甘酒はアルコールを含んでいるの?
甘酒には、アルコールを含むものと含まないものがあります。ここでは、代表的な2種類の甘酒について、それぞれに含まれるアルコール量や原材料の違いについて紹介します。
酒粕で作られた甘酒のアルコール
酒粕から作られた甘酒でも、市販品の場合は、アルコール度数1度未満のものがほとんどです。一方、自宅で酒粕の甘酒を作る場合には、注意が必要です。
そもそも酒粕とは、「清酒」を製造する際に出る「搾りかす」のことです。アルコール度数の高い清酒ほど、搾りかす(酒粕)の度数も高くなります。一般的な酒粕のアルコール度数は、6~8度(ビールと同程度)です。
酒粕の甘酒を作りたいが酔うことは避けたい場合、アルコール度数の低い酒粕を使用したり分量を減らしたりし、よく加熱してアルコールを飛ばしましょう。
米麹から作られた甘酒のアルコール
米麹から作られた甘酒には、アルコールは含まれていません。
酒粕から作られた甘酒でも、市販品であれば1度未満のものが大半だと前述しましたが、わずかなアルコールでも気になる場合は、米麹から作られた甘酒を飲むと安心です。
甘酒は子供が飲んでも大丈夫なの?
アルコールが含まれない甘酒があることは、すでに紹介しました。しかし、1歳児や幼児に与えても良いのか?飲ませても良い量は?など、まだ悩んでいる人もいると考えられます。ここでは、それらのことについて紹介します。
甘酒を子どもが飲んで良いのはいつから?
アルコールを含まない米麹の甘酒を飲み始める時期に、特に決まりはありません。しかし、一般的には、「離乳食後期(生後10か月)」に入ってからが良いと言われています。
離乳食後期の乳児は、柔らかい食べ物であれば、歯茎で噛んだり、舌ですり潰したりすることができます。5倍がゆが食べられるようになるのもこの時期です。
米麹の甘酒には、米や米麹の柔らかい粒が残っている場合があるため、この時期以降に与えた方が良いのでは、と考えられているのです。
子どもに飲ませるなら米麹の甘酒!
米麹の甘酒にはアルコールが含まれておらず、子どもに飲ませても安心です。
発酵過程で作られる「ブドウ糖」により、自然な甘みが感じられるのもこのタイプの甘酒です。そのため、米麹から作られた甘酒は、市販のものでも、砂糖不使用の場合がほとんどです。一方、酒粕から作られた市販の甘酒の多くは、砂糖が使われています。子どもに余分な糖分を摂取させたくないという人にも、米麹の甘酒の方がおすすめです。
子どもが飲んでも良い甘酒の量は?
米麹の甘酒に含まれるブドウ糖は、脳や身体の正常な働きのために必要です。そのため、ブドウ糖を摂取すること自体は、脳や身体にとって良いことだと言えます。しかし、ブドウ糖の過剰摂取は、身体の不調を招く上に、体脂肪を増加させるため、注意が必要です。
1日に必要なブドウ糖は、成人の場合で約150gです。子どもの場合は、年齢や体格を考慮しつつ、成人より少ない量を目安にすると良いでしょう。
また、食事からもブドウ糖は摂取できます。これらのことから、子どもが一日に飲む甘酒の量は、コップ一杯ほどに留めることをおすすめします。
甘酒にはどんな効果があるの?
酒粕の甘酒にも、健康や美容に関する様々な効果があるとされていますが、今回は、子どもにおすすめの「米麹の甘酒」の効果について紹介します。
美白効果
米麹の甘酒には、「ビタミン類(特にビタミンB群)」が多く含まれています。ビタミンは、肌の健康を保つ上で重要な役割を果たしています。
また、「コウジ酸」という物質も、多く含まれています。コウジ酸には、シミのもとであるメラニンの生成抑制作用があるとされています。
これらのことから、米麹の甘酒には、美白効果、美肌効果があると考えられているのです。
代謝を良くする効果
アミノ酸には、身体の基礎代謝を高める働きがあります。
米麹の甘酒には、必須アミノ酸が全種類と、その他のアミノ酸(グルタミン、アルギニン、システインなど)も豊富に含まれています。
*注意:必須アミノ酸は、身体づくりのために必要でありながら、体内で合成できない9種類のアミノ酸のことです。
便秘解消の効果
米麹の甘酒に含まれるオリゴ糖や食物繊維は、便秘解消に役立ちます。
オリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなります。オリゴ糖をしっかり摂取することで、善玉菌を増やすことができ、腸内環境の改善につながります。
食物繊維には、便を柔らかくしたり、便のかさを増して排出を促したりする役割があります。
免疫力を高める効果
米麹は、「天然の抗生物質」と呼ばれています。免疫力を高める「酵素」が豊富に含まれているということが、その呼び名の由来です。
米麹から甘酒を作る場合、約60度までの加熱にとどめると、酵素の働きを失わないで済みます。また、加熱によって酵素が死んだ場合でも、その死骸は、腸内の善玉菌のエサとなって役立ちます。
子どもでも飲みやすい甘酒の飲み方
米麹で作られた甘酒は、子どもでも飲むことが可能ですが味にクセがあります。そこで、子どもでも飲みやすい飲み方を紹介していきます。
カルピスや牛乳で割る
甘酒の味、特に甘みについて、「クセがあって苦手」という子どもがいます。その場合は、牛乳やカルピスなどで割り、独特の甘みを緩和することがおすすめです。
この方法は、「甘酒のとろみが気になって飲みにくい」という子どもに対しても、甘酒を薄めることができるという点で効果的です。
粉末のココアを入れる
甘酒の甘みを活かして、ココアに加える砂糖を甘酒で代用するという方法もおすすめです。この場合は、ココアの香りや味が強いため、自然に甘酒の味のクセが弱められます。
甘いココアが好きな子どもだとしても、砂糖たっぷりのものを与えるのは避けたいところです。しかし、代わりに甘酒を加えたココアであれば、健康的です。
甘酒は子どもが飲んでも大丈夫?のまとめ
- 子どもにおすすめするのは、アルコール0%・砂糖不使用の米麹で作られた甘酒。
- 赤ちゃんが、飲むことができるのは離乳食後期。
- 米麹の甘酒に期待でいる健康効果は、美白・代謝アップ・便秘解消・免疫力アップ。
- 飲みにくい場合におすすめするのは、牛乳やカルピスで割る、ココアで味を変える飲み方。