搾取子とは?
「搾取子」の読み方は「さくしゅこ」です。親から権利を搾取され続けた子どもという意味で使われます。もともとは、経済学の用語「搾取」が、心理的な虐待を受けた人の立場から使われるようになりました。
このような子どもが生まれる背景には、昨今問題になっている毒親の存在が大きく関わっています。搾取子となった子どもは、幼い頃から自由を奪われ、親にとって便利な存在として扱われます。大人になっても、金銭や将来の夢、職業、自分の時間などあらゆる面で搾取され、不当な扱いを受け続けるのです。
ノワールちゃん
テレビドラマにもなった、病児保育士を描いた漫画「37.5度の涙」。主人公の桃子は母から疎まれ、兄弟の中で一人だけ暴言やネグレクトを受けていました。
ゆめかわちゃん
子どもに愛情を与えるのではなく、心や体に虐待を繰り返す親。毒親と、毒親からエネルギーを搾取され続ける子どもの姿が描かれ、世間に衝撃を与えたのよね!
ノワールちゃん
そう。桃子は、親からいじめぬかれたせいで、自分に自信がなく感情表現が苦手な女性に育ってしまいました。
これはフィクションです。でも精神的に未熟な親に育てられ、その後の人生が生きづらくなってしまう搾取子は、想像以上に多いようです。
搾取子になりやすい人の特徴
搾取子となるのは、親の性格に問題があるケースがほとんどです。ただし、同じ親に育てられても、搾取子にならない子どももいます。それでは、どんなタイプの子どもが搾取子になりやすいのでしょうか。搾取子になりやすい人の特徴についてまとめてみました。
搾取子になりやすいタイプ
- 相手の気持ちを察して、細かい所まで気が回る
- 甘えるのが苦手で、自分の本音を口に出せない
- 長女(長男)として生まれた
- 甘え上手な兄弟がいる
ノワールちゃん
搾取子になりやすい子どもは、親の気持ちや態度を汲みすぎる傾向があります。親の愛情を得たいために、相手の望むとおりに動いてしまうのです。その結果、言いなりにできる子という扱いを受けてしまいます。
ゆめかわちゃん
特に長女は、母親と近い存在だから、親が自分の一部のように考えてしまうの。その結果、「あなたのため」という言葉で支配されたり、親の利益のために行動させられたりするのよ。
ノワールちゃん
自分の子どもを「搾取子」「愛玩子」に分けて育てることも多いようです。搾取子は意のままに動かせる存在として、愛玩子は愛情を与え合う存在として育て分けるのです。そうすることで、親は支配力を強めようとします。
自分の子供を搾取子にしてしまう親の特徴
搾取子を作ってしまう親の特徴についてまとめてみました。
搾取子を作る親のタイプ
- 夫婦の仲が悪く日常的にストレスがたまっている
- 子どもをコントロールしたいという気持ちが強い
- 自分の利益ばかり考えている
- 子どもに興味・関心がない
搾取子を作ってしまう家庭は、親自身に強いストレスがかかっていて、はけ口を子どもに求めていることが多いようです。子どもを自分の思う通りに動かしたいと考え、かなわないときには暴言や暴力に出るケースも少なくありません。また、逆に子どもに全く関心がなく、労働力や金銭の担い手としか見ていないことも。
兄弟姉妹は可愛がられていても、搾取子の子どもは自分の家庭がおかしいとは感じません。頼られれば喜んで、金銭・労力を差し出してしまうことが多いようです。
搾取子になってしまった際の対処法・脱出法
自分が搾取子になっている、と気づいた時、どうすればその境遇から逃れることができるのでしょうか。続いて搾取子から脱出する方法についてご紹介しましょう。いろんな対処法がありますが、一番大切なのは、自分が楽になれる方法を考えることです。
親に自分の気持ちを伝える
大人になっても理不尽な要求をされるなら、思いきってつらい気持ちを親に伝えてみましょう。親自身が、子どもを搾取している、と気づかず無意識にやっているケースも多いからです。また、愛情が上手く伝えられず、コントロールという形でしか愛情表現ができない親もいます。子どもの気持ちを知ることで、態度を少しずつ改めてくれるかもしれません。
親と距離をあける
自分の親は本音を話しても伝わらない、という場合もあるでしょう。気持ちを伝えればかえって関係がこじれてつらい思いをする場合は、距離をあけましょう。家を出て一人暮らしをするのもいいでしょう。
電話やメールも無視する、あるいはそっけなく返すなど、親から全力で距離をとりましょう。勇気を出して親から離れることで、幸せを手に入れた人はたくさんいます。
親に復讐しようとしない
自分が搾取されていたと気づいたとき、強い憎しみを感じるかもしれません。親に同じ想いを味わわせたい、と思うこともあるでしょう。でも、復讐しようとするのはやめましょう。憎しみに支配されている間は、親に強い執着を持っているのと同じことです。