クロッチとは何のこと?
ショーツなどでデリケートゾーンにあたる部分、二重に布が縫い付けられている箇所がありますね。
そこをクロッチと言います。
女性が使っているショーツやパンツのほとんどがクロッチ付きパンツであることからもわかるように、クロッチは大きな役割を果たしています。
クロッチの意味はパンツやショーツ等の股部にある二重に補強された部分
下着の股の部分はほとんどが、二重に布を重ねて縫製されています。
クロッチはパンツやショーツなどの股部にある二重に補強された部分です。
クロッチの役割とは?別名は股布・シック部
クロッチは別名、股布やシック部と呼ばれます。
ズボン、及びの股間にある、布地が二重に縫い合わせられた部分のことを指します。
股布(またぬの)とも呼ばれています。
クロッチはデリケートゾーンに直接触れるところに縫い付けられていて、ちょうどIラインと呼ばれる部分を覆うようになっているのが特徴です。
クロッチがショーツに取り入れられるようになったのは19世紀のヨーロッパで、当時流行した乗馬用パンツの股部分を補強するために布を縫い付けたのが始まりとされています。
ズボンやショーツの股の部分に当たる補強目的の布なのでこう呼ばれます。
ちなみにショーツなどの下着はクロッチ、ズボンの股布の場合はシック部と分けられます。
英語で「crotch cloth」と表記され、「人や木の股」と言う意味になります。
関連では、クロッチ部分が割れている下着のことを「オープンクロッチ」とも言います。
クロッチの由来
クロッチの由来は、19世紀のヨーロッパの乗馬用ズボンと言われています。
その後アメリカで、布が入手しにくかった開拓時代初めに、布が弱りやすい部分だけに布を縫製したズボンの「モンキーパンツ」がカウボーイに広まりました。
日本でも明治時代になって、ステテコや男性用タイツ、パッチや猿股などに股布が使用され始めました。
しかし当時の女性は下着を付ける習慣がなかったので、ショーツとして広がったのは戦後の事です。
またクロッチ(그렇지)は韓国語で、「そうでしょ?」 という意味の相槌にも使われます。
クロッチの役割
19世紀のヨーロッパから広がったクロッチですが、適当につけているわけではありません。
特に女性にとって、非常に大切な役割を果たしてくれているのです。
どのような役割があるのか、ここで詳しく見ていきましょう。
クロッチがパンツ等の汚れを予防してくれる
女性はおりものが分泌され、さらに尿なども下着に付きやすく汚れやすいのです。
そのため、クロッチを付けて二重にすると、パンツ等や衣類への汚れを予防してくれます。
特にサニタリーショーツのクロッチ部分は、ナイロンなどの防水効果のある布を使用しているので、突然の生理や、ナプキンから経血が漏れてしまった時でも、ズボンやスカートに沁みるのを防いでくれます。
生理やおりものなど女性とは切っても切り離せない現象なので、クロッチが縫製してあると安心感がありますね。
クロッチがショーツ等の蒸れを予防してくれる
女性でも男性でも、股間は下着と密接しており蒸れやすいものです。
クロッチがあると、ショーツなどの蒸れを予防してくれます。
蒸れるとデリケートゾーンは不快ですし、雑菌や刺激でかゆみなどのトラブルを起こす恐れがあります。
蒸れによるにおいなども気になりますね。
クロッチは、蒸れを予防し、これらのトラブル遠ざけてくれる大切な役割を果たしています。
クロッチがデリケートゾーンの刺激をやわらげる
クロッチの部分はデリケートゾーンの肌に直接あたります。
歩いたり走ったり、股関節を動かすことで肌が生地に擦れてしまう部分です。
クロッチがないと肌を傷めてしまう原因になります。
パンツ、ショーツ類を着用することで肌を守るためにも、きわめて重要な部分といえます。
クロッチがショーツのシック部強度をアップしてくれる
下着の股の部分は、デリケートゾーンと常に密着し、摩擦を起こしやすい部分です。
普通に生活しているだけでも、その部分の強度は弱くなって、最終的に擦り切れてしまいます。
さらに、月経やおりものなどで汚れた時は手洗いしてから洗濯機にかけるので、股の部分の布へのダメージは相当なものです。
