狐は、農耕神である稲荷神「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」の使いと考えられています。
太陽と雨は農業にとってとても重要な要素ですから、狐の嫁入りがあるときは天気雨になると、昔から信じられてきました。そのことから、天気雨は狐の嫁入りと関連して伝わったと言われています。
悲しい民話説
狐の嫁入りの語源には、悲しい民話が言い伝えられています。
村人は狐を生贄(いけにえ)にして雨を降らそうと考え、狐をあざむいて若い男性のところへ嫁入りさせようとしました。若い男性は狐がかわいそうになり、事実を打ち明け逃がそうとします。ところが、狐は若い男性のことを好きになり人間の娘の姿で生贄になります。そのとき、晴れていた大空から大粒の雨が落ちてきたことから、天気雨を「狐の嫁入り」と呼ぶようになったと言われています。
「狐の嫁入り」は縁起が良い?
前述したように、狐は農耕の神である稲荷神の使いとされています。そこで、「狐の嫁入り」が多く見られる年は豊作が期待できる、縁起の良い吉兆が現れると考えられていました。
特に、京都の豊作に関連した民話には、狐が登場するシーンが数多く残されています。
また、「天気雨」に関連付けて、「虹」も縁起の良い吉兆が現れやすいといわれ、願いが叶いやすく運気上昇に期待する人も多いのです。
「狐の嫁入り」を英語で何と言う?
「狐の嫁入り」を英語にするときは「Kitune no yomeiri」で、日本語をそのままローマ字で表すことができます。
ちなみに、研究社新和英中辞典での英語の解釈は「a shower when the sun is shining」です。
直訳すると「太陽が光り輝いている時のにわか雨」です。
「狐の嫁入り」の意味や由来のまとめ
- 「狐の嫁入り」とは、山中や河川で提灯行列に見える不思議な現象。
- 天気雨は別名「狐の嫁入り」。
- 「狐の嫁入り」を見かけたら縁起がいい言い伝え。