メーデーとは?
メーデーとは、5月1日に世界各国で開催される労働者の祭典です。この歴史は100年以上に及び、各地で労働の権利を主張するデモ行進や集会が行われます。
英語の「Mayday」を直訳すると「5月の日」となり、「労働の日」や「労働者の日」と呼ばれます。英語では「Labor Day」や「Labour Day」(レイバー・デイ)とも表記されます。
メーデーの意味と由来
メーデーの由来は古代ローマ時代から続く「五月祭(メーデー)」に由来する祭日です。「五月祭」とは、ヨーロッパ諸国で5月1日に行われる「豊穣の女神に供物をたてまつり、夏の豊穣を祈るお祭り」です。
18世紀後半にイギリスで産業革命が始まり、労働者がデモを起こして権利を主張するようになったことで雇用者と労働者が対立しました。しかし「五月祭」が開かれていた5月1日は双方が休戦に合意し、ともに祝いました。この出来事が今日のメーデー(労働者の日)へと続くこととなったのです。
メーデーが世界に広まったきっかけ
メーデーの日、創設の地はアメリカ・シカゴです。当時アメリカの労働者は1日12時間から14時間働いていました。労働環境を改善しようと労働組合中央組織が立ち上がり、世界初の「ゼネスト」と「デモ行進」を決起し、1886年5月1日に最初のメーデーが開かれました。
しかし2日後の5月3日、デモ行進に参加していた労働者が警察官に射殺された「ヘイマーケット事件」が発生します。5月4日、シカゴのヘイマーケット広場で抗議集会が開かれた際、爆弾事件が発生しました。容疑者は8人逮捕されましたが、事件から6年後の1992年に8人とも無罪だということが判明したものの、すでに5人が死亡していました。
このアメリカで起きた事件を重く見た国際社会の働きかけにより、メーデーが世界各国に広まったのです。
メーデーを祝日としている国もある?
メーデーは労働者の日、又は労働者の祭典とも呼ばれることがあり、労働者の権利を尊重する日として世界各国でメーデーを祝日(休日)としています。国際的な機関によって祝日及び国際デーとして定められているので、80国以上が5月1日を祝日(休日)としています。
【祝日としている国】
- 中国
- ベトナム
- 台湾
- 北朝鮮
- 旧ソ連
- ヨーロッパ大陸諸国
- メキシコ以南のラテンアメリカ諸国の大陸部全国(パナマ、スリナム除く)など
- 日本
- イギリス
- オランダ
- スイス
- デンマーク
- トルコ
- 韓国など
メーデーが日本で祝日にならない理由とは?
メーデーが日本で祝日にならない理由は、大まかに2つ挙げられます。
- ゴールデンウィークという大型連休が5月の1週目にあるため
- 日本には労働者を労う「勤労感謝の日」が制定されているため
緊急時に使う「メーデー」とは全く無関係!
緊急時に使う救難信号の「メーデー」と「Mayday」はまったくの別物です。フランス語の「 m'aider」には「m'(私を)」「aider(助けて)」という意味があり、「メーデー」と発音します。これが元になり、英語の「Mayday」を当てたという説が有力です。イギリスの無線技士が、発音の簡単な英語の「Mayday」を使用したことが始まりといわれています。
メーデーの意味のまとめ
- 「メーデー」は古代ローマ時代から続く「五月祭」にその名を由来する。
- 「メーデー」は世界80カ国以上で祝日と定められている「労働者の日」。
- 日本ではゴールデンウィークや勤労感謝の日があるので「メーデー」は祝日として制定していない。
メーデーとは?