「入学祝い」ののし袋の種類は?
まずはのし袋の花形ともいえる水引について、色や結び方の種類を解説します。それぞれ用途が全く異なるので、パソコンでのし袋のテンプレートを作る際は特に注意してください。
水引の種類と色
水引の色は「紅白」「金銀」「黒白」の3パターンが一般的で、そのうち祝儀袋に用いられるのは「紅白」「金銀」がほとんどです。神事に用いられることの多い「赤金」や、粗品など手頃な贈答に使われる「赤棒(赤単色)」など似たような色が多いので、用途によって使い分けましょう。ただし「黄色」の水引は「黒白」と同じく弔事に用いるものなので、くれぐれも「色が明るい」などという理由で選ばないようにしてください。
次に水引の結び方ですが、これはお祝いごとで変わります。結婚式など「一度きりであってほしい」お祝いごとについては、「鮑結び(あわびむすび)」や「結び切り」など頑丈で解けないものを選ぶのが基本です。一方で、入学祝いなど「何度あってもうれしい」お祝いごとの場合、「蝶結び」や「花結び」など、かんたんに結んだり解いたりできる方式を選ぶことになります。
「入学祝い」ののし袋の書き方
本項ではのし袋に記す「祝御入学」などの表書きや差出人名の書き方、および中の封筒に記す金額の書き方を解説します。宛名を書く場合や連名で祝儀袋を用意する場合など、さまざまなケースでの書き方を把握しておきましょう。
表書きの書き方
のし袋の書き方で一番大事なのは「寿」や「祝御入学」などといった「どういう祝い事なのか」を表した文字、いわゆる「表書き」が最も大きくなければいけません。これらの文字は水引の結び目の上に書くのが決まりです。
差出人名は結び目の下に、やや小さめの文字で書きます。会社名などを記す場合は更に小さい文字で名前の右上に書いてください。なお、宛名の記載はなくても大丈夫ですが、書くのであれば表書きの左側に「様」付けで記しましょう。
差出人が連名となる場合は身分の高い人順に右から書きます。4人以上であれば、代表者の名前だけを記載し、左下に「他一同」と書きましょう。この場合はのし袋の中に、全員の名前が書かれた紙を封入しなければなりません。ほかにも、宛名を記載する場合は連名の順番が逆になるなど、祝儀袋を複数人でひとまとめにしようとすると作法がよりややこしくなってしまうので、慣れないうちは個々人で用意するのが無難です。
中袋の書き方
表面の書き方
中袋とはお金を入れる封筒のことで、表面中央にその金額を漢数字で記載します。その際、「壱(一)」「弐(二)」「参(三)」など大字と呼ばれる特殊な漢数字を使うのが一般的ですが、これは加筆改ざんを防ぐための記入法なので、従来の漢数字でもマナー上問題ありません。
なお、「四」や「九」といった数字は縁起が良くないとされており、祝儀袋の封筒には書けるものではないため、この二文字のいずれかが入る金額は避けるようにしてください。
裏面の書き方
封筒の裏面左側には通常の郵便物と同じく、差出人の名前と住所を記載します。宛名や金額を書く場所ではなく、特に金額を裏面に書くと弔事仕様になってしまうので気をつけましょう。
「入学祝い」ののし袋のお金の入れ方
本項ではのし袋のお金の入れ方について解説します。お札の向きや新旧、包み方にいたるまでチェックポイントは多々あるので、袋そのもののマナーをおさえたところで油断しないようにしてください。
お札は新札?旧札?
のし袋に入れるお札は用途によって「新札」「旧札」の2種類に分かれますが、入学祝いなどの慶事においては新札を用意するのが基本です。新札とは発行してから全く使っていない紙幣で、主に銀行や郵便局での両替で入手できます。新札には「この日を待ちわびていた」という意味が込められているため、お祝いごとにはなるべく直前に発行したお札を用いるといいでしょう。
なお、旧札はもっぱら弔事に用いられますが、これは新札の持つ意味が遺族への失礼にあたるからです。
お札の向きは全て揃える!
お札は中袋の表面とお札の肖像画が書かれている面を同じ向きにし、肖像画側を上にして入れるのが決まりです。しかし、実際には中袋を裏返してから入れることが多く、お札の表裏を間違えやすいため、封をする前にもう一度お札の向きをチェックしておきましょう。
「一万円札+五千円札」など複数の種類の紙幣を用いる場合は、金額の大きいお札が上にくるように入れるのが理想です。また結婚祝いの場合、「割り切れる枚数」を避けるためお札は奇数枚にするなどのマナーもありますが、入学祝いにおいてはそこまで気にする必要はありません。
ご祝儀袋の包み方にも注意!
お金の入れ方で最も難しいのが、お札を入れた中袋をさらに上包みで包む作業です。完成品だけ見て折り方を理解するのは無理があるので、ここでは代表的な包み方である「たとう折り」の手順を一から説明していきます。
①広げた上包みの中央に、中袋の表面が上になるようにして置く
②中袋の左右の両端をラインに、まず上包みの左側を折り、次に右側を折る
③全体を裏返す
④中袋の上下の両端をラインに、まず上包みの上側を折り、次に下側を折る
⑤全体を裏返し、水引を通したら完成
一番間違えてはいけないのが④で、先に下側を折るとお悔やみの意になってしまいます。このようにお金の入れ方ひとつとっても、手順やマナーに苦労するのがのし袋ではありますが、そのぶん受け取った相手の感動もひとしおですので、機会が訪れた際はぜひ心をこめて作業にあたってください。
「入学祝い」の金額の相場
最後に入学祝いの金額について解説しますが、これはのし袋を贈る相手との間柄によって変わります。一般的に友人や同僚であれば3万円程度、上司や恩師など目上の人に対しては3~5万円ほどが相場であり、相手が親族になると金額が5~10万円ほどまで上がります。
入学祝いの場合は身内で祝うことが多いため、5~10万円が目安ということになりますが、実際には相手との関係や状況によっても変わるので、迷ったら周囲の人に相談するといいでしょう。
入学祝いのし袋の書き方パーフェクトガイドのまとめ
- のし袋に使う水引は蝶結びか花結びにし、色は「紅白」「金銀」を選ぶのがベスト。
- のし袋は「御祝」などの表書きを最も大きい字で書き、金額や差出人の住所は中袋に記載。
- お金は新札を用意し、中袋表面と同じ向きで肖像画側を上にして入れる。また内包みの上下を折るとき、必ず上から順に折るのがマナー。