鶴の恩返しの教訓とあらすじをご紹介!

鶴の恩返しの教訓とあらすじをご紹介!

日本民話には、助けてもらった鶴が人に恩を返すという「鶴の恩返し」があります。日本人であれば、一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。今回は、「鶴の恩返し」から読み取ることができる教訓と物語のあらすじをご紹介。どんなものなのか一緒に見ていきましょう!

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  1. 1鶴の恩返しとは?
  2. 1.1あらすじ
  3. 1.2作者は?
  4. 1.3夕鶴について
  5. 2鶴の恩返しの教訓は?
  6. 2.1鶴の恩返しは人間の心理を表した民話
  7. 2.2慣れは時に危うい
  8. 2.3身を削る努力には限界がある
  9. 3鶴の恩返しを英語でなんという?

鶴の恩返しとは?

囲炉裏
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鶴の恩返しとは?

鶴の恩返しとは、「罠にかかって苦しんでいた鶴が、心優しい人物に助けられ、その恩を返すために、雪の中、助けた人物の家を訪ねる」という話です。
物語の発祥は、山形や新潟などの北国と考えられていますが、全国にも似たような民話が存在していて、登場人物や内容、結末が違う形で語られているものも存在します。
一般的には、老夫婦や若者が登場しますが、民俗学者として有名な柳田国男が編纂した「全国昔話記録」には「鶴女房」という物語が載っていますので、興味のある人は、一度、読んでみても良いと思いますよ。
また、一説には、唐時代の中国の話「鶴氅裒(かくしょうほう)」が元になっているとも言われていて、若者が鶴を助ける内容になっていますが、原作とされている話では、助けた若者と娘に変身した鶴との結婚、つまり異種婚姻譚として書かれています。

あらすじ

飛ぶタンチョウヅル

あらすじ

鶴の恩返しには、若者が登場する話と、老夫婦が登場する話があります。今回は、若者が登場する話の方をご紹介します。
『あるところに貧しい若者がいました。ある日、山に仕事に行くと、矢が刺さって苦しいそうにしている鶴を見つけます。若者は、鶴の手当をおこない、鶴は元気を取り戻して、一声鳴いてから空へ飛んで行きました。
それから何日か経った吹雪の夜のこと、若者の家に美しい娘が訪ねてきます。若者は、快く娘を迎え入れ、粗末ながらも自分の食べ物を与えて泊めてやりました。
娘は、甲斐甲斐しく若者の身の回りの世話をし、若者は、娘の好意をありがたく思っていました。
すると、娘が「妻にして下さい」と言ってきました。
若者は「自分の生活で精いっぱいだ」と断りますが、娘は「心配しないで、いい考えがあります」と言い、晴れて二人は夫婦になりました。
夫婦になると、娘は、機(はた)を織り始め、「錦を織りますので、その間は決して中を覗かないで下さい」と若者に約束させます。
娘が織った布は、殿様が欲しがるほどの美しさで、若者は、娘に追加で機を織らせました。
しかし、若者は、娘がどのように機を織っているのか気になってしまい、部屋の中を覗いてしまいます。そこには、娘の姿ではなく、やつれてほとんど羽が無くなった鶴が一羽いただけでした。
布を作りあげると、娘は「私はあなたに助けて頂いた鶴です。恩返しのためにここに来ましたが、姿を見られては、もう一緒にいることはかないません」と若者に言います。若者は止めましたが、娘は鶴の姿になり、空高く飛び去ってしまいました。』

作者は?

本を読む女の子
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作者は?

日本全国で語り継がれている「鶴の恩返し」、作者は一体誰なのでしょうか?今私たちが知っている「鶴の恩返し」は、1949年に戯曲作家である木下順二が書いた「夕鶴」を基に語られているので、一応は木下順二ということになるかもしれません。
しかし、元々この話は、新潟に伝わる民話「鶴女房」が基になっているので、正確な作者を把握することは難しいと言っていいでしょう。

