「まかれる」とは？北海道や岩手の方言の意味や使い方を知ろう

「まかれる」という方言には、水や汁物などの液体をこぼすという意味があります。少しこぼすだけではなく、勢いよく大量にまき散らす様子をあらわす時に使われる言葉です。「まかれる」を標準語になおすと「こぼれる」になり、「まかす」は「こぼす」となります。この方言は「ぶちまける」の「まける」が「まかす」に変化したことが由来だと言われています。

日常生活の中でもよく使われる方言で、使い方の例文としては「ちゃんと見ないとまかれるよ（ちゃんと見ないとこぼれるよ）」や「お茶まかしちゃった（お茶こぼしちゃった）」という風に使います。

しかし、同じ「こぼす」という表現でも「愚痴をこぼす」を「愚痴をまかす」とは言いませんので注意しましょう。水や液体をこぼした時にだけ使う方言だと考えておけば間違いありません。

「まかれる・まかす」は主に北海道・岩手県で使われる方言ですが、青森県や秋田県の一部でも使われているようです。また、秋田県や青森県では「お茶まがしてしまった（お茶こぼしてしまった）」のように「まかす」がなまった「まがす」が使われることもあります。

また、中国・四国地方では「こぼす」ということを「まける」という地域もあるようです。「まける」は大阪では「値引き」の意味で使われる方言です。地域によって同じ言葉でも意味が変わりますので、使い方には注意しましょう。

他にも、同じ「まかす」でも鹿児島県では「参ります」という全く違う意味で使われていますので、こちらも同じく意味を知った上での使い分けが必要です。

「まかれる・まかす」は、日常でもよく使われる方言ですが、実際どのようなシチュエーションで使うのでしょうか。ここでは、実際に「まかれる」の使い方を例文を挙げてご紹介します。日常生活の中での会話方式で解説しますので、参考にしてみてください。

盛大に水や汁物をこぼしてしまった際に使われます。「しまった、やっちゃった」という気持ちがにじみ出る表現です。

お吸い物やおつゆなどを運ぶ際に、こぼさないように注意を払ってねという意味になります。