丹前とはどんな着物?どてらとの違いや男前な着方を紹介!

丹前とはどんな着物?どてらとの違いや男前な着方を紹介!

この記事では、丹前の意味やお洒落な着方などをご紹介していきます。丹前は主に昔の父親が愛用していた防寒着でしたが、近年は家庭から姿を消しつつあります。そのため、丹前を知らない若者が増えているようです。冬の温泉旅館で見かけることもありますので、参考にしてください。

この記事には広告が含まれます。

コンテンツ [表示]

  1. 1丹前とはどのような着物なのか?特徴と由来を紹介!
  2. 1.1丹前の特徴とは?
  3. 1.2丹前の由来はどこにある?
  4. 2丹前とどてらの違いとは?
  5. 2.1どてらとはどんな着物なのか?
  6. 2.2丹前とどてらは何が違う?
  7. 3丹前の賢い着方とは?おすすめの着こなし方を紹介!
  8. 3.1丹前の着方をわかりやすく解説
  9. 3.2丹前を着る時にはマナーにも注意しよう
  10. 4丹前を着こなそう

丹前とはどのような着物なのか?特徴と由来を紹介!

丹前とはどのような着物なのか?特徴と由来を紹介!

丹前とは、一昔前に普通の家庭でよく着られていた、着物の防寒着を意味します。先祖代々受け継がれている家では、丹前が箪笥に眠っている可能性もありますね。しかし、若い人しかいない家庭では、「丹前という名前すら聞いたことがない」という人も多いでしょう。

丹前は温泉旅館でよく見かけますが、本来はお風呂上りなどでくつろぎたい時に重宝する家庭着です。ここからは温泉旅館などで困らないために、丹前の着方やマナーをご紹介していきますので参考にしてください。

丹前の特徴とは?

丹前の特徴とは?

丹前は、冬を暖かく過ごすための着物を意味します。昔は男性用の着物として認識されており、どこの家庭でも父親が愛用していました。

丹前は、一般的にウール地の厚めの生地で、裏地のない単もので仕立てられています。また、丹前の長さはほぼ身長と同じくらいで、はしょりがないのが特徴です。

丹前の由来はどこにある?

丹前の由来はどこにある?

丹前の由来は、江戸初期までさかのぼります。当時都会では、垢すりや髪すきを行う湯女(ゆな)風呂が流行っていました。堀丹後守のお屋敷の前にも湯女風呂ができ、名前の「丹」と「前」に位置することから、その店の名を「丹前風呂」としました。

ちなみに、湯女風呂には現代の感覚でいう成人向けのサービスがあったようです。丹前風呂には、とても人気がある看板湯女の「勝山」がいました。粋な格好をした旗本奴の伊達男たちは、勝山の気を引こうと頻繁に通います。この男性たちの派手なファッションを、いつのころからか「丹前」と呼ぶようになったといわれています。

丹前とどてらの違いとは?

丹前とよく似た着物に、「どてら」があります。
丹前とどてらの意味の違いを見てみましょう。

どてらとはどんな着物なのか?

どてらとはどんな着物なのか?
Photo byErbs55

どてらとは、一般的に丹前に綿が入った綿入りの長着を意味し、丹前と同様に防寒用の着物です。丹前とどてらは全国に広まっていきましたが、地域によって丹前とどてらの呼び名が変化しています。

関西では、綿が入っているいないに関わらず両方とも「丹前」と呼びます。それに引き換え、関東では綿入りでない防寒着を「丹前」、綿入りの防寒着を「どてら」と呼んでいます。また、北海道や東北地方では用途が変わり、綿入りの袖の付いた寝具を「丹前」と呼んでいます。

つまり、関西では丹前とどれは同じものとされていて、他地域では違いがあるということになります。

丹前とどてらは何が違う?

丹前とどてらの違いは、防寒着の着物に綿が入っているかいないかだけです。着方や用途は変わりません。ただし、関東でいう綿入り仕立てのどてらは、綿が入れられている分丹前よりは大きいものが多いようです。

また、前述したとおり関西では丹前とどてらが同じものを指していたり、違いには地域性があります。

丹前の賢い着方とは?おすすめの着こなし方を紹介!

丹前の賢い着方とは?おすすめの着こなし方を紹介!

温泉街では、冬の外湯めぐりのために丹前を準備している旅館もあります。丹前には正しい着方がありますので、ご紹介しましょう。丹前を上手に着こなして、温泉街での楽しいひと時をお楽しみください。

丹前の着方をわかりやすく解説

丹前の着方をわかりやすく解説
フリー写真素材ぱくたそ

まず基本的な丹前の着方を、順追って詳しく解説いたします。

男性の場合

  1. 丹前を着て衿を首のすぐ後ろに持ってきます。
  2. 左右の衿の長さを身体の前で揃え、最初に右の衿先を左脇へ、次に左の衿先を右脇へ持ってきます。
  3. 左右の衿は首のすぐ下で合わせましょう。
  4. 帯の中心を下腹に合わせ前から後ろへ、後ろから前へと帯を2~3周巻きます。
  5. 前で蝶結びまたは片結びをし、後ろへまわすと出来上がりです。

女性の場合
丹前の衿を首から少し離すことと、帯を前で蝶結びすること以外は男性と同じです。

丹前を着る時にはマナーにも注意しよう

丹前を着る時にはマナーにも注意しよう
フリー写真素材ぱくたそ

丹前は浴衣の上に重ねて着るものです。下着の上に丹前だけを着たり、湯上りに丹前を羽織ったりして帯を締めないのは、マナー違反です。

最近、丹前を着用せず浴衣の上からコートやジャケットを直接着て、温泉街を歩いている人を時々見かけますね。浴衣の場合は丹前や羽織を着用しましょう。コートやジャケットを着る場合は、洋服に着替えてください。アンバランスな装いは、見た目に良い格好とはいえません。

温泉街で旅館の浴衣や丹前を着て外出することは、マナー違反ではありません。しかし、丹前や帯などを持ち帰るのはNGです。丹前や帯などは旅館から借りているものなので、チェックアウト時に返却する義務があります。

丹前を着こなそう

丹前を着こなそう

男性の丹前のお洒落な着こなしをご紹介します。

  • 帯はお腹に巻くのではなく、お腹と腰骨の中間辺りから少し後ろ上がりに巻いていくとお洒落です。
  • 帯の結び目は、左右のどちらかにずらしましょう。
また、冬の温泉旅館では男女それぞれに、丹前の他に丹前と同じ生地の丈の短い羽織を準備しているところがあります。寒い時は、丹前の上から羽織を着てお出かけください。

丹前とどてらの違いや男前の着方のまとめ

  • 丹前は、着物の防寒着でウールの地の厚めの生地
  • 丹前に綿が入っている綿入り長着の呼び名を、関東ではどてらと呼ぶ
  • 丹前を羽織って帯を締めなかったり、丹前を肌着の上から直接着たりするのはマナー違反

関連記事

アクセスランキング