「噴飯もの」の読み方や意味とは?
「噴飯もの」の読み方は「ふんぱんもの」で、意味は、あまりにバカバカしくて、思わず笑ってしまうことです。
ただ単純におかしくて吹き出す様子ではなく、対象をバカにしているニュアンスが含まれています。他人のみっともない様子や吹き出してしまうほどバカバカしく笑いものになる事柄を指します。本来の「噴飯」には、怒りや呆れ、軽蔑の意味は込められていませんが、現在では、面白くないがバカバカしいものへの苛立ちの表現として「噴飯もの」を使う場合もあります。
単に大笑いするほど面白いことや、本当に面白い事柄を褒めるときには使用しませんので注意が必要です。
「噴飯もの」の由来
「噴飯」の直接的な意味は「飯を噴く」ですが、あまりのおかししさに食べかけたご飯を噴き出してしまう様子を比喩しています。それが「思わず出てしまう笑い」という意味の由来です。「噴飯もの」といえば、その笑ってしまうほどの事柄を指すことになります。
「噴飯もの」の使い方や用例
では、「噴飯もの」という言葉はどんなときに、どのように使うのでしょうか。使い方を例文で紹介します。
萌え袖ちゃん
酒癖悪いくせに反省の色なしだったA君、昨夜はついにトラ箱入りですって、噴飯ものだわ。
他人のみっともない様子を「あんまりバカバカしくて笑うしかないわ」と嘲笑を含む笑いという形で表した文例です。このように「噴飯もの」は、バカにしたり、呆れたりといった意味合いを含むことを考慮して使いましょう。
何度も注意しても聞かずに同じ失敗を繰り返す人に対して「君の行動は噴飯ものだ」と諫めるという使い方もできます。
番長
あの、収賄で失脚した元首相が講演でクリーンな政治を語るなんて噴飯ものだぜ。
この場合は「思わず笑っちゃうほどバカバカしいことだ」という意味に、怒りの表現も込められています。
くれぐれも、目上の人が面白い発言や行動をしたときなどに「あのときの〇〇さんは、噴飯ものでした!」と使わないように気をつけてください。
「噴飯もの」の類語
「噴飯もの」と同様に相手をバカにするようなニュアンスを含んだ、笑いの表現はたくさんあります。
噴飯ものの類語 | 意味 |
---|---|
吹き出す | こらえきれずに笑い出すこと |
馬鹿笑い | 人に不快感を与えるほどの、下品な大笑い 笑いたくなるほどバカバカしい様子 |
ヘソが茶を沸かす | 滑稽な様子がおかしくてたまらないこと |
片腹痛い | 身の程をわきまえない相手の様子がおかしくてたまらないこと |
ちゃんちゃらおかしい | 相手の態度が吹きだしたくなるほどおかしいこと |
笑止千万 | 非常にバカバカしい様子をあざ笑うこと |
このように「噴飯もの」の類義語は多くあり、どれも「相手をバカにして笑っている」点が共通です。
漫画や小説の喧嘩シーンなどで敵を煽る際によく使われる言葉なので、意味を理解している人も多いかもしれません。実際に会話などで口にする際には「噴飯もの」同様、間違った使い方をしないよう注意しましょう。
面白いときに使う「噴飯もの」の意味を正しく理解しよう
「噴飯もの」は本来「食べかけのご飯を吹き出してしまうほどおかしい事柄」という意味でした。しかしある調査によると、現在では約半数の人が元々の意味ではなく「腹立たしくて仕方ないこと」という意味で「噴飯もの」という言葉を理解しているそうです。
その原因としては、「飯を噴くほどおかしくてたまらない」という比喩が由来であると理解されていないことがあげられます。また、「噴」という漢字が「噴火」「噴射」など激しい勢いを感じさせる単語に使われていること、「憤怒」「憤慨」などの「憤」(いきどおる)に似ており、読み方も「フン」と同じことから勘違いされるようになったと考えられます。
「噴飯もの」の由来を正しく理解し、本来の意味である「あまりにバカバカしくておかしい、思わず出てしまう笑い」と同時に「腹立だしくて仕方がない」という意味での使い方があることも覚えておきましょう。
チャーリー
使い方がわからない言葉や慣用句が出てきたら、うやむやにせず辞典で調べようね!