面目躍如とは?
面目躍如とは、世間から一定以上の名声や評価を受けている人物が、その評判通りの活躍を見せることを意味する四字熟語です。
皆さんも有名人の活躍について報道するニュースを目にした時に、面目躍如(めんもくやくじょ・めんぼくやくじょ)という言葉を目にしたことがあるではないでしょうか。
この記事では、面目躍如の正しい読み方と意味、さらに類語や対義語などをご紹介します。
面目躍如の正しい読み方は?
面目躍如の正しい読み方は、「めんもくやくじょ」もしくは「めんぼくやくじょ」です。一般的には、「めんもくやくじょ」の方が使われる傾向にあります。
「面目」の部分は、「めんもく」と「めんぼく」のどちらで読んでも正解です。
よくある読み間違いは、「躍如」の部分を「やくにょ」と読むことです。
如意棒「にょいぼう」を連想して、「如」を「にょ」と読まないように注意しましょう。
面目躍如の意味
面目躍如の意味は、「世間から受けている名声や評判に値する活躍を見せて、活き活きとしている様子」です。
「面目」という漢字には、名誉や体面という意味があります。たとえば、体面が悪くなることを「面目が潰れる」と表現します。
「躍如」という漢字には、勢いや活力がハッキリと外に表れる様子という意味があります。たとえば、「この虎の絵が描かれた屏風には、虎の獰猛さが躍如として描かれている」というように使います。
面目躍如の類語と対義語
面目躍如の類語と対義語を紹介します。
面目躍如の類語
面目躍如の類語の具体例としては、以下ものが挙げられます。
- 才気煥発(さいきかんぱつ)・・・・・・その人物が持っている優れた才能があふれ出て、ありありと分かる様子。
- 八面六臂(はちめんろっぴ)・・・・・・あらゆる方面に対して、目覚ましい活躍を見せる様子。「八面六臂の活躍を見せる」などのように使う。
- 真骨頂(しんこっちょう)・・・・・・その人物が本来もっている真の姿。本領とも言う。「真骨頂を発揮する」などのように使う。
- 面目一新(めんもくいっしん)・・・・・・それまでにあった評価が覆されるほど、高い評価を得ること。すっかりと外見が変わることを指す場合にも使う。
面目躍如の対義語
面目躍如の対義語の具体例としては、以下ものが挙げられます。
- 不面目(ふめんもく)・・・・・・面目に否定を意味する「非」をつけた語。不名誉や不格好を意味する。
- 面目が潰れる・・・・・・名誉が汚されること。より強い語としては「面目丸潰れ」が挙げられる。
- 面子(めんつ)が立たない・・・・・・面子とは、名誉や体面のこと。不名誉や不格好を意味する。
- 立つ瀬が無い・・・・・・立つ瀬とは、立場のこと。名誉を失うと、信用が落ちて立場が無くなることを意味する。
面目躍如はどのような場面で使うの?使い方と例文を紹介!
面目躍如は、「既に名声や実績のある人物が、優れた活躍を見せた場面」で使います。すなわち、「既に高い評価が、さらに高まる」という場合です。
使い方の具体例としては、次のような用法が挙げられます。
- サッカーの世界大会で優勝したことによって、日本代表選手としての面目躍如となった。
- この複雑な戦況においても、軍を勝利に導いた手腕の良さは、軍事指揮官としての面目躍如と言ったところか。
- 剣道の県大会団体戦の大将を務める者として、部員から面目躍如を期待される。
- 他社からヘッドハンティングされてきた新進気鋭のエンジニアは、今期のプロジェクトにおいて、面目躍如たる大きな貢献を果たした。
面目躍如と似て異なる言葉
面目躍如と似て異なる言葉としては、名誉挽回(めいよばんかい)と汚名返上(おめいへんじょう)が挙げられます。しかし、どちらも使うべき場面が異なっています。
言葉を使う場面を誤ると、相手に対して不快感を与えてしまうことがあります。
名誉挽回と汚名返上の意味と使いどころを確認しておきましょう。
名誉挽回
名誉挽回とは、「何かしらの失敗によって失われた名誉(功績・輝かしい評価・栄光)を取り戻す」ことを意味します。すなわち、「プラスの状態からゼロの状態に落ちて、再びプラスの状態に戻る」という場面で使う言葉です。
挽回する名誉の対象は、名声や評判といった大きなものに限りません。私的・公的なつながりを問わず、周囲の人々から得ていた信頼や信用についても、名誉の対象に含まれます。
例えば、普段は誠実に約束事を守っていた人が、仕事などの事情によって、とある約束を破ってしまったとしましょう。しかし、そのことについて謝罪して、その後に埋め合わせをおこなえ、信頼を回復させたのであれば、名誉挽回と言えます。
汚名返上
汚名返上についても、「新たに成果を上げることで、以前の失敗によって得てしまった不名誉を打ち消す」という意味を持っています。
名誉挽回と意味が似ていますが、「ゼロの状態からマイナスの状態に落ちて、再びゼロの状態に戻る」という意味合いが強いです。
例えば、陸上競技で常に優秀な成績を収めている選手Aがいるとします。ある日、その選手の活躍に嫉妬したライバル選手Bによって、ドーピング疑惑のデマを世間に流されてしまいました。
選手Aは薬物検査をクリアしていましたが、それでも世間からは疑いの目で見られ続けています。そのことに悔しがった選手Aは、猛特訓の末、薬物規制の厳しい国際試合において、見事に1位を獲得しました。
これにより、選手Aがドーピング疑惑を晴らせたのであれば、汚名返上と言えます。
面目躍如は使い方を間違えると失礼になる可能性も!
面目躍如は、「既に高い評価が、更に高まる」という場面で使う言葉です。使う相手は、優れた名声や実績の持ち主に限られます。
つまり、それほど地位が高くなかったり、実績の少なかったりする人物に対して使ってしまうと、相手から皮肉として受け取られることもありえます。
面目躍如という言葉を他人に使うのであれば、誰の目から見ても優れた名声や評判の持ち主に対して使うように心がけましょう。
面目躍如の意味のまとめ
- 面目躍如は、「世間から受けている名声や評判に値する活躍を見せて、活き活きとしている様子」という意味。
- 面目躍如の正しい読み方は、「めんもくやくじょ」あるいは「めんぼくやくじょ」。読み方としては、「めんもくやくじょ」の方が一般的。
- 面目躍如の類語、「才気煥発」や「八面六臂」など。
- 面目躍如の対義語は、「不面目」や「面目が潰れる」など。
- 面目躍如と比べて、名誉挽回や汚名返上は、似たような意味。しかし、「評価が上がり続けるか」と「評価が上下するか」という点で相違。