「虚心坦懐」の意味とは?
「虚心坦懐」とは、自分の心の中に相手に対する不信感や不満のような負の感情を持つことなく、心が穏やかでありのままを受け入れることを意味しています。
例えば、ある出来事に対して納得いかないことがあったとします。そのような時にいつまでも悶々としていては解決はしません。いったん、その納得いかないという気持ちを心の外に置き、その出来事について心を開いて相手と素直に話をし、ありのままを受け入れるようにするということを意味しているのです。
「虚心坦懐」の読み方
「虚心坦懐」は「きょしんたんかい」と読みます。「坦懐」の「坦」の漢字が「担任」や「担々麺」の「担」に似ているため、間違えてしまうことがあるので注意しましょう。
「虚心坦懐」の語源や類語
次に「虚心坦懐」の語源や類語について、詳しく解説していきます。「虚心坦懐」のように少し難しいと感じる言葉でも、語源を知ったり類語の中に自分が知っている熟語を見つけたりすることで、身近な熟語として捉えることが出来るようになるのではないでしょうか。
語源
「虚心坦懐」は「虚心」と「坦懐」のふたつの熟語が一緒になって出来た四字熟語です。そこで、「虚心」と「坦懐」というふたつの熟語の語源からみていくことにしましょう。
「虚心」は、相手に対する思い込みの気持ちを持たずにありのままを受け入れるという意味があります。「虚」には、偽りや嘘という意味もありますが、今回は邪心を持たないや素直、中身がない(先入観や偏見といった思い込みがない)という意味になります。また、「心」は気持ちや感情を表わしています。
「坦懐」は、温順で心の中に波風が立つようなことはなく遠くまで見渡せるような平らな状態という意味があります。「坦」には、ゆったりと落ち着いているや穏やか、従順、平らな状態といった意味があり、「懐」には、心の中にある思いや胸の辺りの内側を表わしている言葉となります。
この様に「虚心坦懐」とは、思い込みの気持ちを持たずにありのままを受け入れるという意味の「虚心」と心が温順で穏やかな状態という意味の「坦懐」が一緒になった四字熟語になります。
類語
次に、「虚心坦懐」の類語を紹介します。
・虚心平気(きょしんへいき):不信感や不満を持つことなく穏やかに心を落ち着かせている様子
・星雲秋月(せいうんしゅうげつ):朴直で邪気のない透き通った心を表わしている熟語
・明鏡止水(めいきょうしすい):無垢で邪念や私欲がない心の状態のこと
「虚心坦懐」の使い方と例文
では次に「虚心坦懐」が、どのような状況で使われるのか、使い方と合わせて例文をまとめました。
- 例文①:彼女は虚心坦懐な人だ
- 例文②:焦る気持ちを抑えて、虚心坦懐の気持ちで挑めば、きっと商談は成立するだろう
- 例文③:これまでのことは水に流して、虚心坦懐に話をしよう
「虚心坦懐」はビジネスシーンでも役立つ四字熟語
「虚心坦懐」のように、わだかまりや先入観、偏見などの気持ちをなしにして素直な気持ちで向き合うことで、よりよい人間関係を築くことができます。これは、ビジネスシーンでもいえること。「虚心坦懐」は、職場内の人達だけでなく、取引先との関係や商談の交渉においても役立つ心構えの言葉となります。
下記に「虚心坦懐」の類語として紹介した「明鏡止水」について詳しく解説された記事があります。こちらの記事も、ぜひチェックしてみてくださいね。
「虚心坦懐」の意味・使い方や語源・類語のまとめ
- 「虚心坦懐」の意味:心が穏やかでありのままを受け入れる状態のこと
- 「虚心坦懐」の語源:思い込みの気持ちを持たずにありのままを受け入れるという意味の「虚心」と心が素直で穏やかな状態という意味の「坦懐」が一緒になった
- 「虚心坦懐」の類語:「虚心平気」「星雲秋月」「明鏡止水」など