「桜」は何科の植物?
「桜」は何科?と聞かれると、サクラ科と答える方も多いのではないでしょうか。種類が多い植物なので、サクラ科と思われがちですが、実はサクラ科は存在しません。桜は植物学の分類上で、バラ科サクラ亜科サクラ属の植物です。意外にもバラ科に属する植物なのです。
バラ科の植物は世界中に分布していて、約100属約2000~3000種ほどあるといわれています。イネ科やキク科と同様に、種類が多い植物の一つです。
「桜」がバラ科の植物の理由とは?
桜がなぜバラ科に属して他の何科でもないのか、その理由をご説明していきます。はじめに、バラの原種である野ばらに着目します。原種は世界で約200種類もあるといわれていて、日本に自生する原種ではノイバラが有名です。
写真で見比べてみると、桜とノイバラの見た目が似ていることが分かります。バラといえば花びらが何重にもなっているのが特徴です。しかし元々バラは、原種のノイバラのように花びらが開いていました。環境の変化や品種改良により現在の姿になっています。
ここからは学術上の定義を基に、さらに詳しくご説明していきます。
バラ科の植物の定義
植物が何科に属するのかはある程度定義で決められています。バラ科の定義として、まず挙げられるのが「花びらと花を支える萼(がく)が5枚、おしべが10本もしくは多数」ということです。バラ科の定義からすると、ノイバラと桜、どちらにも当てはまります。
しかし、バラには棘があり、桜には八重桜のように花びらの数が多いものもあります。一見すると別々の特徴を持っていますが、定義上では進化した姿で判断するのではなく、原種を辿れば同じ種類だという考え方です。
最近では技術の進化により、DNA鑑定による植物の分類が行われ始めています。ゲノム解析で植物同士の近縁関係が解明され、科目が再編成されました。バラ科の植物は、ほぼ変更がない結果となっています。バラ科の定義によって分類された桜は、バラと共通の原種から進化したことをDNA鑑定でも裏付けされたと言えます。
桜以外のバラ科の植物は?
「桜」は何科?であるかの理由が判明したところで、桜以外でバラ科に属する植物についてご紹介していきます。
桜以外に何科かわからず、実はバラ科であったと驚く植物はたくさんあります。代表的なものにアーモンド・イチゴ・ウメ・モモ・リンゴなどがあります。私たちがよく目にし、食物として普段口にしているものばかりです。それぞれ草本(そうほん)であったり木本’(もくほん)であったりと、姿が異なる部分もありますが、分類は同じバラ科の植物なのです。バラ科の植物は私たちの身近に存在しています。
女神さま
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「桜」は何科の植物?のまとめ
- 桜は「バラ科」の植物である。
- バラ科の定義は、花びらと花を支える萼(がく)が5枚、おしべが10本もしくは多数である。
- バラ科の定義で分類されていた植物はDNAでも類似している。