「ジゴロ」の意味とは?
「ジゴロ(gigolo)」は「女性に金銭的援助を受けて生活している男性」のことを指すフランス語です。
まずはジゴロの語源と日本とフランスでのニュアンスの違い、そして類義語と対義語を紹介します。
「ジゴロ」の語源
ジゴロはフランス語の「gigolo」に由来しています。原語の意味も「年上の女性から金銭的援助を受けている男性、また生業が不明な男性」となっていますが、その意味合いはフランスと日本ではだいぶ差があります。
フランスにおけるジゴロとは「女性が貢ぎたくなるほどの男性」、すなわちポジティブな意味を持つ言葉ですが、日本の場合は典型的なだらしない男として捉えられがちです。
「ジゴロ」の対義語
ジゴロの対義語で一番に挙げられるのは同じフランス語の「ジゴレット」で、意味は一言でいうとジゴロの女性版です。主に娼婦やキャバクラ嬢を指しますが、「異性を喜ばせて金銭を得る」行為を仕事として行っている場合が多い点はジゴロと異なります。
他には「妾(めかけ)」という言葉があり、これは既に婚姻している男性に対し、金銭的援助を受ける代わりに奉仕を行う女性のことを指します。
「ジゴロ」の類語
ジゴロと類似した言葉はいくつかありますが、最も意味の近い言葉の1つが「男妾(おとこめかけ)」です。これは「女性に養われる形で同棲する男性」という意味であり、ジゴロが一人で暮らしていることは稀なので、実質同義語といっても差し支えありません。
他には身体を売る男性を指す「男娼(だんしょう)」、年上の女性に可愛がられる男性を意味する「つばめ」といった言葉があります。そのほか「スケコマシ」や「プレイボーイ」など、いわゆる遊び人を指す言葉も類義語として挙げられます。
「ジゴロ」の英語表記
ジゴロは英語で「kept man」と表記されます。「kept」は維持を表す「keep(キープ)」という単語の過去分詞であり、「kept man」とはすなわち「(女性に)キープされている男性」のことを指します。
まるで男性が商品か何かであるような表現ですが、ジゴロは性や生活面のサービスを通して女性側に自分を売り込む人種なので、意味はおおむね原語と一致しているといえます。
「ジゴロ」の特徴
本項ではジゴロの特徴について、長所と短所をあわせて紹介します。
母性本能をくすぐるのが上手い
ジゴロは非常に甘え上手であり、何かを頼むときはつねに女性の懐に入り込み、子猫のように甘えてみせます。普段から寂しがりやな素振りを見せては母性本能をくすぐるので、女性側はジゴロを可愛いと感じてつい色々なものを与えてしまうのです。
またジゴロには女性からものを奢ってもらうことを恥じらうようなプライドがなく、また女性の気を惹くうえでオシャレを気にするため、むしろ高級品を積極的にねだってくるという特徴もあります。
言葉巧みに褒めまくる
ジゴロは女性の扱いに長けており、女性が喜ぶ言葉や接し方を熟知しています。具体的には女性が求めているタイミングで褒め言葉を囁いたり、「彼には私しかいない」と思わせ上手いこと共依存の関係を築くことを得意とします。
また女性に怒られたり不審がられたりした時も、ジゴロは難なく言い逃れできます。ジゴロを恋愛対象に選ぶ場合、女性には相手が信用できる人か否かを見極める目が求められます。
自分に自信があるナルシスト
ジゴロは褒めたり頼ったりすることで女性をうまく持ち上げられるため、一見すると謙虚な男性に見えなくもありません。しかし女性に頼りきりの日々に負い目を感じず、またそのような生活が長く続くことを信じて疑っていないことから、ジゴロの本質は自信過剰なナルシストだといえます。
自己愛が強いからこそオシャレや身だしなみには十分気を使うものの、お金の出どころはつねに女性の財布です。恋は盲目といいますが、ジゴロを養うのが金銭的に辛くなってきた場合、将来のためにも早めに手を切りましょう。
マメに連絡をとる
ジゴロは女性に連絡する頻度が高く、「恋人とはこまめにコミュニケーションをとりたい」という女性のニーズにしっかり対応してきます。相手が求めている言葉を最適のタイミングで返信するなど、彼らの口八丁ぶりはスマホ越しでも発揮されます。
ジゴロは基本寂しがりやなので単に構ってほしいだけの場合もありますが、それはそれで女性の保護欲を引き立てるので、連絡ツールはジゴロ最大の武器であるといっても過言ではありません。
「ジゴロ」と「ヒモ」の違い
「ジゴロ」と「ヒモ」は共に「金銭面で女性に頼る男性」を指しますが、それぞれ「頼り方」が全く異なります。
- ジゴロの場合・・・女性をつなぎ止めるため、あの手この手で女性を喜ばせると共に、自身の容姿やスタイルを維持するよう努めます。
- ヒモの場合・・・女性に取り入る努力もせず、単に生活を支えてもらっているだけの男性を指します。
ジゴロが女性に頼られる側面もあるのに対し、ヒモは一方的に女性を頼っているのが大きな違いです。
「ジゴロ」と「天然ジゴロ」の違い
ジゴロの派生語の一つに「天然ジゴロ」という言葉があり、これは本来ジゴロが打算的に行う「女性が喜ぶこと」を、無自覚にやってしまう男性のことを指します。「天然人たらし」とも言われます。経済的に依存する意味は全くないので、そこは本来のジゴロと混同しないようにしましょう。
とはいえ天然ジゴロは意図せず恋愛感情を匂わせるような振る舞いをし、女性側の勘違いを招きやすいことから、困った存在であると考える人も少なくありません。
ジゴロの意味や語源・ヒモや天然ジゴロとの違いや特徴のまとめ
- 「ジゴロ(gigolo)」は「女性に金銭的援助を受けて生活している男性」のことを指すフランス語。
- ジゴロは褒め上手で連絡もこまめなことから、女性の心をつかむのが得意。一方で嘘が上手く金銭感覚も鈍いため、信頼性には欠ける。
- 「ヒモ」はジゴロと違い、女性にただ依存して生きているだけの男性を指す。また「天然ジゴロ」は無自覚に女性を惚れさせてしまうだけで、ジゴロのような経済的依存は全くない。