「狐の嫁入り」とは?
「狐の嫁入り」は「きつねのよめいり」と呼びます。「狐の嫁入り」は、数多くはないものの地方によっては行事として盛大に開催しています。その中でも、京都の東山花灯路や新潟県阿賀町津川地区は有名で、人口5千人の津川地区に5万人の観光客が押し寄せるなど、今でも多くの観光客を集めています。
「狐の嫁入り」は言い伝えや民話の世界の話ですが、老若男女だれでも一度は耳にしたことがある言葉でしょう。
では、なぜ幻想的で現実離れした「狐の嫁入り」が、地方の行事や言葉として現代まで言い伝えられているのでしょうか?意味や由来などを解説していきます。
狐の嫁入りの意味
「狐の嫁入り」の本当の意味は、真夜中の山中や河川に見える鬼火(ヒトダマ)のような怪奇現象のことです。鬼火は、別名「狐火」とも呼ばれています。
昔の田舎では、嫁入りは夕方から夜にかけて行われ、一列に並び提灯を下げて歩いて嫁ぐことが一般的でした。そのため、近所の嫁入り情報は誰でも知っています。遠くで一列に並ぶ提灯のような明かりを見たら、すぐに嫁入りの提灯行列と考えました。
ところが、村人の誰にも婚礼の予定はないのに、提灯行列のような灯火が見えることがありました。村人は理解不能の提灯行列を見たら、「狐が婚礼をしている、もしくは婚礼の真似をしている」と考えました。それから、山中や河川で不思議な灯火を見たら「狐の嫁入り」と呼ぶようになったといわれています。