水晶・クリスタル・ガラスってそもそも何?
水晶とクリスタルはともにきれいで誰もが魅了されるような輝きを放っています。水晶といえば英語で「クリスタル」と考える方も多いですが、実際には水晶とクリスタルは似て非なるものといえます。
今回は水晶とクリスタル、さらにガラスの違いについて見ていきましょう。まずは水晶とクリスタル、ガラスの特徴について見ていきます。
水晶とは
水晶はよくクリスタルと間違われますが、実はクリスタルと別物です。水晶は二酸化ケイ素が主成分の石英と呼ばれる鉱物が結晶になるでき方で形成されものを指します。特に日本の場合、古くからの習慣で石英が結晶になったもののうち、透明度が高いものを「水晶」と呼びますが、本来は透明度に関係なく結晶化したものを水晶と呼びます。
ちなみに水晶の中で透明度が高く、紫色のものがアメジストと呼ばれ、宝石加工でよく使われます。ほかにも葬儀や法事などでよく使われる数珠でも水晶製のものが多いです。
クリスタルとは
クリスタルは鉱石などの物質が結晶になったものを指します。英語でクリスタルは「水晶」と訳されがちですが、実は誤解で「結晶」と訳すのが正しいです。後で見ていくようにクリスタルは物質に関係なく結晶になったものを指します。
ガラスとは
ガラスは水晶やクリスタルと異なり、別の物質から人工的に生み出された工業製品です。具体的には石灰石や炭酸ナトリウム、石英を溶かして混ぜ合わせた後に整形し、冷やすでき方で作られます。なおこの際に主成分となるのが二酸化ケイ素で、この点は水晶と同じです。しかし、水晶やクリスタルはそのまま自然現象の中で結晶になる一方で、ガラスは結晶にはなりません。
なお、クリスタルガラスというものがありますが、こちらもクリスタルを連想させるほど無色透明で輝きが強いガラスという意味です。このため本来のクリスタルとは似て非なるものと考えられます。
クリスタルは特定の物を指す言葉ではない!
クリスタルが「結晶」を意味する物質であることはすでに触れましたが、特定の物質に対して使われるわけではありません。
例えば理科の実験でよく使ったミョウバンや食塩の結晶もクリスタルですし、自然の中でも雪の結晶に対して「クリスタル」が使われます。
このように特定の鉱石や物質の結晶に限らず、さまざまな物質の結晶を総称してクリスタルと呼びます。
水晶とガラスの違いは?
水晶とガラスにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは水晶とガラスの違いについて、見分け方を軸に見ていきます。
水晶とガラスの見分け方
水晶とガラスの違いさえ知っていれば、見分け方も簡単に身につけられます。両者の違いは硬さと重さ、外見の3点にあり、これらの点で覚えるのがおすすめです。
硬さ
水晶とガラスの違いで最も分かりやすいのが硬さです。両者では硬さの点ではっきりした違いがあり、水晶の方が硬く、ガラスの方が強度において脆いです。これは水晶の方が原子レベルで規則正しい構造をしているのに対し、ガラスは不規則であることによります。
このため水晶に比べて強度の弱いガラスの方が割れやすく、両者をこすりつけるとガラスの方が傷つきやすくなります。ただ割れたガラスはとても危険ですので注意が必要です。
重さ
水晶とガラスの重さですが、水晶の方が重いです。このため水晶玉がガラスでできている偽物の場合、持ってみると軽く感じます。
しかも水晶の方がガラスに比べると圧倒的に重いため、両者の重さは例えばパワーストーンなどを買うときなどの良い判断基準になります。
外見
水晶もガラスも見た目には無色透明であるため、あまり見分けがつかないように見えます。しかし水晶やガラスを通して髪の毛を見た時、もし髪の毛が2本に見えれば水晶、1本に見えればガラスというふうに、両者の差がはっきりとわかる、とても見分けやすい特徴があります。
水晶・クリスタル・ガラスの違いと見分け方のまとめ
- 水晶は石英が結晶化したもの、クリスタルは物質が結晶化したもの、ガラスは石灰石などから作られたものである。
- クリスタルは特定の物質が結晶化したものではなく、物質に関係なく結晶化したものを指す。
- 水晶とガラスは硬さと重さ、外見で見分ける。硬さは水晶の方が硬く、重さは水晶の方が重い。外見も髪の毛が1本または2本に見えるかで異なる。