「飛ばし記事」とは?
「飛ばし記事」とは情報の裏とりをせずに、記者の推量を交えて書かれた記事のことです。
立証されていない噂の段階や、不確定な部分であるにも関わらず記者の憶測を交えて正確な情報のように書かれます。「衝撃の大スクープ!」のようなインパクトはありますが、結果的には「なんだ、『飛ばし記事』か」と失笑を買うのが常です。
プロゲーマー君
「飛ばし記事」といえばこれ!
”任天堂は年末に発売する新型家庭用ゲーム機「Wii U」に、カーナビゲーションや電子書籍などの機能を搭載する。米マイクロソフトなどの競合会社も同様の戦略で、多機能化により幅広い消費者を再び呼び寄せ、ゲーム機の復権を目指す”(2012年6月5日 日本経済新聞 電子版)
プロゲーマー君
日本経済新聞・電子版の「飛ばし記事」に対し任天堂は……
”本日の日本経済新聞の報道(「任天堂、スマホに対抗」)は、当社が発表あるいは事実確認したものではなく、数多くの間違いが含まれた、日本経済新聞社の全くの憶測記事です”と即日対応しています。
(2012年6月5日)
萌え袖ちゃん
任天堂の文章は丁寧だけど、「飛ばし記事」に対する激おこ感が伝わってくるわ。「飛ばし記事」って本当に迷惑よね。
【ウヨ子の主張】
— 根戸ウヨ子🇯🇵【公式】 (@neto_uyoko) October 30, 2019
朝せん戦時労働者の「合意案」のニュース、菅官房長官がきっぱり否定されていましたね…。
またですか…。また飛ばし記事ですか…。どうなってるんですか、メディアは…。#ウヨ子の主張 #朝鮮出身戦時労働者 #FakeNews#飛ばし記事 pic.twitter.com/t6CFhbKvBJ
「飛ばし記事」の語源
充実した取材や裏付けなど、重用な手順を飛ばしていることから「飛ばし記事」といわれています。
すなわち、手抜き記事です。
萌え袖ちゃん
情報は鮮度と信ぴょう性が大事。「飛ばし記事」なんて、記者としての資質を問われますよ。
「飛ばし記事」の問題点
飛ばし記事が抱えている大きな問題点は、信ぴょう性の乏しい情報で読者や視聴者に誤解を与えることです。政治問題の場合は特に深刻で、政党支持率や政策にも影響します。事実無根の「飛ばし記事」により拡散された誤解を解くため、企業や政治家が対応に追われることも珍しくありません。
不確かな情報を拡散して誤解と混乱をもたらしたメディアもまた、大きく信用を損ないます。情報を扱うメディアが信用を損なうことも問題ですが、不確実な情報を拡散しておきながら「報道の自由」で逃げることも大問題です。
萌え袖ちゃん
「飛ばし記事」の語尾はすべて「だと思います」「かもしれません」にしてほしいわね。「裏付けは取っていないので、話半分に読んでください」という意味を込めて。
マルクス
「飛ばし記事」や誤報の被害者といえば菅官房長官もじゃ。「そのような事実はありません」毎回毎回、気の毒じゃのう。
「飛ばし記事」は違法?
「飛ばし記事」に違法性はありません。「飛ばし記事」を規制する法律がないので、基本的にメディアの責任を問えないのが現状です。しかし、「飛ばし記事」によって会社の信用を損ない、利益が著しく減少したなど実害があった場合は、例外的にメディアの責任を問われることもあります。
萌え袖ちゃん
「飛ばし記事」や誤報、悪質なデマがはびこるのは、法規制と罰則がないからなのね。
マルクス
そうなのじゃ。さらに「飛ばし記事」やデマが、「報道の自由」という盾に守られておるのじゃ。