
厨二ちゃん

スケ番
学校がなけりゃ生きやすいってのは、お前の言う通りだな。
で、しがらみって何だ?

厨二ちゃん
うっ、それは……。
しがらみの意味とは?
「しがらみ」とは、一般的に「まとわりついて、引き止めるもの」「足を引っ張るもの」「余計なもの」といったことを比喩的に表す言葉で、「世間のしがらみ」「人間関係のしがらみ」という使い方をします。
なくなってくれれば楽になる邪魔なもの・余計なものとして、「しがらみ」はネガティブなイメージが強い言葉ですが、その語源や意味についてはわかりにくい言葉でもあります。「しがらみ」とは、どのような意味でどんな使い方をすればよいのか、詳しく解説していきます。
しがらみの由来・語源
「しがらみ」は漢字で書くと「柵」という字を使います。「柵」は「さく」とも読み、その場合は何かを引き止めたり、通行禁止区域を示すものを指すことがほとんどです。もともとは、水をせき止めるために杭を打ち、その間に木や草を編んで作った「柵」をしがらみと呼んでいました。
その意味から派生して、まるで水をせき止めるかのように行く手を阻み、まとわりついて、引き止めるものを「しがらみ」と言うようになったと考えられています。
現在では「しがらみ」が「柵」の表記で使用されることは稀です。しかし、国語辞典で「しがらみ」と調べると『漢字では「柵」と書く』と説明されているので、完全に失われた用法ではありません。
しがらみの使い方や用例
実際に「しがらみ」という言葉を使うことができるのはどのような場合か、用例を使って紹介します。

蜘蛛の丞
クモの糸のように絡みついてあなたを苦しめているのは、世間のしがらみってやつですかな。
この例文にある「世間のしがらみ」は一般的に良く使われる表現で、家族や友人などの煩わしい人間関係や金銭関係など振り払えない邪魔なことを表しています。現代語というより、任侠ものや少し前の映画などに登場しそうな言葉です。

ツンデレくん
実は元カノの存在がしがらみになっていて、
憧れのあの子に告れなくて困ってるのさ……。
この場合は、元カノの面影がまとわりついていて、忘れたくても忘れられないつらい状況を「しがらみ」と表現しています。「まとわりついて引き止めるもの」「振り払いたい余計なもの」を文学的に表現したいときに使うと、ちょっと賢い人の発言のように聞こえるから不思議です。

ツンデレちゃん
バレンタインデーにチョコを持ってきてはいけないだなんて
校則はアタシの恋のしがらみでしかないわ。
校則に縛られて自由がないと感じている学生は少なくないでしょう。ここでは「しがらみ」は破りたくても破れない校則=恋の邪魔ものという意味合いです。
「しがらみ」は品詞で分けると名詞に該当し、基本的には「しがらみがある・しがらみがない」というように使われます。ただし、「しがらみを作る」というような表現はあまりしません。すでに存在していて、悩まされている原因の場合にのみ当てはまる言葉といえます。

着物ちゃん
新婚なのに今夜も飲み会って、どういうことでしょうか?

マイルド君
……ゴメン、取引関係のしがらみで断れなかったんだ。
夫婦間・恋人間でよくある会話で、会社の上下関係や仕事関係でどうしても飲み会などを断れないときなどに使われます。しかし、「~のしがらみで」というのはあいまいな比喩的表現のため、実は取引先の女の子と会っていたなんてこともあり得ます。言い訳する際にも便利な言葉かもしれません。
しがらみの類語
これまでに見てきたように、「しがらみ」は、行動の邪魔をするものを表現する言葉です。
「しがらみ」の類語として、似たような意味を持つ言葉を紹介しましょう。
・トラブル…いざこざ、問題、厄介なこと |
・足枷………自由を束縛するもの、足手まといになるもの |
・腐れ縁……離れたくても離れられない・断ち切れない悪縁 |
・拘束………自由に行動させないこと、束縛すること |
絶対に逃げられない状況で邪魔をする場合にはあまり使われません。少し努力すれば支障がなくなるくらいの、解決しやすいトラブルを示す言葉が類語になります。
しがらみの意味のまとめ
「しがらみ」という言葉自体は聞いたことがあるけれど、その意味を知らないという方も多かったのではないでしょうか。語源や由来を知ることで、わかりにくかった「しがらみ」の表現方法や理解が深まります。
人生において、しがらみはなるべく少ない方が望ましいですが、さまざまな人間関係の中で少なからず生まれてしまうものなのかもしれません。
難しい言葉や慣用句の使い方を知っておくと、日本語の表現力・理解力が高まり、周囲の人から一目置かれる存在もになれるはずです。わからない言葉があったら、うやむやにせず調べてみることをお勧めします。セレスティアには本記事以外にも用語や慣用句の解説記事がたくさんあります。
クッ! 学校というしがらみさえなければ、この力を存分に発揮してやるのに。