腐れ縁の読み方や意味は?
「腐れ縁」は「くされえん」と読みます。「物が腐る・木が腐る」等に使われる腐れ(くされ)は訓読みです。音読みでは「フ」と読み「豆腐」(とうふ)と言う漢字で目にします。漢字を見ると「くさったえん」となってしまい、あまりイメージが良くありません。
「腐れ縁」の意味は「縁が切れない人や関係」「縁を断ち切ろうと思っているのに続いてしまう関係」です。「離れられない」という負のイメージを持ってしまいがちですが、良い意味として使われることが多い言葉でもあります。
腐れ縁の語源
「腐れ縁」の語源は「鎖縁」(くさりえん)と言われています。
「鎖縁」は「切ることが難しい鎖のように強い縁で繋がれている関係」を意味しています。
この「鎖縁」の漢字が同じ「腐り」に変わり「腐れ縁」となりました。
鎖からイメージされる「切れない鎖ぐらい強い縁」という意味は、いつしか良い意味でも使われるようになりました。
腐れ縁の使い方と用例
腐れ縁(くされえん)は、日本語の俗語で、長い間付き合いのある2人の人間が、互いに恋愛感情を抱いていないにもかかわらず、ずっと一緒にいることを表す言葉です。英語でいうところの "platonic relationship" に近い意味合いがあります。
「腐れ」という言葉は、「傷んでいる」「腐っている」といった意味を持ちますが、この場合は「古くからつきあいがある」という意味で使われます。
また、「縁」とは縁結びの縁であり、互いに縁を切らずにずっとつながっているという意味も含まれます。
腐れ縁は、恋愛関係に発展することが少なく、長年の付き合いによる信頼関係や共通の趣味、興味などに基づく深い絆を表しています。また、腐れ縁同士の間には、お互いに強い言葉を使っても傷つけ合わないような特別な信頼関係があることも特徴の一つです。
「腐れ縁」は、幼馴染のような昔からずっと一緒の友人に対してよく使われます。この場合は、お互いの信頼関係もあり「良い意味」だと分かります。
しかし使う相手や、その場の雰囲気などを考慮して使用しないと別の意味に取られ、トラブルの原因にもなってしまいます。腐れ縁の正しい使い方を知って、トラブルにならないようにしましょう。
良い意味の使われ方
解りやすい会話で、良い意味での使われ方を表現しました。腐れ縁の友達が居る人は、さりげない会話の中で使ってみましょう。
チャーリー
ジョー君とは、友達なの?
ボブ
ジョーとは幼稚園以来の腐れ縁さ!
ボブ君は、チャーリー君に「ジョー君とは友達かい?」と聞かれています。
ボブ君は「友達だよ」とは答えず「腐れ縁さ」と答えています。
ボブ君は素直に「友達だ」と答えることに照れて「腐れ縁さ」と答えているようです。
この場合は、ただの友達以上に信頼関係があることも推測できます。
良い意味での使われ方は「特に望んでいた訳では無いが長年同じ時間を過ごし、理解し合っている友人関係である」と言うことを表す時に良く使われます。
他にも「相手を認めている・信頼している」の意味を込めて使われることも多いです。
悪い意味の使われ方
女性の友人との会話で「悪い意味での腐れ縁」表現しています。周りの友達にも、このような人が居るかも知れません。
スケ番
彼氏とは、まだ続いているの?
萌え袖ちゃん
やっと彼氏との腐れ縁を切ったよ!
友達から「彼氏との交際はまだ続いているのか?」と聞かれていますが「別れた」とは言わずに「腐れ縁を切った」と答えています。
この場合、交際を続けてはダメだと分かっている恋人との恋愛関係(腐れ縁)が続いていたが、やっと断ち切ることが出来たの意味になります。
悪い意味のときは「相手のことを良いと思っていない・相手と一緒にいても何のプラスにもならない」と分かっているのに離れることが出来ない、ダラダラと関係を続けてしまう、等のニュアンスで使います。
また別れようと決めていても「別れることが出来ないのは腐れ縁だからだ」と自分を納得させる為に使うことあります。
腐れ縁の類語
腐れ縁は「切りたくても切れない縁が深い状態・離れられない関係がある」等の時に使われますが、腐れ縁では無く他の言い方で表現したい時に使える類語があります。ここでは腐れ縁の類語を2つ紹介します。
悪縁
腐れ縁の類語に「悪縁」(あくえん)があります。悪縁の意味は良くない関係で、良くない関係を清算したくても出来ないときや悪い方向に導く相手に使います。
自分にとってマイナスになると自覚した時「悪縁を断ち切る為にはどうしたらいい?」などと自問自答にも使います。
しがらみ
「しがらみ」は漢字では「柵」と書きます。水の流れをせき止める為に作られる「柵」(さく)のことを表していて「邪魔するもの・引き止める」の意味があります。他にも「まとわり付くもの」の意味もあります。
このように「しがらみ」は絡み付いて逃れられない、歩みを邪魔する・妨げることを表していて「世間のしがらみで前に進めない」などと使います。
「腐れ縁」の語源や正しい使い方まとめ
- 人生の中で多くの人との出会いがありますが「離れたくても離れられない関係」になる人は少なく、その人との良い・悪い関係は自分の人生が大きく変わります。
- 人間関係を見つめ直し、悪い「腐れ縁」には早めに別れを告げると良いでしょう。
- 「腐れ縁」の語源は「鎖縁」(くさりえん)と言われています。
- 良い意味では「特に望んでいた訳では無いが長年同じ時間を過ごし、理解し合っている友人関係である」と使います。
- 悪い意味では「相手のことを良いと思っていない・相手と一緒にいても何のプラスにもならない」と分かっているのに離れることが出来ない、ダラダラと関係を続けてしまう、等のニュアンスで使います。