれる装いなので一つは持っておきたい、万人受けするファッションといえるでしょう。

ビジネス業界では「コンサバな人」というと、「あたりさわりのない無難な人」や「積極性がなく個性がない人」を意味します。ビジネス業界は新しい挑戦や積極性、個々の能力が求められる世界です。「コンサバな人」は「能力がない人」と受け止められやすく、ビジネス上では褒め言葉ではないようです。

仮に「人と摩擦を起こさない」という良い意味で用いたつもりでも、仕事に消極的な人や面白みがない人に対する皮肉として受け止められることもあるので注意が必要です。

政治で用いられる場合は、「保守主義」を表わします。政治上の保守主義とは、これまで培ってきた制度や社会組織、伝統を重んじる考え方で、その正反対がこれまでの制度を新たに良い方向へと変えていこうとする革新派です。

政治の世界では保守的な人から革新的な人まで、同等の立場で意見を交わします。つまり、政治におけるコンサバは一つの主義主張に当たるので、良し悪しの概念は生じません。

医療現場で使われる「コンサバ」は、「保守的療法＝非手術的療法」を意味します。よくあるパターンは、整形外科での椎間板ヘルニア治療です。通常は手術を用いて治療するところを内服薬やシップなどで様子を見るという「あたりさわらず」の治療をいいます。

「コンサバ」の語源は「保守的な」や「控えめな」の意味をもつ英語のコンサバティブ（Conservative）です。コンサバティブを略して保守的な考えや行動をする人をコンサバな人といいます。

「コンサバ」はファッション業界では好まれる装いであり、ビジネス業界ではあまり好まれないタイプを意味します。それぞれの業界で使い方が変わるので、業界ごとに用例をご紹介いたします。