逢魔時とは?何時ごろのこと?
逢魔時は黄昏時のことで、午後5時から午後7時までの時刻を指します。「逢う魔が時」や「逢う魔時」、「大禍時」とも呼ばれ、古い言葉では「暮れ六つ」や「酉の刻」と言われていました。
よしこ
夕暮れの時間帯が「逢魔時」だったのね。でもどうして逢魔時なんて、おどろおどろしい名前なのかしら。
着物ちゃん
それは言葉の通り、恐ろしいことが起こる時間帯だったからよ。
逢魔時の意味について
逢魔時とは言葉通りの意味で「妖怪や魔物、幽霊などに出会いそうな時刻」のことを言います。大禍時という言葉もありますが、こちらは「特に悪いことが起きる時刻」という意味を表しています。
着物ちゃん
今は昔と違って、明かりが少ない時代でした。だから人目を気にする必要がなく、悪いことをする人が多かったんです。犯罪などの禍が起こりやすいことから、逢魔時と呼びました。
よしこ
人目がないと、悪いことを考える人が多いものね。
逢魔時の語源と由来
「逢魔時」はもともと日本の言葉で「大禍時(おうまどき)」と呼ばれていました。悪いことが起こる禍々しい時を意味しており、本来漢語の「魔」とは縁のない言葉です。「逢魔時」という言葉は現代に至るまでに「大禍時」が歪められてできました。
また「たそがれは逢魔の時間」の文言に出てくる「たそがれ」にも由来があります。夕暮れ時は周囲が薄暗くなり、沈みかけた夕日の光が眩しく映ります。そのため前にいる人の顔がよく見えず、それが誰なのか判別しにくいことから語源である「誰そ彼時」といいました。
よしこ
「誰そ彼時」?
着物ちゃん
前にいる彼は誰なんだろう、の昔の言葉です。「彼は誰?」が前後入れ替わり「誰そ彼」になり、「たそがれ」から「黄昏時」に変わっていったんです。
よしこ
なるほどねぇ。あれ、でもなんで字が「黄昏」なの?
着物ちゃん
「黄昏」は状態を表す言葉です。「黄」は夕日のことで「昏」は光の量が少なく、物がよく見えない状態を表しているんですよ。まさに夕暮れのことですね。