部屋干しに適した環境とは?
部屋干しは、太陽が当たらない、風がない、部屋に湿気がこもる「だから洗濯物が乾くまでに時間がかかっても仕方がない」と考えがちですね。
しかし、部屋干しであっても太陽光が多少でもあたる窓際や、換気をしやすい浴室などであれば部屋干しに適した環境となります。また、後述するとおり6畳間以上の窓がある部屋が望ましいです。とはいえ、部屋干しに適した部屋だとしても、太陽の下の外干しに比べ乾燥時間が長くなるのは事実です。
そんなデメリットもある部屋干しですが、扇風機を有効に使うことで洗濯物を乾かす時間を大幅に短縮できます。その使い方も簡単です!
梅雨や花粉が舞う時期は、どうしても部屋干しをする必要が出てきます。部屋干しのコツを身につけ、安心して部屋干しを行いましょう。
洗濯物の乾きが遅いととどうなる?
これから、部屋干しに適した環境や部屋干しでの効果的な乾燥方法をご紹介していきますが、その前に洗濯物が乾くのに時間がかかった場合の弊害を簡単に抑えておきましょう。
- 洗濯物に水臭いイヤな臭いが付き、乾燥してもとれない。
- 洗濯物に付いている雑菌が繁殖する。
- ジメジメとしている洗濯物が部屋を占領している。
部屋干しにおすすめの部屋とは?
部屋干しに適した環境は、できれば6畳間以上の窓のある部屋がおすすめです。
洗濯物が乾くメカニズムを見てみると、洗濯物に含まれる水分が水蒸気となり洗濯物から完全に水分が蒸発することですので、それほど難しいものではありません。ただし、洗濯物からの水分の蒸発は部屋の湿度や喚起方法、洗濯物の量などと関係が深いので、洗濯物を早く乾かすためにはその関係性を知っておくことは大事です。
たとえば、6畳間の部屋が湿度90%のときの水蒸気の量は500gとされており、洗濯物で換算するとおよそ2kgです。つまり、単純に計算すると2kg以上の洗濯物を部屋干しするには6畳間以上の部屋の広さが必要であり、4.5畳間の部屋では洗濯物を1.5kg以下に減らす必要がでてきます。
また、洗濯物からの水分蒸発は干した直後が最も高く、洗濯物が乾燥してくるに従って水分蒸発は少なくなってきます。そのため、部屋干しした直後から2時間ほど窓を開くと部屋の湿度が下がり、洗濯物の乾燥時間の短縮に効果的です。
部屋干しには扇風機が便利?
部屋干しで洗濯物を効率的に乾燥させる便利なものとして、ネットなどでよく登場するのが扇風機ですね。
部屋干しで扇風機を使った場合の乾燥効果をご紹介します。
- 一番の効果は、風のパワーで湿気が飛び、洗濯物が乾きやすいことです。扇風機を効果的な使い方で利用した場合は使わない場合に比べ、乾きが3時間ほど早いことがわかっています。
- 洗濯物が濡れている時間が短いので、菌の増殖も抑えられイヤな臭いもしません。
- 電気代が非常に安いです。外干しに比べて電気代はかかりますが、扇風機の電気代は1時間に1円程度ですので、家計を圧迫するとは考えにくいです。
扇風機が部屋干しに適している理由
扇風機が部屋干しに適している理由を、洗濯物が乾く原理から詳しく見てみましょう。
洗濯物が乾燥する過程を細かく見ますと、洗濯物の表面にある水分は水蒸気となり蒸発します。しかし、洗濯物の内部に存在する水分が水蒸気となって蒸発するためには、洗濯物の内部にある水分が内部から表面へ移動しなければなりません。つまり、扇風機を利用して風を洗濯物に当てると、洗濯物の内部から表面への水分移動が早まるので、結果乾燥時間が短縮される事につながります。
また、洗濯物の乾きに大きく関係しているのが、「境膜」と呼ばれる洗濯物の表面にできる膜です。境膜は蒸発した水蒸気から作られ、洗濯物の表面で内部の水分が蒸発するのを抑えています。つまり、この境膜を早く取り除くことが洗濯物を早く乾かすコツです。扇風機の風を洗濯物に当てると洗濯物の境膜が飛び散るので、洗濯物から水分が蒸発しやすくなります。扇風機が洗濯物の乾燥に効果的という大きな理由の一つが、この境膜の除去です。
部屋干しをするときの扇風機の使い方
扇風機を使って部屋干しをする場合は、風の通り道を意識して干しましょう。扇風機の使い方で、洗濯物の乾き方が違ってきます。なるべく風が洗濯物全体に当たるように扇風機の首振り機能の利用をおすすめします。
具体的な扇風機の使い方の手順は、次の通りです。
- 洗濯物同士は15cmほど離して干す。
- 扇風機は洗濯物の横に、1mほど離して置く。
- 扇風機は首振りに設定。風量は「弱」でOK。
- 洗濯物が同士が離れた方が乾きやすいので、乾いたものから順に取り外す。
部屋干しに扇風機を使うときのコツはある?
