マッチポンプの意味について知ろう。使い方を用例付きで解説します

マッチポンプの意味について知ろう。使い方を用例付きで解説します

マッチポンプという言葉を耳にしたことはありますか?マッチポンプとは、自ら火をつけその火を消して見せるさま、自作自演の意味を持つ言葉です。マッチポンプの由来を紐解き、使い方を用例付きで解説します。マッチポンプの類語や、それぞれの使い方も説明します。

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  1. 1マッチポンプの意味とは?
  2. 2マッチポンプの由来
  3. 3マッチポンプという言葉の使い方や用例
  4. 3.1マッチポンプ商法の具体例
  5. 3.2マッチポンプの類語
  6. 4マッチポンプという言葉は様々な場面で使われる

マッチポンプの意味とは?

マッチポンプの意味とは?
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「マッチポンプ」という言葉をご存知でしょうか。マッチポンプとは、「自作自演の偽善的な行為」を意味する言葉です。決して良い印象、良い意味の言葉ではありませんが、政界発祥の言葉で、他に分かり易く言い換えられ、簡単に代用できる言葉もないため、現在では様々な場面で用いられます。

「自ら問題を起こし、その収拾をして、報酬を受け取ること。ある場面で、放火魔と消防士が同一人物であるような状況の比喩、悪行(着火)と偽善(消火)、両方の行為をして利益を得る人」を指す言葉になっています。

つまり、単なる自作自演、自己解決ではなく、それによって周囲からの賞賛や何らかの利益を得ることが目的という意味合いが強いことが特徴です。

マッチポンプの由来

マッチポンプの由来
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マッチポンプなる語彙が、この日本で出来上がり、そして世間に定着した由来には、二つの説があります。1961(昭和36)年4月11日に松井誠衆議院議員が発言したのが最初という説と、1966(昭和41)年に不祥事を起こした田中彰治衆議院議員のあだ名から定着したという説です。1960年代の国会が発祥なのは確かであり、また、この二つの説は矛盾しないので、松井議員が作り、田中議員が不本意ながら一般に広めた可能性が高いと考えられます。

また、マッチポンプとはマッチを擦ってつけた火を、自分で消火用放水ポンプで消す様子の比喩表現です。なお、マッチポンプという言葉は外来語由来の和製カタカナ語で、外国語ではありません。

マッチポンプという言葉を構成する言語的な由来としては、マッチ(match)は英語、ポンプ(pomp)はオランダ語由来の外来語として、それぞれ既に日本語に同化、多くの日本人にその意味が定着していました。そのため先述の1960年代の国会での発祥以来、火のないところで自ら燃やして消火して利益を得るかのような手口、そのような行いをする人間などを、明快、簡便に表現できる言葉として広まることとなりました。

マッチポンプという言葉の使い方や用例

マッチポンプという言葉の使い方や用例
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マッチポンプの使い方、具体的な用例をみていきましょう。

「マッチポンプ」というカタカナ語は、文章中で使われることは多くありません。1960年代の流行語としての側面が強い俗語であるためです。インターネット上での匿名投稿や私的な電子通信ならばともかくとして、本来は自作自演や狂言のような日本語で表現するべき、ともいえます。

マッチポンプ商法の具体例

マッチポンプ商法の具体例
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例1)手荒れの原因になる洗剤を販売する会社がハンドクリームを販売していた場合は、粗悪な洗剤=「マッチ」、手荒れ=「火事」、ハンドクリーム=「ポンプ」の関係が成り立ちます。

例2)不特定多数のパソコンにコンピューターウイルスを送り付け、被害者たちにウイルス対策ソフトの営業メールを送り、契約が成立したならそれは典型的なマッチポンプ商法です。

例3)正体不明のストーカーにおびえる被害者を励まし、親身に相談に乗り、その近所の警戒までしてくれた人がいたとします。その結果ストーカー被害もなくなり一安心、吊り橋効果も手伝いその人に好意を持ったタイミングで、その人に告白され付き合うことになりました。正体不明のストーカーの正体が、その人であった場合、それは完全にマッチポンプといえます。

マッチポンプの類語

マッチポンプの類語
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マッチポンプの類語としては、自作自演、狂言などがあります。英語では「sock puppet(ソックパペット)」、靴下人形というスラングがあります。

  • 自作自演とは、計画・実行を単独で行い、他人を騙すことです。金銭や売名を目的とすることが多く、組織的、あるいは共犯者が存在する場合、仕込みやサクラと呼ばれます。
  • 狂言とは、他人を騙し欺くための芝居のことです。たとえば狂言誘拐とは、世間の注目や同情、身代金や保険金などの金銭、あるいは殺害や遺棄などの隠ぺい工作などのために、我が子などが誘拐されたと虚偽の通報を行うものです。

また、マッチポンプの一種ともいえるミュンヒハウゼン症候群といった精神疾患による事例もあります。怪我や病気を捏造することで、周囲の関心、同情を得ようとする作為症(虚偽性障害)です。詐病と違い、保険金などの金銭を目的とせず、健気な病人として周囲や医療関係者から大切にお世話をされることを目的として、自傷や虚偽といった行為を繰り返すという奇妙な症例です。

ミュンヒハウゼン症候群

ミュンヒハウゼン症候群の中には、他者を傷害する事例もあります。献身的な看護を行う自分、それにより受け取る賛美を目的として、自身の子供や患者を傷害するケースは代理ミュンヒハウゼン症候群といい、もっとも悪質かつ重大なマッチポンプといえます。我が子や患者など逆らえない疑わない相手に、毒物や不要な薬、過度の水分や糖分などを与えた上で、医師の元へ連れていき、誤診させ、本来は全く必要のない手術や闘病生活を強いるのです。

マッチポンプという言葉は様々な場面で使われる

マッチポンプという言葉は様々な場面で使われる
Photo byepicioci

マッチポンプという言葉は様々な場面で使われます。

マッチポンプである確証がないのに、「マッチポンプ」「陰謀」「自演」と決めつけインターネット上で、特定人物や企業、国家を責め立てるような人物は、英雄症候群の可能性があります。英雄症候群(Hero syndrome)は自己顕示欲が強く、偏狭な思想を持つ人にあらわれる精神状態のことです。医学的な病気や精神疾患との関連は解明されておらず、「中二病」の類語とされる場合もあります。火のないところに煙を感じて、過剰に攻撃的な行動をする、自意識過剰、万人に持て囃されたいという幼児的な願望、根拠のない使命感、後先を考えない実行力が特徴です。

ボランティアの消防士が放火しては消火活動に参加し逮捕された、といった海外ニュースも時々実際にあります。退屈だったから、消火活動で活躍して目立ちたかったから、出動の手当が欲しかったからなど動機は色々です。放火はその再犯性の高さと、凶悪犯罪者の少年時代に顕著にみられる犯罪として知られています。

マッチポンプについて

  • マッチポンプとは「自作自演の偽善的な行為」を意味する言葉で、マッチを擦ってつけた火を、自分で消火用放水ポンプで消す様子の比喩表現
  • マッチポンプによって、周囲からの賞賛や何らかの利益を得ることが目的
  • マッチポンプの類語は「自作自演」「狂言」。また「ミュンヒハウゼン症候群」という精神疾患もマッチポンプの一種といえる

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