竹取物語の「竹取の翁」の名前は?冒頭部分の意味を解説!

竹取物語の「竹取の翁」の名前は?冒頭部分の意味を解説!

かぐや姫で有名な竹取物語。小さい頃に一度は読んだことがあるという人は多いのではないでしょうか。その中の竹取の翁とは竹の中で美しいかぐや姫を見つけ、そして育ての親となる人物のことです。ここでは竹取の翁が登場する原文の冒頭部分を見ながら解説していきます。

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  1. 1竹取物語とは
  2. 1.1竹取物語のストーリー
  3. 2冒頭に出てくる「竹取の翁」とは?
  4. 2.1竹取の翁の名前
  5. 2.2竹取の翁の年齢は?
  6. 3竹取の翁が登場する冒頭の意味を解説!
  7. 3.1冒頭部分の原文
  8. 3.2言葉や語の意味
  9. 3.3竹取物語の冒頭部分を訳すと?

竹取物語とは

まっすぐと高く伸びた竹林が広がっている画像
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竹取物語とは

竹取の翁が登場する竹取物語は、平安時代の初めに書かれた、日本で最も古い物語です。9世紀後半から10世紀前半頃に成立したといわれていますが、正確な年や作者はわかっていません。
紫式部の『源氏物語』にも竹取物語は登場していて、「物語の出(い)で来(き)はじめの祖(おや)なる竹取の翁」と記されています。その頃からすでに仮名(かな)で書かれた物語の初期の作品とみなされていました。
構成は「かぐや姫の生い立ち」「5人の貴公子と帝の求婚」「かぐや姫の昇天」の三部となっています。
現代では『かぐや姫』の題名で絵本や映画などでも広く知られ、1000年以上が経つ現在でも変わらず愛され続けている物語です。

竹取物語のストーリー

静かな森の前の草原で物語を読む女性の画像
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竹取物語のストーリー

竹取物語のストーリーは以下の通りです。
昔、竹取の翁という者が光る竹の中に小さくてかわいい女の子を見つけ、かぐや姫と名付けました。やがて美しく育ったかぐや姫に5人の貴公子が熱心に求婚しますが、無理難題を押しつけて退けます。さらに、美しいかぐや姫の噂を聞きつけた帝までもがかぐや姫に会おうとしますが、それさえも拒むのでした。
ある日翁は泣いているかぐや姫から、自分は月の都の人間で十五日には迎えが来て月に帰らなければならないと告げられました。それを聞いた帝が兵士を使って阻止しようと試みますが、月からの迎えが来ると不思議な力で戦う気をそがれてしまいます。
やがて天の羽衣をまとったかぐや姫は、これまでの地球でのことを忘れ月の世界へと帰っていきました。
かぐや姫は別れ際に、お世話になった両親と帝に手紙と不死の薬を渡しました。しかし帝は「かぐや姫がいないのに不死の薬など持っていても仕方がない」と、天に最も近い高い山で燃やしました。後にこの山は「ふしの山」、富士山と呼ばれるようになりました。

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冒頭に出てくる「竹取の翁」とは?

竹林の竹をズームアップして竹がよく見える画像
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冒頭に出てくる「竹取の翁」とは?

「今は昔竹取の翁といふものありけり」で知られる竹取物語の冒頭部分で出てくる竹取の翁とは?
かぐや姫を見つけ育てた竹取の翁とは具体的にどのような人物だったのでしょうか?名前や年齢を詳しく見ていきましょう。

竹取の翁の名前

赤、青、灰色のカード吊り下げ型のネームプレート
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竹取の翁の名前

物語の冒頭に「今は昔、竹取翁といふものありけり」そして名をば、さぬきのとなむいひける」とありますので、竹取の翁の名前は「さぬきの造(みやつこ)」ということになります。
讃岐村の村長という意味という説と、宮つ子という宮廷に仕えていた今でいう公務員のような人という説があります。しかし竹取の職業は身分が低かったようです。

竹取の翁の年齢は?

頭の中で考えているふわふわの吹き出しに電球が入っている画像
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竹取の翁の年齢は?

竹取の翁の年齢は70歳と50歳という説があります。
物語の中でまず、かぐや姫に結婚を促す時に「翁、年七十に余りぬ。今日とも明日とも知らず。」とあります。現代語に訳すと「わしも七十歳を越えた。いつまでの命かわからない。」と言っているのです。
しかし後半になり、かぐや姫が月に帰ってしまうと知って嘆き悲しんでいる翁の様子を、帝の使者がこう表しています。「翁、今年は五十ばかりなりけれども、物思ひには、かた時になむ、老いになりにけると見ゆ。」これは「翁は今年で五十ばかりであったけれども、かぐや姫と別れる心の苦しみのあまり瞬時に老け込んでしまったように見える。」という意味です。
このように原文の中で70歳と50歳という矛盾した記述があります。しかし平安時代では今よりも平均寿命が短く、40歳で長寿の祝いが行われていました。そのため、50歳の説が有力とされています。

 

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竹取の翁が登場する冒頭の意味を解説!

外の光に当たる分厚い本がパラパラとめくれている画像
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竹取の翁が登場する冒頭の意味を解説!

「今は昔竹取の翁といふものありけり」から始まる竹取物語の有名な冒頭文を学生時代に暗記した人もいるのではないでしょうか。ここでは竹取の翁が登場する冒頭の意味を解説します。

冒頭部分の原文

古くて分厚い本が開かれている様子の一部画像
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冒頭部分の原文

竹取物語の冒頭部分の原文は以下の通りです。

今は昔(むかし)、竹取(たけとり)の翁(おきな)といふ(いう)者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造(みやつこ)となむ(なん)いひける(いいける)。
 その竹の中に、もと光る竹なむ一すぢ(ひとすじ)ありける。あやしがりて、寄りて見るに、つつの中(なか)光たり(ひかりたり)。それを見れば、三寸(さんすん)ばかりなる人、いとうつくしう(しゅう)て ゐたり(いたり)。

言葉や語の意味

紫色のアロマグッズと共に用意されたメモ帳とペンの画像
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言葉や語の意味

  • 「翁」→男の老人、おじいさん
  • 「野山にまじりて竹を取りつつ」→野山に分け行って竹を取っては
  • 「よろづの」→色々な
  • 「なむ~ける」→強調するための係り結び
  • 「もと光る」→根元が光る
  • 「あやしがりて」→不思議に思って
  • 「三寸」→約9cm(一寸は約3cm)
  • 「いと」→とても
  • 「うつくしう」→かわいらしい
  • 「ゐたり」→座っていた

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竹取物語の冒頭部分を訳すと?

花瓶の花の前にあるコーヒーと本と眼鏡の画像
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竹取物語の冒頭部分を訳すと?

原文を現代語訳すると以下のようになります。

「今となっては昔のことですが、竹取の翁というおじいさんがいました。野山に入って竹を取り、色々な物を作って暮らしていました。その名前をさぬきのみやつこといいました。ある日、その竹の中に根元が光る竹を一本見つけました。不思議に思って近寄ってみると、竹筒の中から光っています。竹を切って中を見てみると、9cmくらいの人がとてもかわいらしく座っていました。」

やがて美しいかぐや姫となる女の子を竹取の翁が育てていくお話は、こうして始まっているのですね。

竹取物語の「竹取の翁」の名前とは?のまとめ

  • 竹取の翁の名前は「さぬきのみやつこ」です。
  • 竹取の翁の年齢は50歳が有力とされています。
  • 竹を取って生活していたおじいさんがかぐや姫を見つけて育てました。

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