因幡の白兎とは?
因幡の白兎とは古事記に登場する日本神話の一つです。ストーリーから教訓や道徳的教えを垣間見ることができるため、これまで絵本やテレビ、漫画など多くのメディアに登場しています。
因幡の白兎は、大国主神(おおくにぬしのかみ)と皮をはがされ苦しんでいる白兎、白兎の皮をはいだワニ、苦しんでいる白兎にひどいいたずらをした大国主神の兄弟たちが登場するストーリーで、短いあらすじの中に知恵と欺き、報復、救援、幸福が織り交ぜられ「因果応報」の世界が表現されています。
ワニについてはサメという説もあり、ストーリーの中にサメが描かれている絵本もたくさんあります。
因幡の白兎の神話を簡単に紹介!
むかし、むかしのお話です。
大国主(おおくにぬし)の神にはたくさんの兄弟(八十神・やそがみ)がいました。
因幡にいる美しい八上比売(やがみひめ)の噂を聞きつけ、求婚するため大国主を含めた兄弟全員で因幡へ出かけていきます。
大国主は優しくおとなしい性格でしたので、列の最後で荷物を持たされ歩いていました。
道中で毛をむしられ苦しんでいる因幡の白うさぎを見つけた八十神は、因幡の白うさぎに「海水につかり風に吹かれると良くなる」とウソを教えます。
因幡の白うさぎが素直に教え通り実行した結果、傷がひどくなり激痛で苦しんでいるところに、大国主が通りかかりました。
大国主は、瀕死の状態である因幡の白うさぎに、なぜこのような無残な姿になったのか尋ねます。
因幡の白うさぎは、大国主にこれまでのいきさつを語りました。
「隠岐ノ島に住んでいたのだけれど本土の因幡に渡りたかったので、知恵を働かせワニにこのように言いました。」
「私とあなたとどちらの仲間が多いか競争しよう。隠岐ノ島から気多岬まで一列に並んだら、私が背中に乗って数えます。そうすればどちらの仲間が多いかわかるでしょう。」
「ワニは仲間を連れてきて一列に並んでくれたので、ワニの背中を踏んで気多岬まできたのですが、あと一歩で陸地に足が届くというところで気がゆるみ『本当は隠岐ノ島から気多岬へ渡るのが目的だった』と口を滑らしたのです。」
「ワニは憤慨し私を捕まえて、私の毛をむしりとりました。」
「つらく苦しんでいるところへ八十神たちがきて、言われた通り海水につかって風に当たったところ、前よりもひどくなり激痛が走って苦しんでいる。」
因幡の白うさぎの話を一通り聞き終えると、大国主はこのように教えてあげます。
「川の水で体を洗いなさい。次に蒲(がま)の穂の粉を身体につけると皮膚は回復し毛も生えてきます。」
大国主の言葉通りに実践した因幡の白うさぎは、「あなたが八上比売と結婚します」と予言します。予言は的中し実際に大国主は八上比売と結婚しました。
実は、因幡の白兎は普通の兎ではなく、神のパワーを宿した兎だったと伝えられています。
現在、大国主神は出雲大社や大神神社の祭神で、医療の神様として名高いです。
また、蒲の穂の粉は止血やすり傷などに効くとされており、現代でも漢方薬として売られています。
因幡の白兎の神話に縁の場所は?
因幡の白兎の神話に縁の場所は、鳥取県東部や島根県出雲市です。
因幡の白兎の神話に出てくる因幡とは、現在の場所でいえば鳥取県東部に当たり、気多岬とは鳥取市付近に当たります。ストーリーの中で因幡の白兎は現在の隠岐ノ島に住んでいましたが、鳥取付近までワニの背中に乗って渡ってきたことになります。昔中国地方ではサメのことを「ワニ」と呼んでいたことや広い海でのできごとを考えると、因幡の白兎に登場するワニはサメではないかといわれているのも納得できる話です。
また、因幡の白兎の主人公である大国主は神社に縁が深く、島根県出雲市の神社である出雲大社の祭神として祀られていますので、島根県出雲市は因幡の白兎と縁が深い場所といえます。
因幡の白兎の教訓とは?
因幡の白兎のあらすじから読み取れる教訓はたくさんあります。
- 因幡の白兎は、ワニをあざむいて毛をむしりとられるというつらい目に合いました。
- 因幡の白兎は、目的を達成する寸前で成功を逃がしました。
- 大国主は、因幡の白兎を助けたことで八上比売と結婚することができました。
- 因幡の白兎にひどい意地悪をした八十神は、八上比売と結婚できませんでした。
因幡の白兎を英語で何と言う?
因幡の白兎は、英語で「Hare of Inaba」と言います。
英語の Hare は、野うさぎのことです。
または、日本語をそのまま「Inaba no Siro Usagi」と英語に訳す場合もあります。
ちなみに、「因幡の白兎は出雲神話の一つ」を英語で言うと、
「Inaba no Siro Usagi is one of Izumo mythologies.」です。
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因幡の白兎のあらすじと教訓!のまとめ
- 因幡の白兎は古事記の中の日本神話で、あらすじから道徳や教訓が見えてきます。
- 因幡の白兎のストーリーは、因果応報の意味を具体的に示しています。
- 因幡の白兎の登場人物である大国主神は、出雲大社や大神神社の祭神です。
因幡の白兎とは?