ここからは浮き世が使われている言葉の意味を具体的に紹介していきます。
浮き世が使われている言葉での浮き世の意味は大別して以下の2つに分けられます。
- 俗世間、娑婆
- 元禄時代の庶民生活
俗世間、娑婆の意味としての浮き世
色恋沙汰や俗世間、娑婆が由来となった浮き世を用いた言葉の使い方を見てみましょう。
浮世離れ
- 使い方
- 意味
浮世離れした人とは、どちらかというとネガティブな変人や奇人など一般常識がない人を指します。これに対し浮世離れした美人の場合、常識から逸脱した絶世の美人となります。
浮世離れしたという枕詞だとネガティブな意味になるのに対し、浮世離れした感性、女優、選手など後にポジティブな単語を繋げると卓越した意味になるのが面白いですね。
浮世小路
- 使い方
また、原敬が詠んだ俳句に「豆まきや浮世小路のここかしこ」があります。
- 意味
ショッピングモールなどの大規模小売店やマンションが乱立している現代、小路(こうじ、しょうじ)という言葉はあまり使われなくなった感があります。
昭和までは長屋形式の商店街や住宅街が幅の狭い道路に沿って発達していました。このような幅の狭い道路を小路と呼んでいました。長屋形式の商店街や住宅街は時代ごとの庶民生活を反映したことから、ある時代を感じさせる小路を浮世小路と呼ぶようになりました。
庶民が歩む人生街道はまさに浮世小路であり、ここから世間や世の中浮世小路と喩えられます。原敬の俳句「浮世小路は、庶民が住む街より世間、世の中」の意味で捉えるとより風情があります。
浮き世のしがらみ
- 使い方
他に流行歌、己龍の花魁譚(おいらんたん)では「捨つるは浮き世のしがらみか」と歌われています。
- 意味
元禄時代の庶民生活の意味としての浮き世
元禄時代の庶民生活が由来となった浮き世の使い方を見てみましょう。
浮世人
- 使い方
- 意味
浮世人とは元禄時代の享楽的な人生を歩んだ人を指します。
浮世人(うきよびと)は古文に登場します。「浮世人」の使い方は以下の通りです。
かの歌舞伎を見たる浮世人、我先に姿形を真似、その美しきを得たり。
貴賤男女、みな浮世人となりけり。
仮のこの世の借物と、形も姿も捨てぬとは、知らずやあわれ、浮世人
浮世草子
- 使い方
- 意味
浮世絵
- 使い方
- 意味
浮世絵の題材には庶民に人気があった美人画や歌舞伎役者が好んで描かれ、時代ごとの町人文化を現代に伝えています。また、葛飾北斎の『富嶽三十六景』や歌川広重の『東海道五十三次』は有名で、海外の画家にも影響を与えています。
浮世(うきよ)を英語で伝えると?
英語にはtransience(一時的な事、無常、はかなさ)という名詞やfleeting(いつか過ぎていく、つかの間の、はかない)という形容詞があります。
これを用いて”transient world、fleeting world”と表現するとより正確に意味が伝わります。
対義語にはenlightment(悟り)やwaking(開眼)がありますが、英語で仏教的な意味を伝えるには概念についての補足説明が必要です。
「浮世」の使われ方と英語表現
- 「浮世」の使われ方として「俗世間や娑婆 」と「元禄時代の庶民生活」の大きく二つに分けられます。
- 浮世を英語で”transient world、fleeting world”と表現すると正確に伝わります。
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浮世(うきよ)が使われている言葉の意味