「若いツバメ」とは？その言葉の意味や由来、使い方を紹介します

「若いツバメ」の意味は、年上女性と年下男性との恋愛関係の中で、年上女性から見た年下の若い男性のことです。昔も今も恋愛に年齢は関係がないはずなのですが、年上の女性と年下の男性の恋愛で年の差に開きがあると、周囲から驚きをもって見られることが多くありました。若いツバメという言葉は当事者が用いることはほとんどなく、主に二人の関係をからかったり面白がったりして周囲から発せられる言葉です。

若いツバメと称せられる年齢差に決まりはありません。恋愛や夫婦の形態として男性が女性よりも年上なのが一般的であった昔は、5歳も年齢が開くと驚きをもって見られていたようです。しかし、現代は恋愛の自由が市民権を得て、恋愛関係にある年下男性との開きが5歳以上あってもそれほど珍しいことではなくなりました。

芸能人の中では、13歳年の差があった小柳ルミ子さんと大澄賢也さん元夫婦、現在ものまねタレントの23歳年の差夫婦Mr．シャチホコさんとみはるさんたちが若いツバメといった言葉のイメージにぴったりでしょう。

「若いツバメ」の言葉が最初に登場したのは、明治時代といわれています。女性解放運動の先駆者である平塚雷鳥へ宛てた年下の恋人である奥村博史の手紙の中に、若いツバメの言葉があります。

平塚雷鳥は5歳離れた奥村博史と恋愛関係にありましたが、彼のことを「弟」と言ったり若いツバメと呼んだりしていたようです。二人の恋愛関係が周囲に知れるとグループで活動していた「青鞜」に不協和音が立ち始めました。そこで奥村博史は平塚雷鳥に手紙を書き、平塚雷鳥との関係を絶つことで青鞜の関係悪化を治める決心をしたようです。

そのときの手紙の文面が「若いツバメは池の平和のために飛び去っていく」というものです。この切ない文面から「若いツバメ」が年下の若い愛人を指す意味として、現在に定着していきました。ちなみに、この恋物語は最終的に夫婦として落ち着いています。

「若いツバメ」という言葉は、年下の男性との恋愛であっても30代女性に用いられることはほとんどありません。イメージ的には、熟女といわれる40歳以上の女性と若い男性との愛人関係で使われることが多いようです。

たとえば、50歳初めの女性のところへ若い男性が出入りしだしたと同時に、女性が急にお洒落したり若作りしたりし始めた場合に「あの男性、若いツバメじゃない？」と噂するときに用いられます。また、年配者の女性が年下男性との恋愛を自慢したくて「私、若いツバメ見つけちゃった」などと言うこともあります。

若いツバメと全く同じ意味を持つ言葉は見当たりませんでしたが、同じようなニュアンスを持つ言葉はあります。たとえば、浮気相手を意味する「間男」や肉体関係がある愛人の「情夫」、女性の収入に頼って暮らす「ジゴロ」女性にもてる美男子の「色男」などです。

若いツバメの逆は、恋愛や夫婦の関係で男性の方が女性よりも年上です。昔は男性が生活費を稼ぎ女性が家庭を守るのが一般的だったので、男性が年上の場合女性との年齢の差があってもそれほど不思議なことではありませんでした。現代でもその風潮は残っており、若いツバメの反対の言葉はないといわれています。

英語では、若いツバメのことを「Toy boy」と言うようですが、直訳すると「おもちゃの少年」という意味になります。年上の女性から見た年の離れた男性は、おもちゃのように楽しく興味を引きつける存在とも取れるし、女性主導の関係とも取れます。米国の歌手 Sinittaのヒット曲「TOY BOY」の歌詞は、若い彼氏に夢中な女性の事を歌っています。

「若いツバメ」は死後ではありませんが、たまに東スポなどの夕刊紙に登場するぐらいで、近年ではあまり耳にすることのない言葉です。20代の若い人は、若いツバメの言葉を知らない人もいるようです。

一昔前までは、女性が年の離れた年下の男性と交際をすると、女性主導の肉体関係が強くイメージされました。しかし現代では、恋愛の多様化に伴い年下の男性と交際や結婚する女性も多く、年下の男性と交際する女性は年齢よりも若く魅力的な人と見られることが多いようです。