八角とはどんな調味料?
八角はどういったスパイスなのでしょうか?味や香りの特徴や、八角が使われた代表的な料理をご紹介します。
八角はトウシキミの実を乾燥させたもの
八角はトウシキミ(唐樒)の実を乾燥させたもので、乾燥する前は赤褐色をしています。トウシキミは中国南部、ベトナム北部の国境あたりに自生する植物ですが、現在は八角を取るためにより広い地域で栽培されています。
日本には近縁であるシキミが自生し、アメリカではイエローアニスが自生しています。この2つの実は八角と形は似ていますが、毒性があるため食用には向きません。
八角の他の呼び名は?
八角は八角茴香(ハッカクウイキョウ)とも呼ばれます。漢方の生薬としては大茴香(ダイウイキョウ)と呼ばれています。英語ではスターアニスです。
八角はどんな味や匂いがするの?
八角は、シナモンやアニス・フェンネル(ウイキョウ)と似た、甘く強い香りが特徴です。
香りは樟脳(しょうのう)に似た独特の爽やかで刺激的な香りです。ココナッツやバニラのようにただ甘いだけではない、オリエンタルなムードを醸し出します。
味は、ほろ苦さを伴うすっきりとした印象。シナモンよりも苦味・渋味が強く、辛味はありません。そのため油気の強い料理をさっぱりさせ、肉料理・魚料理の臭み消しに利用されます。
八角はスイーツにもよく利用されます。独特のエキゾチックな風味はスイーツに、甘さだけでなく複雑な風味を与えてくれます。特にアニスとは香りが似ているため、ヨーロッパではアニスを使ったスイーツや飲み物に、アニスより香りが強いスターアニスを代用することがあります。
八角はどんな料理に使われる?主な使い方を紹介!
八角は世界中で愛されるスパイスですが、具体的にどのような料理に使われ、どんな味がするのでしょうか?八角を使った料理とスイーツをご紹介します。
中華料理・台湾料理に大活躍!八角を使った主な料理
八角の主な使い方は、肉の臭み抜きや風味付けとして、特に中華料理やその流れをくんだ台湾料理・シンガポール・マレーシアなどの料理に利用されます。
八角を使った代表的な料理には次のようなものがあります。
- 東坡肉(トンポーロー):中華風豚の角煮
- 魯肉飯(ルーローハン):台湾料理。細かく切った豚肉を八角などの香辛料と甘辛く煮込んだご飯のお供
- 肉骨茶(バクテー):シンガポール料理。骨付き豚肉をほろほろになるまで煮込んだ薬膳スープ
八角を使った代表的なスイーツ・飲み物
八角はその甘い匂いから、スイーツにも利用されます。
使い方は八角を削って生地に混ぜたり、可愛らしい見た目を活かして、そのままの形でパウンドケーキや焼き菓子の飾りつけにも使われます。
ヨーロッパでは特にクリスマス時期に販売される「パンデピス」というパウンドケーキの飾りに用いられます。
中華料理・台湾料理では、餡の香りづけに八角を使うことがあります。八角の甘く複雑な香りは餡の濃厚さを引き出し、奥行きを感じる味わいに仕上げてくれるのです。
他にも八角の持つ身体を温める効果から、ワインに果物と八角などのスパイスを入れて煮た「グリューワイン」にも利用されます。グリューワインはパンデピスと共に、北欧のクリスマスを彩る冬の楽しみのひとつなのです。
八角は中華料理に欠かせない!
八角はクセの強い肉や魚の匂いを抑え、オリエンタルな風味付けをするだけでなく、胃腸の調子を整え消化を促してくれます。上手に使えば、こってりした肉料理を身体にも舌にも優しく極上の一品に仕上げてくれる、まさに魔法のスパイス。油を多く使う中華料理には欠かせないスパイスです。
八角には他にもさまざまな効果がありますが、その香りの強さから、利用するときはごく少量であることが多いです。可愛らしい見た目からどんな味なのか、つい食べてみたくなってしまうスパイスですが、飾りに使うときは煮出した後のものを利用するか、食べないように注意を促しましょう。
八角とはどんな調味料なのか?のまとめ
- 八角とは甘くエキゾチックな香りが特徴の香辛料。八角形の星形の形状からスターアニスとも呼ばれる
- 八角はほろ苦さを伴うすっきりとした味わいで、シナモンよりも苦味・渋味が強く、辛味はない
- 八角を使うことで油気の強い料理をさっぱりさせ、クセのある肉や魚の臭み消しに利用される
- 八角を使った代表的な料理は東坡肉・魯肉飯・肉骨茶など。スイーツではパンデピス、飲み物はグリューワインなど。