部屋干しの洗濯物は、1分でも早く乾燥させたいですね。扇風機の乾かす効果を高めるために、洗濯物を干すコツをご紹介します。
長いものは長さをずらして
洗濯物は、風や空気に接する部分が広いほど早く乾きます。そのため、バスタオルなどの長いものや大き目の洗濯物は、長さをずらしてかけると空気に触れる面が多くなるので、端を揃えて干すよりも早く乾きます。
生地の厚さが違う服は交互に
洗濯物の乾きは、洋服の厚さや生地の種類によって乾くスピードが変わります。そのため、乾きやすいポリエステル素材や薄手の洗濯物と乾きにくい厚手の洗濯物は、交互にかけると風通しが良くなります。
ジーンズは筒状で
ジーンズは乾きにくい洗濯物の一つです。ジーンズは筒にして干すと、ジーンズの中に空気が入りやすくなり早く乾きます。筒状にした干し方は、スラックスやスカートにも応用できます。
厚めの服はハンガー二本で
セーターのような厚手の洗濯物は、ハンガーを二本使って干しましょう。二本のハンガーを同時に首から出し、干すときにセーターの中が空洞になるように広げて干せば乾きが早くなります。また、脇の部分も乾きにくいので別のハンガーに袖をかけ、脇の部分が空気に触れるようにします。
部屋干し用の洗剤使用
近年、花粉症や梅雨の時期に部屋干しをする人が増えたため、除菌効果の高い部屋干し専用の洗濯洗剤が登場しました。梅雨時期で湿気がこもりやすい時期に部屋干しする場合は特に、部屋干し専用の洗濯洗剤を使用すると雑菌の増殖を防ぐことができ、イヤな臭いも気になりません。
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扇風機以外にも部屋干しでおすすめの方法はある?
扇風機の他に部屋干しでおすすめの方法は、「エアコン」の利用です。洗濯物の乾燥に効果的なエアコンの機能は、限定されていません。夏場は「冷房」冬場は「暖房」梅雨時期は「除湿」とするなど、季節に合わせて機能を選びましょう。
エアコンだけでも部屋干しの乾燥効果はありますが、エアコンの風は一方方向だけなので洗濯物全体に風が当たりにくいです。そのため、同時にサーキュレーターや扇風機の使用をおすすめします。サーキュレーターは部屋の空気を循環するので、洗濯物の乾燥に効果的です。また、扇風機はエアコンと別の方角から風を送ることで、風が洗濯物にくまなく当たり洗濯物の乾燥を早めます。
扇風機を使った室内干しのテクニックのまとめ
- 扇風機を使った室内干しの効果は、短時間での洗濯物乾燥と雑菌の増殖防止。
- 扇風機を使った室内干しのコツは、長い洗濯物はずらして干しジーパンは干し方は筒状に。
- 扇風機以外の室内干しおすすめ方法は、エアコンと扇風機やサーキュレーターの同時使い。