徒歩の平均時速は?
不動産屋などでよく見かける「徒歩○○分」という表示は、徒歩の平均時速から計算をされている事をご存知でしょうか? この標準となっている徒歩の時速ですが、その人の年齢や性別、さらには体力等によって、実際の徒歩の平均時速は人それぞれ大きく異なります。
子供、成人、高齢者といった異なる年齢での徒歩の平均速度や、時速の計算方法についてご紹介します。
徒歩の平均時速【子供・成人・高齢者】
子供と成人、高齢者では、体力や脚力など多くの面で異なる部分があるため、徒歩での平均時速にも大きな差があります。
- 子供の徒歩の平均時速は成人より遅く、1~2km/時程度です。ただし子供の中でも、体力の違い、発達や年齢の差などの違いから、平均速度には大きな振れ幅があります。
- 成人の徒歩の平均時速は、4~6km/時程度です。
- 高齢者の徒歩の平均速度は、1.0~1.5km/時程度です。高齢者は全身の筋力の衰えや間接の痛み、さらには持久力の低下が見られるため、子供の平均時速よりも遅い傾向にあります。
上記の平均時速は、あくまで「標準」となります。つまり、体格や運動能力、自然環境といった内的要因や外的要因によって、徒歩の速度は大きく変わります。例えば、雪道を歩いたり、向かい風が吹いている時、重い荷物を持っている時は、平均時速よりも遅くなります。
時速の計算方法
時速の計算方法はご存知でしょうか。小学校の頃に一度習っていますが、計算をする機会がないと忘れてしまうこともあると思います。ここで、時速の計算方法についてご紹介します。
時速は「速度=距離÷所要時間」という計算方法で算出出来ます。自分の歩行速度についても、こちらの式を応用することで計算できます。
自分の徒歩の時速を把握しておくことで、自分の歩く速さに合わせて出発する時間を調整出来ます。グーグルマップなどで表示される到着時間に惑わされないためにも、一度ご自身の徒歩速度を測ってみる事がオススメです。
徒歩と自転車の時速はどのくらい違う?
それでは、ママの足とも言われる「自転車」の速度は、徒歩と比べるとどのくらい違いがあるのでしょうか? 自転車の種類によっても違いがありますが、徒歩に比べると平均時速には大きな差があります。
- 【ママチャリ】一般的な自転車「ママチャリ」の平均時速は、約15km/時です。徒歩(成人)に比べると、約3倍の速さとなります。ママチャリは基本的には平らな道を走るために作られているため、舗装されていない道ではあまりスピードが出ません。逆に、下り坂や追い風がある環境では加速するため、時速は12~19km/時と振れ幅があります。
- 【電動自転車】電動アシスト機能を備えている「電動自転車」の平均速度は、10~17km/時程度、徒歩(成人)に比べると約2~3倍の速さです。電動自転車の方がママチャリよりも速いと思われがちですが、実はママチャリの方が速度は大きいのです。電動自転車はアシスト機能がペダルを漕ぐ力をサポートすることを目的としているため、速く走ることを想定していないことが要因となっています。おおよそ時速10kmまでは、2倍程度の速度を発揮してくれますが、速度を上げるほどアシスト機能は弱くなります。
- 【マウンテンバイク】「マウンテンバイク」の平均速度は、18~25km/時程度です。徒歩(成人)に比べると、約4~6倍の速さです。マウンテンバイクは舗装されていない道を走ることを想定して造られているため、しっかりとした安定感があり、ギアの切り替えも可能です。注意点は、ペダルを少し漕いだだけでスピードが出てしまう為、坂道だと70km/時を超えてしまうことです。買い物カゴも付いていないので、町中で使用するには不向きと言えます。
不動産などの「徒歩○○分」は時速何キロで計算されているの?
不動産屋等でよくみかける「徒歩○○分」という表記は、一体どのような基準で決められたものなのでしょうか? 実は、この表記には「不動産の表示に関する公正競争規約第15条第11号」により以下のような明確な基準があります。
- 一分間あたり80mを徒歩速度とする
- 直線距離ではなく道路に沿って測定した距離を元に計算する
- 信号待ちの時間は考えない
- 踏切などで遠回りが必要なときは、その距離も含めて計算する
- 坂道などの歩くのに時間がかかる道路があっても、道路の距離で計算する
この基準は、健康な女性がハイヒールを履いた状態で1分間にどれだけ歩くことができるか、を実際に測定し決められた標準です。1963年に不動産業に携わる人達により決定されており、もしこの基準を破った場合、罰金を支払ったり自社の広告を出せなくなったり、といった処分が課されることになります。
「徒歩○○分」を鵜呑みにするのは危険?
ここでは、目的地までの案内をしてくれる便利なグーグルマップの検索機能について、注意点をご紹介します。
グーグルマップに表示されている「徒歩○○分」という表示も、不動産と同じく分速80mでの計算が適用となっています。また、グーグルマップの徒歩所要時間は出発地から目的地までの直線距離ではなく、「実際の道のり」を元に距離を表示しています。ここで、誤解しやすい2つのポイントをお伝えします。
- 【大きな駅やスーパー等が目的地の場合、目的地の出入り口ではなく、一番近い敷地部分までの距離を表示する】建物の入口までの距離が所要時間だと考える方も多いですが、グーグルマップでは「一番近い敷地部分まで」の所要時間を表示しています。
- 【信号・踏切を横断する際の待ち時間などは含まない】道路を歩く際は、信号や踏切といった待ち時間が発生しますが、徒歩所要時間には、この点は含まなくてよい、とされているのです。つまり、何も障害がない状態で目的地まで歩く時間を明記しています。
徒歩の時速のまとめ
- 徒歩の平均速度は子供が1~2km/時、成人が4~6km/時、高齢者1~1.5/時ですが、もちろん個人差があります。
- 自転車の平均速度はママチャリが12~19km/時、電動自転車が10~17km/時、マウンテンバイクが18~25km/時です。
- 不動産の「徒歩○○分」は速度4.8km/時を基準に表記されています。
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