よしえママ
啓蟄の意味とは?
啓蟄(けいちつ)とは、二十四節気(にじゅうしせっき)の「立春」・「雨水」に続く第三番目の節気で、「大地があたたかくなって冬籠もりしていた虫たちが這い出てくる」という意味です。
それぞれの漢字には次のような意味があります。
- 啓…【意味】開くこと。
- 蟄…【意味】虫などが隠れたり閉じ籠もったりすること。
冬眠や冬の寒さから活動を休止していた虫たちが動き出す、だんだん暖かくなる時季を意味しており、3月上旬の頃を指している言葉です。また同時に春の季語でもあります。
啓蟄の時期はいつ?
啓蟄(けいちつ)は、太陽暦の3月4日~6日あたりから次の節気である春分までの期間を指します。
気温で言うと10度以上15度以下ほど、春の陽気を感じ始める暖かい気温となる頃を指します。虫が冬眠から目覚めることを指す春の季語でもあることから、いわゆる「早春」が啓蟄にあたると言えます。
啓蟄は虫だけではなく生き物全般が目覚める時期
啓蟄には、虫だけでなく動物など、生き物のすべてが目を覚ます頃という意味がありますが、実は動物たちが冬眠から覚めて活動を始めるのは最低気温が5度以上、平均気温が10度以上になってからと言われています。啓蟄の頃にはまだ少し早く、実際に平均気温が10度を上回るようになるのは3月下旬ごろです。
しかし、カエルやヘビ、気温によってはメダカや亀なども長い冬を終え、春の暖かさに気づいて活動を再開するのを待っています。また植物の芽吹きも徐々に始まり、春の始まりに彩りを添えていきます。
2020年の啓蟄の日はいつ?
2020年の啓蟄の日は3月5日(木)で、その日から3月20日(金)の春分までの期間も啓蟄と呼びます。
温暖化の影響か2019年3月6日の東京は温かく、最高気温は14.2度もありました。生き物たちも春の始まりに気づいて眠い目をこすり、冬眠から覚めて伸びを始めたことでしょう。
ちなみに、2021年(令和3年)の啓蟄は「3月5日(金)」となっています。また、啓蟄は日にちだけでなく時刻も決まっており、2020年の啓蟄は3月5日の午前11時57分となっています。これは、定気法(空間分割法)と呼ばれる二十四節気の配置方法に基づいて算出されており、毎年啓蟄は正確に割り出されます。
啓蟄に旬な食べ物は?
啓蟄の頃に旬な食べ物としては、
- 野菜…蕨(ワラビ)、玉ネギ、シイタケ、フキノトウ、カブ、ニラ、パセリ
- 果物…甘夏、オレンジ、キウイ、デコポン、八朔(はっさく)、マンゴー
- 魚…さより、鰆(さわら)、しらうお、鯛、わかさぎ
啓蟄は俳句の季語や時候の挨拶でも使われる
啓蟄は春の季語となっていますので、俳句や時候の挨拶としても利用されます。あえて早春と書かず啓蟄という季語を使うことで、絶妙な時期・季節感・温度感を伝えられます。
- 俳句の例
【意味】気温が上がり虫たちが目覚め始めた早春の啓蟄、蟻(あり)たちも冬眠から目覚めて、早足でエサを探し求めて歩き周りコガネムシなどを引っ張っているなあ。
啓蟄の 虫より早く 起き出でて
【意味】啓蟄の頃、いそいそと足並みを揃えて冬の眠りから覚めて出てくる虫たちよりも、早くに目が覚めてしまったことだなあ。
啓蟄や 生れ来る子の 報せ待つ
【意味】生き物たちも眠りから目覚め這い出てくる啓蟄の頃、お腹の子供もそろそろ顔を覗かせて出て来はしないだろうかと思いながら、出産の知らせを今か今かと待っているところだ。
- 時候の挨拶の例
啓蟄の候 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
…
末筆ながらご一同様にくれぐれもよろしく申し上げてください。
敬具
まとめ
二十四節気の一つである「啓蟄」は春を表す季語として、現在も使われています。この日に特別な行事はありませんが、山菜や八朔など旬の食べ物を食し、春の訪れを感じるのも日本人ならではの楽しみかもしれません。
啓蟄の意味のまとめ
- 2020年の啓蟄(けいちつ)は、3月5日(木)および5日~春分の日までの期間。春の季語でもある。
- 啓蟄には、「虫などの生き物が冬の眠りから目覚め、地上にはい出てきて活動を始める」という意味がある。
- 啓蟄の頃に旬な食べ物としては、蕨(ワラビ)やフキノトウなどの山菜、八朔(はっさく)、鰆(さわら)などがある。
よしえママ
啓蟄の意味はお分かりいただけましたか? 最後まで読んでいただきありがとうございました。
「啓蟄」って聞くと春の訪れを感じます。暖かくなってくると屋外に出たくなるのは虫たちだけじゃないですよね!?