ビンロウとは?
ビンロウと聞いて、何を思い浮かべますか?東南アジアを旅したことがある人ならピンとくるかもしれませんが、そうじゃない人にとっては「??」ですね。ビンロウとは、一言で言えば「噛みタバコに似た一種の嗜好品」です。
ビンロウ(檳榔、学名:Areca catechu)は、太平洋・アジアおよび東アフリカの一部で見られるヤシ科の植物。種子は嗜好品として、噛みタバコに似た使われ方をされ、ビンロウジ(檳榔子、areca nut / betel nut)という場合は通常この種子を指す。
引用元:ウィキペディア
ビンロウは東南アジアではかなりメジャーで、
- タイでは「キンマ」
- インドでは「パーン」
- ミャンマーでは「コンヤー」
見た目はヤシの木なのに身が小さくて赤かったら「ビンロウ」だと思って間違いないでしょう。
噛みタバコと呼ばれる理由
ビンロウは、噛みタバコのように噛んで唾液を吐き出すものです。
「台湾のガムだ」などと表現する方もいるようですが、あながち誤りではありません。
ガムのように飲み込むこと無く口の中でくちゃくちゃ噛み、繊維質になってきたら唾液とともに吐き出すのがビンロウの嗜(たしな)み方なのです。
台湾ではビンロウを噛むことによって出た唾液や噛んだ後に残る繊維質を「廢棄物清理法」という法律でビンロウ を道路に吐き捨てることは禁止されています。
檳榔の食べ方はシンプルです。
檳榔ショップで購入したらそのまま口に含んで噛めばOK!
檳榔を噛んでいると檳榔の赤い汁が出てきます。
赤い汁と檳榔は飲み込まずに吐き捨てるのが正式。
檳榔ショップで購入すると檳榔を吐き出すための紙コップがもらえます。
赤い汁を道端に吐き出すと罰金となりますので、この紙コップに吐き出すことが合法的なエチケットとなります。
ビンロウはどんな味がするの?
気になるのがビンロウのお味ですが、結論から言うとビンロウは非常に不味いものです。
とくに最初は、こんなものを噛む人の気がしれないと思うような代物です。
その味をたとえるなら、渋柿のような、しっかりアク抜きされていない山菜のような、口に入れたとたん「渋い!」「えぐい!」と叫びたくなるような、そんなお味です。
しかし、タバコと同じで慣れると病みつきになるのでしょうね。それが嗜好品の嗜好品たるゆえんです。
ビンロウガールも実在。ビンロウは台湾で普通に販売されている
味についてはとても美味しいとは言えないビンロウですが、台湾では普通に販売されています。
その販売方法が一風変わっていて、どこも「ガラス張りの店舗」で売られているのです。
ビンロウ売りの女性を台湾ではビンロウガールと呼んでいますが、その女性を外から見られるようにする仕掛けです。
ビンロウ を購入するのはほぼ男性。特に建設業者などの肉体労働者やバスやトラックなどの運転手が日常的に愛用している傾向とのこと。男性の購買意欲をそそるためにビンロウ ガールはセクシーな若くて美しい女性であり、ミニスカート&ピンヒールなどと言った格好でお店に立っています。しかし、ここ最近は実際ビンロウを販売しているのはアラフォーをとっくに超えてるであろうおばさまの事もあったりします。
ビンロウは台北の街中でも普通に購入可能です。
お値段は1箱12個入りで100元(約350円)ほどです。6個入りもあります。
嗜好品としてはお安く手に入ります。
ビンロウというと日本人には台湾、とくに台北が有名ですが、実は東南アジアの方が「ビンロウ人口」は多いと言います。
また、都会よりも田舎にビンロウを好む人が多く、タイでも例えばバンコクやチェンマイの街中よりも、ミャンマーに程近いメイサイ辺りの方がビンロウ改めキンマ人口は断然多くなります。
露出の激しいセクシー美女が売り子がいたらビンロウガールの可能性が大きいです。
ビンロウを日本に持ち込むことはできる?
日本では滅多にお目にかからないビンロウなので、「友達へのお土産にしたい。」「ビンロウにハマった!日本に帰ってもビンロウを噛み続けたい!」と言う方もいらっしゃる事でしょう。
しかし、残念ながら台湾の檳榔(ビンロウ)を日本に持ち込むことはできません。
その理由は、みかんコバエという農作物に甚大な被害を及ぼす害虫がついているかもしれないからです。決して麻薬扱いをされてるからではありません。
噛みタバコになる生のビンロウの持ち込みは禁止ですが、ミカンコバエに感染してない乾燥したビンロウであれば、持ち込みも可能です。日本での販売については後の項目で詳しく説明します。
生か乾燥かは微妙な点もあるでしょうから、本当に大丈夫なの?と思われる方は、日本に持ち込みをする前に検疫で問い合わせてみると安心できますね。
日本では18歳未満がビンロウ噛むことは法律違反。日本での販売は処罰対象
18歳未満でビンロウを噛むことは「児童及び少年の福利・権益保障法」という法律で禁じられています。
18歳未満の者が同法に違反してビンロウを噛んだ場合、噛んだ本人や親権者には処罰は与えられず、ビンロウを提供(即ち販売)した者が罰金に処せられる仕組みとなっています。
日本ではビンロウ売りは逮捕されます!
日本では生のビンロウは輸入禁止なので、もちろん販売も禁止です。しかし、乾燥され製品化されたビンロウはAMAZONでも販売されており、購入するのも使うのも違法ではありません。
ビンロウの成分が入った男性用サプリメントも通販で販売されています。
ただし、一つ気をつけておきたいのがビンロウ椰子には発がん性があると言う情報です。
「国際がん研究機関(IARC)はヒトに対して発癌性(主に喉頭ガンの危険性)を示すことを認めている。」(ウィキペディアより)
これもなにかタバコと似ていますね。
ビンロウ(檳榔)のまとめ
- ビンロウは東南アジアでは比較的メジャーな「噛みタバコ」のような嗜好品
- ビンロウの味は決して美味しいものではないが、ニコチンに似た作用がある
- ビンロウ は台北ではガラス張りの店舗。ビンロウ売りは購入者がほとんど男性ってことで、売上アップを狙って、露出の激しいセクシー美女が売り子をする文化がある。
ビンロウ ガールと呼ばれる女性によって売られている事が多い。 - 生のビンロウ の日本への持ち込みは禁止されている
ビンロウ椰子