川柳と俳句と短歌の違いはあるの?
「川柳と俳句と短歌の違いはあるの?」と思われる方は少なくないのではないでしょうか。最もわかりやすい川柳と俳句と短歌の違いは文字数の違いです。
- 俳句と川柳は17文字
- 短歌は31文字
「万葉集」は日本で最初に和歌が集成された書物です。
和歌には、五、七、五、七、の音律を3回以上繰り返し、最後に七で括る”長歌”と、五、七、五、七、七の31文字で括る”短歌”の2種類があります。
この短歌の中の冒頭の五、七、五の部分を抜き出したものを”発句”と称しますが、この17文字の発句が俳句・川柳へと発展をしていきます。
【数え方は書く字数ではなく音の数がポイント】
文字数に一番大きな違いがありますが、この文字数を川柳と俳句と短歌では拍数(はくすう)と呼びます。脈拍の”拍”と同義で、字数ではなく音の数として捉えるという意味になります。
また、拍数の数え方では小文字はカウントされません。たとえば、「きゃしゃ」という言葉は小文字が二つ入って四文字ですが、二文字としてカウントします。
ただし、あ行とや行の小文字がカウントされない小文字の対象で、「やっぱり」などの小文字の”つ”はカウントします。
すこし複雑な決まりですが、拍数の数え方の基本として理解してください。
萌え袖ちゃん
川柳と俳句と短歌の違いと特徴は
短歌:和語で古代から詠まれて来た31文字の詩歌。
俳句:短歌の発句の部分が独自に進化した17文字の詩歌。季節の言葉(季語)盛り込むことが特徴。
川柳:俳句と同じ17文字で構成されますが、季節を詠み込む必要はなくより自由な発想で表現できる現代風の詩歌。
となります♪
川柳とは
川柳とは、俳句と同じく五、七、五の拍数で構成する短文詩歌です。
俳句と同じく俳諧連歌を起源として現在の川柳に進化しました。和歌の発句部分が独立して俳句となったのに対して、川柳は短歌の下の句である七、七を先に詠み、そのお題に対して上の句を考える「付け句」から発展した文学です。
川柳の歴史
川柳の歴史や発展は江戸時代に求めることができます。
江戸時代中期に「誹風柳多留」(はいふうやなぎだる)という句集が発刊されています。これは、現代風に言えば定期的に刊行される雑誌のようなもので、1765年(明和2年)から1840年(天保11年)まで毎年発刊されていました。
「誹風柳多留」の創始者である柄井川柳の号がそのまま”川柳”の名称となっています。
そして、この「誹風柳多留」が発刊されていた時代の句は「古川柳(こせんりゅう)」と呼ばれています。
基本的なルールや書き方
川柳の基本的なルールや書き方は、音律が五、七、五となります。俳句と同じですが一番大きな違いは季節を表現する季語を詠みこむ必要がない点です。また、文字数に関しても「字余り」や音律をまたぐ「句またぎ」も許されるなど決まりごとに自由度が高いのが特徴です。
江戸時代の頃より、庶民の日常の暮らしや人間関係など、生活に密着した句が滑稽に詠まれて来ています。
そして、現代でも自由な発想の言葉遊びとして親しまれ、様々なテーマで川柳が楽しまれています。
自由な発想で読める川柳の例
自由な発想で楽しまれている川柳の例をいくつかご紹介します。
「効率化 進めて気づく 俺が無駄」
「天職と 言って転職 繰り返す」
「細胞は 働いているが 俺無職」
「インスタに 映えぬ日常 生える草」
「百点の テストを我が子 トイレ置き」
「コンビニで トイレの人と 呼ばれてた」
闇の存在「XXX」
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