着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)の違いとは?絣・紬とは何か?

着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)の違いとは?絣・紬とは何か?

日本の伝統衣装「着物」、美しい柄や色に憧れますよね。その着物には「絣(かすり)」と「紬(つむぎ)」という言葉があります。どちらも着物を表す言葉なのですが、その違いはよく分かりませんよね?今回は、絣と紬の意味の違いを、詳しくご紹介していきます。

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  1. 1着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)の違いとは?
  2. 2絣の着物/絣糸の意味について
  3. 2.1絣は着物の柄を表す言葉
  4. 3紬(つむぎ)とは
  5. 3.1紬は着物の生地を表す言葉
  6. 4なぜ着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)は混同されやすいのか

着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)の違いとは?

機織り機

着物の絣と紬の違いとは?

(かすり)と紬(つむぎ)といえば日本の伝統的な着物として知られています。着物には、織の着物と染の着物があり、織の着物は染めた糸を織ったもの、染の着物は織った後の布に絵を描いたり染色したりするものです。特に、絣と紬は、織の着物の代表格です。

この「絣(かすり)」と「紬(つむぎ)」は着物を扱う時などによく耳にする言葉ですが、二つには違いがあります。とは言え「違いがよく分からない」と言う人も多いのではないでしょうか。実は、絣は「着物の柄」、紬は「着物の生地」を表す言葉で、そのため、同じものとして扱うことができないのです。

絣の着物/絣糸の意味について

絣の機織り機

絣の着物/絣糸の意味について

絣の着物とは、絣糸(かすりいと)で柄を出した着物のことです。色が付かないようにあらかじめ防染して染め分けた糸を、機織り機で使う経糸(たていと)と緯糸(よこいと)、もしくは両方に使用して織り上げて出した柄のことです。

防染とは、柄によって白くする部分を固くくくったり、板に挟んだりすることです。絣はインドから伝来された技術と言われ、江戸後期に日本各地で量産されました。特に、伊予絣・久留米絣・備後絣は日本三大絣と呼ばれています。

明治から戦後まで普段着として重宝され、戦時中にはもんぺ(作業時に履く女性用の衣服)として利用されました。現在では、ネクタイやカバンなどファッション小物などに絣が利用されています。

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絣は着物の柄を表す言葉

絣の布

絣は着物の柄を表す言葉

絣とは、技法や柄そのものを表す言葉です。そのため、生地の絣というものはありません。また、絣は「柄の入った着物」と説明しましたが、絣糸を使用せず、出来上がった生地に後染めされたものは絣とは呼びません。防染処理された絣糸を使用して織ったものだけを絣と呼びます。

さらに、絣は「かすれた柄」が入った着物と認識されていますがこれも誤解です。絣糸で柄を出しながら織っていくと、輪郭がぼやけてかすれたように仕上がるので絣と言われますが、あくまで絣糸を使用していることが前提です。「かすれた柄」を後から入れても絣の着物ではないのです。ちなみに絣の着物の布地は、絹や木綿、麻などさまざまです。

紬(つむぎ)とは

繭

紬(つむぎ)とは

紬とは、紬糸(つむぎいと)で平織した布(絹織物)のこと、もしくは、紬の織物で縫製された和服自体を指すこともあります。紬糸とは、生糸(きいと)を取り出せない、くず繭や玉繭(たままゆ・2匹以上の蚕が一緒作ったひとつの繭)、穴あき繭、汚染繭などの下級繭を潰して真綿にし、手で紡ぎ出した糸です。

紬の中でも大島紬などは、世界で一番緻密な作業を行う織物とも言われるほど高い技術が必要とされています。繭から繰り出された糸は、撚り(より)をかけられている(ねじり合わせられている)ので丈夫に仕上がります。「腕に撚りをかける」という言葉がありますが、それはここから来ているのです。

この後紬糸は、植物などで色とりどりに染められていきます。この糸で作られた織物は、本繭から作られた光沢ある布とは違い、より柔らかな光沢を放ち、表面にぽつぽつと小さなコブのある、渋く深みのある味わいが特徴です。

また、丈夫な糸で織るので、織りたての生地は非常に硬く着始めは少しゴワゴワしているかもしれません。しかし、耐久性に優れ、昔から野良着などとして着用されていました。着れば着るほど肌に馴染み柔らかくなっていく着物です。保湿性、吸湿性さらには保温性の高い真綿の布は、軽くて暖かい生地でもあります。現在では、おしゃれ着や外出着の他にも、略礼装程度の装いに用いられています。

紬には、大島紬・結城紬・米沢紬・上田紬・久米島紬などの種類があり、さまざまな地域で作られており、その産地によって特色があります。

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紬は着物の生地を表す言葉

遠州紬

紬は着物の生地を表す言葉

紬とは、紬糸を使って織られた生地そのものを意味します。基本的に絹織物として認識されていますが、実は、麻や木綿、芭蕉(バショウ科の多年草で、採取した繊維を使って布を織ります。)、紙などいろいろな種類の材料が使われている場合もあります。紬とは「紡いだ糸」から作られる全ての織物を指す言葉でもあるのです。

なぜ着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)は混同されやすいのか

着物姿の女性
フリー写真素材ぱくたそ

なぜ着物の絣(かすり)と紬(つむぎ)は混同されやすいのか

絣は柄、紬は生地を表す言葉だと説明しました。しかし、絣と紬はよく同じものだと混同されやすいのです。なぜなのでしょうか?絣は柄を出すために使用される絣糸によって織られた「柄」のことです。この柄が入っている着物自体を絣と呼んでしまっています。つまり、紬であっても柄が入っていれば絣と呼ぶこともあるのです。

もともとは別の意味のものが、作られる過程や着物に関しての知識が不足しているために、混同しやすくなったのです。

また、「絣=かすれた柄」と誤解している人も多くいます。さらに、製作者側の意図によって、絣(柄に力を入れた着物)か紬(生地に力を入れた着物)を使い分けラベル表示することがあるので、知識のない人はその情報を鵜呑みにしてしまうこともあるのです。しかし、実際には違いが分からなくても、着物に関する用語には曖昧なものが多いのであまり気にする必要はありません。

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絣(かすり)と紬(つむぎ)の違い

  • 絣(かすり)とは、防染した絣糸を使用して出した柄のことを言います。紬の布に後から絣の柄を入れたものも「絣の着物」と呼ばれますが、基本的に「柄」と「技法」を指す言葉です。
  • 紬(つむぎ)とは、真綿から紡ぎ出した糸から織り上げた生地のことを言います。基本的に絹織物を意味しますが、麻や木綿、芭蕉などのさまざまな種類の材料を使う場合もあります。
  • 絣と紬が混同されやすいのは、かすれた柄が入った着物を全て絣の着物と呼んでいるところにあります。種類としては紬に分類されているものを、作る過程を知らないため混同しているのです。
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