閻魔帳の読み方や本来の意味は?
閻魔帳は「えんまちょう」と読みます。閻魔大王は仏教やヒンドゥー教で死者の行く世界である冥界の主です。そして閻魔帳とは、「閻魔大王が持っている亡くなった人の生前の善悪の行動が記録されている手帳」のことを意味します。
閻魔大王はこの記録をもとに、死者を天国に行くか地獄に行くかを裁いているとされています。
子供
閻魔様の手帳だなんて普段の生活には関係ない言葉みたいだなぁ。
情熱系社員
でも、閻魔帳はあなたがいつも行っている学校とも関係ある言葉なのよ。
子供
え、どういうこと?
情熱系社員
閻魔帳は俗称として日常的にも使われる言葉なの。詳しくみていきましょう。
閻魔帳が日常で使われる場合の意味
閻魔帳は上記の本来の意味としてよりも、日常では俗称として使われることが多い言葉です。俗称としての閻魔帳は「相手の行動や態度などを記録する手帳・帳簿」を指します。
下記で具体的に紹介していきます。
教師が生徒の評価を記入する手帳
閻魔帳は「教師の持っている手帳」を指す俗称です。この手帳には生徒の成績、態度、日常生活などについてが事細かに記されており、この手帳の内容によって生徒の通知表・成績・内申書等が決まるのです。
この手帳の内容によって生徒の評価が決まり進学先等が左右されるため、俗称で閻魔帳と呼ばれています。
子供
僕のテストの点数も閻魔帳に書かれているのか。
警察手帳などを指す隠語
閻魔帳は「警察手帳(刑事手帳)」の俗称や隠語としても使われるときがあります。警察官(刑事)が持っている、様々な人の前科・前歴、指名手配、容疑等について書きつけてある手帳という意味で、閻魔帳と俗称で呼ばれているのです。
会社では人事評価が書かれたものを指すことも
会社では、人事部が社員の評価を記載した書類や上司が部下の業績や日ごろの行い、評価等を記載した書類を指して閻魔帳と呼ぶこともあるようです。この書類によってその社員の評価が決まり、給与にも影響を及ぼすため閻魔帳と呼ばれています。
よしこ
この書類で給与が左右されるなんてまるで閻魔様の裁きのようね。
閻魔帳の使い方・用例
上記のように、日常では閻魔帳という言葉は俗称として使われることがほとんどです。用例をみてきましょう。
閻魔大王の手帳という意味での用例
厨二ちゃん
閻魔帳に何を書かれてているかわからないから、日ごろから行いを慎んだ方が良い。
教師の手帳という意味での用例
子供
期末テストの結果は散々だったので先生の閻魔帳にもひどく書かれたことだろう。
警察手帳(刑事手帳)という意味での用例
闇の存在「XXX」
刑事の閻魔帳にぎっしり詳細が書かれていた容疑者が捕まったので取り調べは長くなりそうだ。
人事評価の書かれたものという意味での用例
若手社員
人事の閻魔帳によって今度のボーナスが変わるらしいので今から怯えている。
閻魔帳の類語や似た表現
閻魔帳と似た言葉はその意味によって変わります。それぞれみていきましょう。
鬼籍簿・点鬼簿
閻魔大王の持っている手帳の同義語として「鬼籍簿」「点鬼簿」が挙げられます。読み方は「きせきぼ」「てんきぼ」です。「鬼」は漢語で亡くなった人を意味する字です。
「鬼籍簿」「点鬼簿」ともに、「仏教やヒンドゥー教、民間信仰の中で亡くなった人の名前や生前の善悪の行動記録を記してある、閻魔大王の持っている帳簿」を指しており、「閻魔帳」を同様の言葉になります。
通知表・通信簿・成績表・出席表
これらの言葉は「教師の手帳」という意味での類義語になります。
「通知表」「通信簿」は学期末等にその学期の成績や態度などを教師が記し家庭に知らせるものです。教師の持っている閻魔帳にはこれらのことが記載されています。
また「成績表」「出席表」も教師の手帳に記されている内容です。
これらの類義語のすべてが網羅されているので、教師の手帳という意味での閻魔帳の方が幅広い意味合いになります。
警察手帳・刑事手帳
様々な人の前科・前歴、行状等の記載がされている警察官の持っている手帳という意味では「警察手帳」「刑事手帳」が類義語になります。
ブラックリスト
「ブラックリスト」は「問題行動、前科・前歴、債務不履行等のある人をまとめた書類、リスト」のことです。これは警察官の持つ手帳という意味や人事評価が書かれたものという意味の時、内容によっては類義語として言い換え可能な言葉です。
着物ちゃん
使うシーンで意味合いが違ってくるので、言い換えるときは注意が必要ね。
閻魔帳の意味のまとめ
閻魔帳という言葉は、本来の閻魔帳というよりも俗語として使われることの多い言葉となっています。俗語はもとの言葉の意味合いと違う場合は往々にしてありますので、本来の言葉と一緒に抑えておくと会話の幅が広がるでしょう。
このサイトにはほかにも様々な言葉を詳しく解説していますので活用してみてください。
閻魔帳という言葉
- 本来は閻魔大王の持っている亡くなった人の行いの記載してある手帳を指す言葉。
- そこから派生して、「教師の持っている手帳」「警察手帳」「人事評価に関する書類」を指す俗語。
- 類義語は「鬼籍簿」「点鬼簿」「通知表」「通信簿」「警察手帳」「ブラックリスト」等、使うシーンによって異なる。