枕草子「春はあけぼの」の全文の現代語訳・口語訳をご紹介!

枕草子「春はあけぼの」の全文の現代語訳・口語訳をご紹介!

「春はあけぼの」の書き出しで有名な枕草子といえば、平安時代の女流作家清少納言の作品ですよね。
第一段の「春はあけぼの」という言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、春はあけぼの現代語訳と口語訳(読み方)を併せてご紹介いたします。

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  1. 1「春はあけぼの」の書き出しで有名な枕草子とは?
  2. 2枕草子「春はあけぼの」の全文と口語訳を紹介!
  3. 2.1春はあけぼの全文 原文の読み方 
  4. 2.2現代語訳・口語訳

「春はあけぼの」の書き出しで有名な枕草子とは?

枕草子とは?

「枕草子」は平安時代中期の中宮、藤原定子の女房であった清少納言により執筆された随筆です。
現代風に言えば、宮内庁勤務の皇后付国家公務員の女性が書いたエッセイ集といったところでしょうか。

ひらがなを中心とした軽妙な文体で、日々の生活における様々な現象を「をかし」という日本文学上の美的概念を通して綴っています。

「をかし」とは趣、風情、愛らしいなどの美に対する感嘆や、称賛などを表す言葉で平安時代においては、人々の美意識に関わる重要な概念です。

「春はあけぼの」「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて」を「をかし」と表現した清少納言の感性は、現代の女性の「かわいい!」や「インスタ映え」に通じる感性だとも言われています。

枕草子「春はあけぼの」の全文と口語訳を紹介!

春はあけぼの
Photo bystevepb

そんな枕草子の中でも特に有名な序文である春はあけぼのの全文とその口語訳・現代語訳をご紹介いたします。

何と無く聞いたことはあっても、全文は読んだことがないといった方や、現代語訳はあまりよく知らないといった方はこの機会にぜひ読んでみましょう!



 

春はあけぼの全文 原文の読み方 

春はあけぼのの全文とその読み方は次のようになります。
読み方が現代文と違う部分を()内に表しています。

春はあけぼのの全文

春はあけぼの やうやう白くなりゆく山際(ようようしろくなりゆくやまぎわ) 少し明かりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる
夏は夜 月のころはさらなり 闇もなほ(なお) 蛍の多く飛びちがひたる(とびちがいたる) また、ただ一つ二つなど ほのかにうち光て行くもをかし(ゆくもおかし) 雨など降るもをかし(おかし)

 

秋は夕暮れ 夕日の差して山の端いと近うなりたるに(やまのはいとちこうなりたるに) 烏の寝所へ行くとて(からすのねどころへいくとて) 三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり(みつよつふたつみつなどとびいそぐさえあわれなり) まいて雁などの連ねたるが いと小さく見ゆるは いとをかし(おかし) 日入り果てて(ひいりはてて) 風の音、虫の音など(かぜのね むしのおとなど) はた言ふべきにあらず(はたいうべきにあらず) 

冬はつとめて 雪の降りたるは言ふべきにもあらず(いうべきにもあらず) 霜のいと白きも またさらでもいと寒きに 火など急ぎおこして 炭持て渡るも、いとつきづき
昼になりて ぬるくゆるびもていけば 火桶の火も 白き灰がちになりてわろし

いかがでしょうか?
清少納言の頃と現代では読み方や言葉の意味が違っているので、わかりづらい点がありますよね。
では、次に春はあけぼの現代語訳を見てみましょう。
 

現代語訳・口語訳

春はあけぼの現代語訳の全文は次のようになります。
 

春は明け方が素敵。だんだん白んでいく山際が少し明るくなって、紫がかった雲が細く横長に伸びている様子が美しい。

夏は夜が素敵。月が明るい頃は言うまでもないが、闇夜もやはり蛍が飛び交う様子が素晴らしい。
また、(蛍が)1匹、2匹とほのかに光って飛んでいくのも風情がある。


 

秋は夕暮れが素敵。夕日が差して山際にとても近くなってきた時に、からすが巣に飛んでいこうと3羽4羽、2羽3羽と急ぎ飛んでいく様子さえも、しみじみとした趣がある。
まして雁などが連なって(飛んで)いるのが、とても小さく見える様子は本当に趣深い。
日が沈みきって、風の音や虫の音など(聞こえてくる様子)はまた、言うまでもない。

冬は早朝が素敵。雪の降っている早朝は言うまでもない。
霜がとても白い早朝も、またそうでなくても、とても寒い早朝に火などを急いでおこして炭を持って渡歩くのも、とても似つかわしい。
昼になって、寒さがだんだんやわらいで(気温が)ぬるくなっていくと、火鉢の火も白い灰が多くなって、(見栄えが)悪い。

 

清少納言の、日常の季節の移り変わりの中に「趣」を見つける感性はとても美しいですよね。
現代に生きる私たちも、身近な生活の中に「趣」を感じるような素敵な女性になれるよう見習いたいですね。
 

枕草子「春はあけぼの」の現代語訳と読み方のまとめ

  • 春は明け方が素敵
  • 夏は夜が綺麗
  • 秋は夕暮れがいい
  • 冬は早朝が最高

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