「ずく」の意味とは
「ずく」の意味は「気力」「根気」「やる気」で、長野県全域で使われている方言です。
長野県は全国で第4位の面積があり、「北信」、「南信」、「東信」、「中信」の大きく4つの地域に分けられているため方言に差があります。さらに、長野県は8県と隣接しているため、他の県の方言の影響を受けやすいとされています。そのため、同じ長野県であっても地域によって使われる方言がかなり異なるという特徴があります。
しかし、「ずく」は長野県で幅広く使われる方言であり、長野県内のどこの地域でも使われています。
番組名にも使われている「ずく」
長野のSBC信越放送の「ずくだせテレビ」のポーズもスペシウム光線と同じです。ちなみに「ずく」とはやる気とか元気とかいう方言です。#チコちゃんに叱られる pic.twitter.com/TOlEaXyHHq
— まんば (@manba36) May 31, 2019
長野県のSBC信越放送には「ずくだせテレビ」通称「ずくテレ」という番組があります。この番組は長野県民には広く知られており、現在月曜日から金曜日の13:55~15:49に放映されています。
ツイッターでも紹介されているように番組名にある「ずくだせ」とは「やる気出せ!」とか「元気出せ!」という意味で、長野では「ずく」がポピュラーな言葉であることがわかります。
「ずく」は長野の方言
「ずく」は長野県全域で使われている長野弁で、その由来としては以下のような説が考えられています。
- 「力を尽くす」という言葉が変化したのではないかという説。……「力をつくす」の「つく」が訛り、「づく」から「ずく」に変化していったと考えられています。
- 「銑(ずく)」という金属をつくる過程から誕生した方言ではないかという説。
- 「術ない(じゅつない)」という言葉が元になったという説。……術ないとは「骨の折れる大変なこと」を意味しており、それが訛り「ヅツナシ」に変化、そして「ズクナシ」という言葉を経て、最終的に「ずく」として残ったのではと考えられています。
「ずく」の使い方の例
長野弁である「ずく」の使い方を例文と共にご紹介します。
「何してるの? ほら、これ食べてずく出して頑張るんだに。」
お母さん
何してるの? ほら、これ食べてずく出して頑張るんだに。
(何してるの? ほら、これ食べてやる気出して頑張るんだよ。)
子供
分かった、ずくを出して頑張るよ!
(分かった、やる気を出して頑張るよ!)
この例文のように、子供や周りの人に対して何か頑張ることがある際に「やる気出して!」と元気づける意味でも「ずく」という意味が使われます。
「あの人は、ずく無しだら?」
お母さん
あの人は、ずく無しだら?
(あの人は、面倒くさがり屋でしょ?)
上京君
そうだに。
(そうだよ。)
「ずく無し」というときは、例文のように面倒くさがり屋、やる気や根気がない人などを指します。
「槍ヶ岳に登ったんだら? あなたずくがあるねー見直したよ。」
上京君
槍ヶ岳に登ったんだら? あなたずくがあるねー見直したよ。
(槍ヶ岳に登ったんでしょ? あなた根性あるね、見直したよ。)
プロゲーマー君
そうかや?
(そうかな?)
相手を褒める際にも「ずく」という言葉を使うことがあります。「ずく」の後に「ある」という言葉がつけば良い意味に、「ない」という言葉がつけば悪い意味になります。
- 「ずく」の意味は「気力」、「根気」、「やる気」
- 長野県の方言