夕鶴について

白い着物と扇子

夕鶴について

「夕鶴」とは、戯曲作家の木下順二が書いた物語です。本当の話よりも人間関係、心理描写などが複雑に描かれていることが特徴的な話です。
物語は、下記のような内容になっています。
『百姓の「与ひょう(よひょう)」が、罠にかかってもがいている鶴を助ける所から始まります。助けられた鶴は、「つう」という娘に変身して、与ひょうの家を訪ねます。
ある日、つうは「機織りをしようと思います。織っている間は部屋を覗かないで下さいね」と言い、見事な織物「鶴の千羽織」を織ると、織物は、すぐに町で評判となりました。
うわさを聞いた「運ず(うんず)」と「惣ど(そうど)」は、さらに織物を持ってくるように与ひょうに言います。
与ひょうは、二人に言われるまま、つうに織物を何枚も織らせますが、つうが、機を織っている最中に部屋の中を覗いてしまいます。そこには、自らの羽をむしって織物にしている鶴の姿がありました。
正体を知られたつうは、与ひょうの元を去ってしまいます。』

鶴の恩返しの教訓は?

沢山の?マーク
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鶴の恩返しの教訓は?

鶴の恩返しは、「良いことをすると自分にも何か良いことが返ってくる」という教訓が込められた話と考えられてます。しかしそこには、一筋縄ではいかない複雑な教訓が隠されています。さて、どんな教訓なのか、具体的に見ていきましょう。

鶴の恩返しは人間の心理を表した民話

障子
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鶴の恩返しは人間の心理を表した民話

鶴の恩返しや類似する物語は、心優しい若者が鶴を助けることから始まります。
動物を助ける行為は、本当に優しい人間にしかできないことですよね。
大抵は無視してしまうか、昔であれば、傷ついた動物を家に持ち帰り、食糧としてしまうことも考えられます。
だからこそ、鶴は、娘に変身してまで若者に恩を返しに行ったのです。
しかし、そのような優しい心を持ちながら、娘の「覗かないで下さい」という約束を守ることができなかったがために、娘は鶴に戻って空に帰って行くのです。
鶴の恩返しには、「優しさ」と「愚かさ」の両方を持った人間の容易でない複雑な心理が現れていると言えます。

慣れは時に危うい

家事をする女性
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慣れは時に危うい

若者の優しさに心を打たれ、恩返しをする娘。家事炊事など、身の回りのことを何でもしてくれる娘に、若者はとても感謝します。
しかし、これを長いこと続けていたら、それが当たり前になってしまいます。美しい織物を作ってくれたことにも、それが売れてお金が沢山入ってきたことにもそれが当たり前になると、感謝の気持ちは薄らいでしまいます。
鶴の恩返しは、「慣れは時に危うい」ということを教えてくれています。

身を削る努力には限界がある

ランプと少女
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身を削る努力には限界がある

娘は布を織るために、鶴である自分の羽をむしって機を織ります。自らの身を削ってまで、若者のために働く娘。とてもいじらしく、健気な話に聞こえますよね。
しかし、若者は、布が売れると次を要求してきます。毎日これを繰り返していると、鶴の羽が無くなってしまい、死ぬまで機を織り続けなければなりません。
また、いくら恩のある若者のためだからと言って働いても、命を落としてしまっては、助けた若者の行為自体が無駄になってしまいます。
最終的に、娘は鶴と知られて空に帰っていき、若者も悲しい思いをしますが、両者にとって最善の結末であったのかもしれません。
鶴の恩返しの教訓のひとつは、「自分の身を削るような努力には限界がある」ということなのです。

鶴の恩返しを英語でなんという?

英語の書かれた黒板
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鶴の恩返しを英語で何という?

鶴の恩返しをはじめ、数多くの日本民話が英語に訳され多くの人に読まれています。鶴の恩返しは英語で、「The Crane of Gratitude」と言います。「Crane」は鶴、「Gratitude」は感謝を意味します。他にも、「The Grateful Crane」など色々な表現があります。

鶴の恩返しの教訓とあらすじ!まとめ

  • 鶴の恩返しとは、優しい若者(もしくはおじいさん)に助けられた鶴が、恩返しをする物語
  • 我々が知っている鶴の恩返しは、「夕鶴」を基に読みやすく改編されたもの
  • 鶴の恩返しは、「慣れは時に危うい」「身を削る努力には限界がある」という教訓を伝えている
  • 鶴の恩返しは、英語で「The Crane of Gratitude」や「The Grateful Crane」と訳されており、世界中で読まれている
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