雨の名前や種類は意外と多い?
調べてみると雨の名前や種類は意外と多いことに驚きます。
庶民が昔から言い習わしてきたものや中国や日本の文学に現れたものなど、その数は数百に及ぶとも言われます。
雨の呼び名は古いものばかりではなく、激しく降る雨をさすゲリラ豪雨など最近できた名前もあります。
これからも住環境の変化や文学者の感性などで、新しい雨の呼び名が生まれるのでしょうね。
数多い雨の名前の中から、代表的な名称をご紹介します。
降り方による雨の名前と種類の一覧
激しく降る雨、青葉雨など降り方別にジャンル分けした雨の名前と種類の一覧は、以下の通りです。
強い雨・長時間の雨の一覧と呼び方
大雨(おおあめ)
大雨(おおあめ)とは、大量に降る雨のことです。激しく降る雨のことも大雨といいますが、主に長時間にわたる雨量の多い雨です。注意報や警報の対象になる気象用語でもあります。
地雨(じあめ)
地雨(じあめ)とは、何時間も降り続けて止まない雨で、擬態語で表すなら「しとしと」という言葉がぴったりの雨になります。
豪雨(ごうう)
豪雨(ごうう)とは、激しく降る雨のことを指します。台風の時などの強い雨によく使われる言葉です。手ごわい雨というニュアンスですね。
ゲリラ豪雨は予想が困難な局地的な集中豪雨を指す言葉で、大都会のヒートアイランド現象が原因とも言われています。
肘笠雨(ひじがさあめ)
肘笠雨(ひじがさあめ)とは、突然降り出す雨の呼び方で、笠をかぶる余裕がなく、肘で雨をしのぐことが名前の由来です。
驟雨(しゅうう)
驟雨(しゅうう)とは、急に激しく降る雨のことで、にわか雨と同じようにすぐに降りやみます。
スコール
スコールとは、主に熱帯雨林地方に降る雨のことです。強風を伴って、かなり激しく降ります。毎日定期的に降ることが多く、短時間の雨なので現地の人は慣れっこです。
篠突く雨(しのつくあめ)
篠突く雨(しのつくあめ)は豪雨の類義語です。篠は細い竹のことで、まるで篠が束になって降ってくるような激しい雨のことです。オーバーな表現ですが、「とても外に出られものではない」という気分は出ていますね。
弱い雨・すぐに降りやむ雨の一覧と呼び方
霧雨(きりさめ)
霧雨(きりさめ)とは、文字通り霧のような細かい雨のことです。日常生活でもよく使う言葉ですね。
小雨(こさめ)
小雨(こさめ)とは、短い時間しか降らない少量の雨のことです。「小雨がチラつく夜」はドラマのロマンティックなシーンによく使われる背景です。
気象用語としては、総降水量が「1mm未満」の雨を指します。
俄雨(にわかあめ)
俄雨(にわかあめ)とは、突然降りだして、降ったと思ったらすぐに止んでしまう雨です。
通り雨(とおりあめ)
通り雨(とおりあめ)は、ほとんど「にわか雨」と同じで、急に降ったと思ったらすぐに止んでしまう雨のことです。「傘をもって行ったら?」「通り雨だろう。止んでから出かけるよ」などと使います。
小糠雨(こぬかあめ)
小糠雨(こぬかあめ)は霧雨と同じような雨で、ぬかのような細かい雨がしっとりと静かに降る様子を表します。「ひそか雨」「糠雨(ぬかあめ)」も同じです。
イレギュラーな雨の一覧と呼び方
霖雨(りんう)
霖雨(りんう)とは、何日も降り続く雨のことで、長雨と同じ意味です。霖の一文字でも同じ意味で「ながあめ」と読みます。
天気雨(てんきあめ)
天気雨(てんきあめ)とは、晴れているにも関わらず降る雨のことです。類義語に「天泣(てんきゅう)」や「狐の嫁入り(きつねのよめいり)」などがあります。
凍雨(とうう)
凍雨(とうう)とは、みぞれやあられを含む凍った雨です。雨は雪が溶けたものですが、それが地上付近で再び凍るのが凍雨です。
叢雨(むらさめ)
叢雨(むらさめ)は、古風な呼び方の雨で、「群雨」や「村雨」とも書きます。
降り方がイレギュラーで、激しく降ることもあれば、パラパラと弱く降ることもあります。長続きする雨ではありません。
恵みの雨の一覧と呼び方
恵みの雨の名称、表現にも多くのバージョンがあります。
- 翠雨(すいう):青い葉っぱに降る雨で、見た目が翡翠に似ていることから名前がついています。
- 喜雨(きう):日照りが続いた後の雨。喜んでいるのはもちろん人間です。類義語に「慈雨(じう)」があります。
- 甘雨(かんう):これも雨がなかなか降らない時に降る恵みの雨を指します。そんなときは雨粒が甘く感じられたのですね。