餞別(せんべつ)の意味とは?
餞別(せんべつ)とは、お世話になった方や近親者がこれから新たな道へ進むとき、感謝と前途の幸福を願いながら贈る金銭や品物のことです。
職場では、転勤や退職でお世話になった方が退社される場合に多く見られ、プライベートでは親しい人の遠くへの引越しや旅行などでお餞別を渡す光景が多く見られます。
それ以外にも、孫が留学や新社会人として遠方へ飛び立つ場合に、祖父母から孫へお餞別を渡すケースが往々にしてあります。
懐かしい響きに「はなむけ」という言葉がありますが、実は餞別を意味した言葉です。昔旅立つ人が乗っている馬の鼻を、これから進む方向へ向けて道中の安全を祈り見送ったことから、「はなむけ」が別れに対し金品を贈って感謝や愛情を示す言葉となりました。
現在では「餞別」という言葉が一般的に使われます。
餞別は現金?品物?
これから新しい道を進もうとしている上司や部下、友人に、お餞別として渡すのは現金と品物のどちらが良いのか迷う人も多いでしょう。どちらが良いかは、贈る相手やシチュエーションにも寄りますので一概に言えませんが、一般的には現金が多いようです。
餞別の定番は現金
退職者への餞別は、水引きが紅白色で蝶結びになっているのし袋に入れて現金で贈るのが一般的です。
お祝いののし袋には「蝶結び」と「結び切り」があり、それぞれに意味があります。お祝いの種類によって使い分けが必要ですが、間違って使う人も少なくありません。
「蝶結び」はほどけるので何度でも結び直せることから、何度でも繰り返して良い出産などのお祝いや餞別、お礼などで用います。ちなみに、「結び切り」は簡単にはほどけませんので、繰り返しを避けたい結婚祝いやお見舞いに用います。
社会人になると気遣いを示すシーンが多くなります。その時々のシーンに合わせて正しいのし袋の用い方ができるよう、社会人のマナーとして心得ておきましょう。
品物でも問題ない
餞別として品物を贈ってもマナー違反ではありません。退職や転職が新築を伴うものであれば、新居で使ってもらえそうな品物を贈ると喜ばれます。
ただし、贈る相手や場合によっては贈り物として適さないものもあります。たとえばカバンや文房具は「勤勉でいること」をイメージさせますので、上司への餞別には適していません。また、女性へ贈る場合はエプロンも「家事を強制」させるイメージとなってしまうので気をつけましょう。
他にも贈り物として敬遠されるのが、ハンカチや履物、敷物、ライター、赤い置物、櫛などです。
また、部下から上司への餞別など現金で贈ることに気が引けたり、贈る相手に適した品物を思いつかなかったりする場合は、「カタログギフト」や「商品券」がお勧めです。現在では、デパートで「カタログギフト」や「商品券」が販売されています。
餞別の相場の金額は?
退職者への餞別の相場は、個人的な付き合いやお世話になった程度にもよりますので、一概にいくらとは言えません。基本的には、お返しなど気を使わせない程度の金品が良いとされ、高額な金品は避けます。
ただし、お餞別に限らずお祝い事は新札で渡すのがマナーです。社会人になるとさまざまなシーンでお祝いを渡すことが多くなりますので、お祝い封筒と一緒に新札の千円札・五千円札・一万円札をそれぞれ数枚程度、金庫に常備しておくことをお勧めします。
一般的に職場で贈られるお餞別の相場は、次の通りです。
- 定年退職者 5,000円~10,000円
- 途中退職者 3,000円~5,000円
- 転勤・移動 3,000円~5,000円
- 転居・引越し 1,000円~5,000円
- 上司へは、5,000円~20,000円が一般的です。
餞別とは?
- お世話になった方が新たな道へ進むとき、感謝と前途の幸福を願いながら贈る金銭や品物
- 餞別は現金でも品物でも可