フロイト先生
「悪魔の証明」のわかりやすい例を紹介
悪魔の証明について、身近な例をあげながら具体的にご説明します。
森友問題での安倍総理の発言
「悪魔の証明」の使い方の例として「森友学園」問題があります。
2017年3月、学校法人「森友学園」の国有地売却問題に関して、国会で以下のようなやり取りがありました。
野党議員「森友学園に100万円を寄付していないなら、それを証明してください。」
安倍総理「寄付していないのを証明するのは『悪魔の証明』であり、到底できません。」
同じ日の答弁で、菅義偉官房長官も「ないことを証明することは難しい」と述べています。
「ないことの証明」が難しいのは何故でしょうか?次の例で詳しく見ていきます。
赤いカラスは存在する?
「悪魔の証明」の例として、赤いカラスは存在するかどうかについての議題も紹介します。
「あること(積極的事実)」の証明は、特定の「あること」を一例でも挙げれば済みますが、「ないこと(消極的事実)」の証明には、世界中のありとあらゆるものを調べなければなりません。
例えば、「赤いカラスが存在する」ということを証明したかったら、赤いカラスを一羽でも捕まえることで証明できます。
しかし、「赤いカラスは存在しない」と証明したければ、世界中の全てのカラスを捕まえて、赤色でないことを明らかにしなければなりません。それは不可能に近いことであり、悪魔の証明であると言えます。
DATSUさん
何かが存在しないことを証明するのは難しいんだ。
カンニングを「していない」証明
「悪魔の証明」の例として、人の行動に関する悪魔の証明の例をご説明します。以下は試験を監督していた教師と生徒の会話です。教室には監視カメラなどは設置されていませんでした。
教師「あなた、私が見ていない隙にカンニングしたでしょう?」
生徒「違います!カンニングなんてしていません!」
教師「だったらカンニング『していない』証拠を見せてください。」(悪魔の証明)
生徒「えっ...。」
この場合も赤いカラスの例と同様に、生徒自身が「カンニングしていない」ことを証明するのは事実上不可能です。
対して、教師は自身の仮説を証明したいのであれば、生徒が「カンニングした」という積極的事実の証拠を提示する必要があります。
「悪魔の証明」は難しい哲学用語じゃ。
実際に使い方の例をみて覚えるのといいよ。