普通のショーツでも汚れを予防するための工夫がされていますが、生理中に着用するサニタリーショーツはさらに機能性がアップしています。クロッチ部分がナイロン製になっているなど血液を漏らさないために防水機能が高くなっています。
生理用ナプキンやおりものシートも、股部分に接着し剥がすので、下着の生地が弱くなります。
柔らかい素材が多く、ダメージを受けやすい女性用ショーツは、クロッチを付けて強度をアップさせることにより長持ちするのです。
クロッチが合わない時の対処法
女性下着のほとんどに付いているクロッチですが、人によってはクロッチが合わないこともあります。
ここではクロッチが合わない時の対処法をご紹介します。
- クロッチの位置が合わない
- サイズが合っていない
- クロッチの縫い目が気になる
対処法は、おりものシートを張って肌への刺激を和らげましょう。
- クロッチの生地が肌に合わない
化学繊維で作られた下着を使用すると、かぶれやかゆみを起こしてしまう事もあります。
下着は、肌に優しい生地を選ぶことをおすすめします。
かぶれやかゆみなどの異常があった場合は、下着の使用をやめ、デリケートゾーン専用の市販薬を使用したり、医療機関を受診したりするなど、はやめに対処しましょう。
クロッチが汚れたりカビた時の対処法
クロッチは蒸れやすく雑菌が繁殖しやすいことは前にも説明しました。
汚れが残ったまま超時間放置すると、カビが生える場合があります。
そんな時は、酵素系の漂白剤に付けておくこと。40~60度のお湯を使うとなおカビが落ちやすくなります。また色落ちが気にならない下着の場合、塩素系漂白剤を使用するのも効果的です。
漂白剤でカビを落とした後は、エタノールで消毒するとOK。その後洗濯機に入れてください。
洗濯後は十分に乾かしてから、タンスに収納しましょう。
クロッチを清潔にキープするためのお手入れ方法
汚れやすいクロッチを清潔にキープするにはどうしたらよいのでしょうか?
①まず、汚れをしっかり落とすために、洗濯の前にクロッチを手洗いしましょう。
冷たい水ではなく、40度ほどのぬるま湯を使うとOK。
少量の洗剤を溶いたぬるま湯にしばらく漬け置きしても汚れが取りやすくなります。
②時々除菌をするために漂白剤を使用しましょう。
色付きの下着なら酵素系、気にならないなら塩素系がおすすめです。
③洗濯の後は、よく乾燥させて雑菌やカビが繁殖しないように心がけましょう。
4さらに、普段からおりものシートを利用して、クロッチ部分の汚れの付着を防ぐことができます。
おりものシートは取り外しができるので、常に清潔に保つことができます。
股布がないショーツについて
クロッチが付いた下着は多く流通していますが、中には股布が付いていないショーツもあります。
見た目にこだわった下着や、縫い目のないシームレス、ふんどしパンツなどが挙げられます。
特にシームレスは、縫い目が無いので、肌への刺激が気になる人におすすめです。
肌にぴったりくっつく衣類を履いても、ショーツの跡が見えないのも特徴です。
厚みもないのでスッキリと履くことができます。
汚れが気になる場合は、おりものシートを使用すると問題ありません。
ふんどしパンツも、締め付け感がなく就寝時などに使用すると快適です。
股布のないショーツは現在多くの種類が販売されているので、興味のある人はぜひ手に取って確かめてみる事をおすすめします。
クロッチを知って衣類選びに役立てよう
クロッチの特徴を説明してきましたがいかがでしたか?
女性にとって、とても大切な役割を果たしてくれるクロッチの役割を知って、これからの衣類選びに大いに役立てて下さい。
下着について役立つ本
参考価格: 2,200円
クロッチの意味と由来や役割のまとめ
- クロッチはパンツやショーツなどの股部にある二重に補強された部分の事を指す。
- クロッチには、衣類への汚れを防ぐ・蒸れを防ぐ・シック部の強度を補強するなどの役割がある。
- クロッチにカビが生えたら、漂白剤やエタノールで除菌し洗濯、良く乾かしてから収納すること。
- クロッチは、洗濯前に手洗いする・おりものシートを使用するなどで清潔に保てる。
- 下着にはクロッチのないシームレスやふんどしパンツが存在する。