「イエッタイガー」とはどのような行為？ライブなどで迷惑行為といわれる家虎コールの由来や発祥を知ろう

イエッタイガー（家虎）を禁止としていない会場では、歓迎はされませんが基本的にコールを行えないわけではありません。しかし、ライブ会場に集まる人にはそれぞれの楽しみ方があるので、一般的に人の迷惑を省みず騒音を発する行為は敬遠されるのが実情です。

アイドルグループによっては、曲を聴きにきている別のファンに迷惑がかかることや曲のイメージが壊れることを理由に、騒音となる掛け声を禁止しているライブがあります。

桃色クローバーZの妹分として活躍しているアイドルグループの私立恵比寿中学は、イエッタイガー（家虎）コールを迷惑行為と判断しました。そのため、2016年4月に公式ブログでコールなど迷惑行為の禁止を発表しています。

熱狂ファンやオタクによる騒音問題は、アニメ作品のリアルライブにまで及んでいます。アニメ作品であるけものフレンズのライブでは、ライブ運営側が積極的に騒音問題の対策を打ち出し、ライブ前に「虎さんコール」の禁止のアナウンスをしています。

アニメソングの最大イベントであるアニメロサマーライブでも、イエッタイガー（家虎）をはじめとするMIXコールの禁止が公式に発表されています。周囲に対し迷惑行為となる大声の掛け声は慎慎むべき、という意見が尊重された結果です。

イエッタイガー（家虎）などMIXやコールを嫌がるアイドルやグループは少なくありません。直接、音楽アーティストや製作側からコールに苦言を呈することもあるということをご紹介します。

FripSaidという音楽バンドのプロデューサーであるsatsさんが、熱狂的なファンに直接「イエッタイガー（家虎）をやめて欲しい」と伝えたのは有名な話です。

satsさんは、楽曲の無音の部分には無音のメロディーが存在しており、空白の部分は大事な意味があると訴えました。

アイドルグループ「でんぱ組.inc」の夢眠ねむさんは、2019年3月末に芸能界を引退していますが、芸能界活動中にはイエッタイガー（家虎）反対派であることを公表していました。

反対する理由は、「おつかれサマー」という楽曲で自分が歌うパートと大声で叫ぶコールが重なることに由来しています。夢眠ねむさんが反対する意味は、騒がしいや好きではないといった一般的な意味とは少し異なります。その証拠に、交流しているファンの中にはイエッタイガー（家虎）関係者もいます。

コールや応援行為で盛り上がる熱狂ファンやオタクたちの興奮度は、ライブで最高潮になりやすくトラブルを招くこともあります。過去において傷害事件になった一部の例をご紹介します。

「ラブライブ！サンシャイン！」を映画館（新宿バトル9）で上映中に、オタク同士の流血事件が発生しました。映画館では光グッズの使用が禁止されていましたが、一部のオタクが禁止事項を破り光グッズを使用したとのこと。迷惑に感じたオタクが鉄拳制裁を加えたことから殴り合いの喧嘩が発生しました。

兵庫県の男性による損害賠償事件は、兵庫県のご当地アイドルユニット「コウベリーズ」のライブ中に発生しました。ライブ中にオタ芸が発生したとき、ライブ主催者が退場など適切な対応を怠ったため歌声が聞こえなかったという意味で、男性はライブ主催者側に対し裁判を起こしました。

裁判結果は敗訴でしたが、オタ芸が裁判まで発展した一つの例です。

熱狂ファンやオタクによるコールなどの応援活動は、空気を読まず人の迷惑を考えない行動と受け止められ、現実にはライブ会場にいる他の人から嫌われる行為です。嫌われる理由を具体的に見てみましょう。

イエッタイガー（家虎）が敬遠されやすい理由に、静寂を台無しにして人の迷惑を顧みない騒がしい行動であるということがあります。本来はライブ会場に限らず、花見会場や交通機関の乗り物の中など、公共の場所では他人の迷惑にならないようにマナーを守ることが大事です。

しかし一部の熱烈ファンの中にはにマナー違反をする人がいます。静寂を好む人や楽曲だけの音を楽しみたい人、サビの余韻に浸りたい人にとって騒がしい存在は非常に迷惑ですね。どうしても掛け声出して楽しみたい人は、自宅やカラオケボックスなどプライベートの空間で行いましょう。

イエッタイガー（家虎）は、楽曲の持つ雰囲気に関係なく声を張り上げるので、楽曲のイメージが壊れやすく嫌われます。

ライブ会場で盛り上がるアイドルオタクたちは、コールをアイドルを盛り上げる目的ではなく、自己のストレス解消や楽しみを目的としている人も多くいます。そのため、楽曲のイメージに関係なくコールを繰り返すことが多いので曲のイメージが壊れ、ファンだけでなくアーティストからも嫌われることがあります。

アイドルの熱烈ファンだからといって、オタクや熱烈ファン全員が騒がしい行為を行うわけではありません。イエッタイガー（家虎）を繰り返すファンは極少数派です。多くのファンはライブ会場の雰囲気に合わせてマナーを守っています。

人それぞれ楽曲の楽しみ方が違うことを認識しましょう。公共の場所で大声を出すと多くのファンに迷惑を掛け、顰蹙（ひんしゅく）を買うことにつながります。

イエッタイガー（家虎）が禁止されているライブでは、どんなにコールをしたくても行わないのがルールです。禁止事項を破ると警備員から注意を受けたり、最悪の場合は強制退場も覚悟しておかなければなりません。また、他のファンとトラブルになる可能性もあります。

騒がしい行為の注意を促していないライブ会場もありますが、注意されていないから大声出して盛り上がってもいいという意味ではありません。ライブ会場によってはコールを迷惑行為と受け取ることもあるので、基本的に公共の場所では迷惑行為を控えてください。

ただし、コールが組み込まれている楽曲や推奨されているライブでは問題ありません。ライブの質を見極めて、その時々で適切な対応を心がけましょう。